逆転魔王城
…………
「「何でええええええええええええええええええええ!!?」」
目の前に広がるのは、見慣れた魔王城の大広間。……ん?
何か……違うような…………あ
「ノエルさん! ここ、魔王城じゃ無いですよ!」
「んなわけないでしょ、バカなの? あの仰々しい大きな扉は、魔王城の扉しかありえないに決まってるじゃん。バカなの? バカなの?」
何で二回言ったんですか? 何で二回目の「バカなの?」を強調して言ったんですか? 地味に傷つく精神攻撃止めて下さいよ。
確かに目の前に在るのは、ありえない存在感を放つザ・魔王城の門。ガイコツとかコウモリの羽とかついてますけど、
「あれは魔王城の門じゃないんです」
「? ……どうゆうこと?」
「よく見てみて下さい」
門をじーっと見るノエルさん。
「――ん?」
それから首を九十度ぐらい傾げるノエルさん。
「――――んん?」
「――分かりました?」
「……違和感はあるんだけど……」
「……正解言いますよ。正解h「ちょっと待て、自分で考えるから」……はい……」
ノエルさんは考え中です。
……ノエルさん、百数年前から変わらないな。変わったことは、ノエルさんが最近髪を伸ばし始めたことぐらいですかね。
「――――――あ」
「分かりました?」
「鏡ってことか!」
「正解!」
そうです。今僕たちが居るここは、魔王城と左右逆転しているんです!
「よく分かりましたね!」
「あそこにある像が反転してたから」
部屋の隅の像の位置が、確かに左右逆でした。
「よーし! 謎も解けたことですし、行きましょう!」
「どこに?」
「……え?」
「謎も何も、あたしたちはここが魔王城じゃないって分かっただけで、ここがどこなのか、何をすべきなのかも分かってないんだよ? これからどうすれと?」
……正論!!
「ナントカナリマスヨー。サキニススミマショー」
「喋り方おかしいぞ」
僕らがどうするか悩んでいると、どこかから声が聞こえてきました。