魔神の祠にて。魔王、国宝破壊
「ここが……魔神の祠」
酒場から出た僕とノエルさんは、大昔から在ると言われている洞窟の奥に在る、魔神の祠にやって来ました。
「……どうやって屋敷に行くんだ?」
「あ、ここに穴があいてますよ」
祠の下に、小さな穴がありました。人がぎりぎり入れるか入れないかぐらいの大きさです。
「……よし、成れ!」
成れって言うのは、僕が聖剣の姿に成るための呪文的なのです。因みに、僕は剣に成ったら念話でコミュニケーションをとります。
「……ノエルさん、何する気ですか……?」
……悪い予感がします。ノエルさんが僕を構えます。僕こんなんですけど、まあまあ威力はあるんです。こんな狭い所で、僕を振り回すと……たぶん、魔神の祠が跡形もなく消し飛びます。
「あたしは神を信じないタイプだから」
「いや、信じる信じないの問題じゃないですよ!? ジャパンで言う国宝的な価値のある祠ですよ!?」
「……なぜ英語で言った」
「え? 何となくでs「よし」って何決意してるんですか!? やっ、止めてぇぇぇぇぇぇ!!」
ドゴーーンと効果音が聞こえて、魔神の祠と洞窟は消し飛びました☆
「ちょっとノエルさん! 危ないじゃないですか! 何で僕ら生きてるんですか!?」
「この穴のおかげだな」
あ、ちゃんと答えてくれるんですね。
穴の中には、何かよくわからない色の球体がありました。
「……これ、何?」
「僕に訊かれても」
「「……」」
何となーく、その場の雰囲気でその球体に触ってみたんです。あ、僕はもう人型に戻ってます。
するとお決まり通り、球体が輝きだして、光が僕らを包み込んで……
気が付いたら……
魔王城に戻っていました。