城下の酒場にて。聖剣、驚きの新事実
引き続き、聖剣リルハがお送りします!
城下に来た僕とノエルさんは、早速情報収集を始めました。と、
「あっ! ノエル様じゃないか。どうしたんだい、こんなとこに。まぁ入んなよ!」
魔界一の酒場のおかみのソフィさんが話しかけてきました。で、酒場に入らされました。
ソフィさんは先祖代々続く宿屋の五代目女将だったんですけど、最近宿屋を改築して、一階に酒場を造ったんです。
「おう、ノエルちゃんじゃねーか! どーしたんだい?」
「いや、ちょっと人を捜してて」
「そうなのかい、ま、座れや」
「あの、僕を無視しないで下さい」
「んあ? ……誰だ?」
えええええええええええええええええええええええええええええええええ
「ノエルちゃん、知り合いか?」
「え……まあ一応」
「ちょっと! ちゃんと紹介してくださいよ!」
「あ、えっと、あたしの剣兼秘書的なヤツです」
「ふーん。……見えねえな」
「頭悪そうだもんなあ」
「ついでに弱そうだもんな。剣になりそうにも無いしな」
「……」
ノエルさん、僕を哀れみの目で見ないで下さい。……あれ、どうしたんだろう、視界がぼやけて来ました。
……え? 泣いてなんていないですよ? 何言ってるんですか? これは汗ですよ? 汗。
確かに、僕は普段人前に出ませんけど、戴冠式の時とかノエルさんの側に居ましたよ!? (聖剣の姿で)
他にもあんな時とかこんな時とか、大事な行事の時はいっつもノエルさんの側に居たのに!
何で、認知されてないんだ……
「……お前、精神弱かったんだな」
「……その一言がまた心を抉るとノエルさんは知らない」
「おい、それは本来ナレーターが言うべきセリフだ」
「あーーーーーもーーーーー! そ・れ・よ・り・も! や・る・べ・き・こ・と・が! あ・る・で・しょ・う!!」
「あん? なんだいやるべきことって」
「あ、ええっとですね」
ノエルさんは今までのいきさつを二人に説明しました。仙人(または賢者)を捜してることもちゃんと話しました。そしたら、
「ああそれなら、おーいじいさん!」
「フォ? なんじゃい」
「ノエルちゃん、このじいさん、仙人らしいぜ!」
…………
「「えええええええええええええええええええええええええええええええ!!?」」
旅は案外早く終わりました。