第8話 「真剣勝負!今日の敵は、明日の友?」
うわー!めんどくさいの来たー!
「グラブディオル」。上級技だなぁ。
そんな事を思いながら、今鶴は撃ち抜かれた。
痛ってぇぇぇぇ。足に1本腕に2本。くそうもっとかなぁ。涙出そう。
「ゲホッ! はぁーはぁ。今、今鶴か。チッ! いきがりやがって!」
殴られた腹を抱え、吐血した口を右手で拭い、途切れ途切れに加賀瑠璃は愚痴った。
「うおぉぉぉぉ!『ブースト』!」
「『パーチア』」
お互いに傷が劇的な速さで修復を始め、完治にまで至った。
「お前まで『自己回復能力』持ちかよ!」
これ勝負つかねぇんじゃねぇの?
そんな今鶴の疑問を読んだかのように、加賀瑠璃が答えた。
「『魂のエネルギー』が尽きるまでだな」
「た、たましのえねるぎ?」
「しらねぇのかぁ!?」
「つうかお前。色々と知ってそうだな! よし、この勝負、俺が勝ったらお前俺の仲間になれ!」
「…………は?」
「今は何より戦力と情報が必要なんだ。要求追加。お前のカードだけじゃなく、『そのカードを使えるお前自身を俺の仲間としていただく』」
そう、あくまでこれは掛けたものが絶対遵守される、『ゲーム』なのだ。
「…………いいだろう。ただし、お前が俺より強けりればだ。要求追加。そうだな……俺が勝ったら、『カードだけではなく、1つ俺の命令に絶対遵守』だ」
両者の10メートル上空がひかり、軽いノイズが走った。すなわち、『要求成立』。第2ラウンドの始まりである。
「よっしゃあ! えーと、『エネルギー』? が尽きるまで戦り続けてやらぁ!」
「「技名コール。」」
「『ブースト』!」
「『ブスルダ』!」
その後、魂のエネルギーが尽きるまで、もとい丸2日間生死を争う死闘の末、今鶴の勝利で決着がつき、晴れて加賀瑠璃が仲間になったとか。その際、『神実の森』の地形が少なからず変形した事は、言うまでもないだろう…………




