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アニメの世界じゃなんとやら  作者: 終匠 竜
アニメ:闇と光の世界地図 編
47/52

第47話「指切りげんまん」


ちょっといつもより長めですかね。

所々目が滑るかもしれません。

なんか注意点などがあったら報告お願いします。



「はい、ジョーカー。キングのトリプル。八ぎり〜、四っとぉ! あっがりぃ!」

「か、革命を起こしたのに」

「革命返ししたのに」

「革命返し返しをしたというのに」

「革命返し返し返しをしましたのにぃ……」

「お前ら、革命好きだね……」


出発してからもう三日か。


「後数時間で着くんじゃないか?」

「えー、もう少しこうしていたいですクレァさーん」

「またいつでもできるだろ? な、アズ」

「へ? え、えぇ、そうですよマスター。………………そう、……いつでも……」

「ん?なんか言った」

「い、いえ! なんでも!」


そっか……ってうお! 光が!


「慣れてないと辛いですよねぇ〜、サングラス入りますぅ〜?」

「大丈夫だ。問題ない」

「そうですかぁ〜。ではぁ」

「あぁウソ今のネタだから。借りる借りる借りちゃう」


閃光玉を食らう感覚はこんな感じなのか。

初の体験ができるっていうのは本当にいいもんだな。


今度は衝撃に備えちゃんと体を固定している。ライも同様だ。

これで放り出される心配はない。


「取り敢えず戻ったら弄月に連絡だな。あと渡辺の爺さんの言ってたレベル9の奴がどんなやつか見てみねぇと。あとは、作戦だな。さて、どうしたもんか」

「抜けましたよぉ〜」

「はいよ。繋げ・『ドラゴンブレスは扇風機』の世界へ。『空気通信機』。おーい弄月俺だどうぞ。……あぁ……あぁ……うん……おーけー了解だ。集合場所は、南方の崖を右に……」


思った以上に、計画が早く進みそうだ。


◇◆◇


「よくぞ戻られたスター殿。頭の固い爺様を説得するのは骨が折れたでござる」

「要求は?」

「拙者が一人で、和の国の保有するダンジョンを突破することでござる」


むぐ。まだアニメでスポットライトが当たってない部分の話はわからんなあ。

その要求。恐らくは無理難題をふっかけて諦めさせる魂胆だったのだろう。


「で、どうなったの?」

「勿論突破して。その奥に祀られていた『陰陽のカード』手に入れたでござる」


その無理難題をあっさりクリアしちゃったわけか。

ダンジョンっていうのはそんなに簡単に攻略できるものじゃない筈なのだが。

こいつだいぶバカみたいなステータスしてますな。


「そうか、ありがとう。こんなに早く切り札が手に入るとは思わなかった。さて、使い手なんだが……三鷹。いけるか?」

「僕ですかぁ! ぜひぜひぃ〜」


やはり三鷹はカード能力に関することなら貪欲だ。

写真も撮らせてあげることにしよう。


「助かる。これから俺が作ったアイテムを参加する人全員に配るから、全員集めてくれ。話し合いもしたい。急ぎで行動するぞ!」」

「「「おう!!」」

「は、はい!」

「ほ〜いぃ」

「……はい、マスター」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「皆んな。一週間かけてこの地に集まってくれたこと。心から感謝する!!」


ここは、現エデンから海を渡り、俺がこの世界で最初に目覚めた場所『福音の神殿』の目の前だ。


「普通この地まで一週間など不可能であると考えるだろう。だが、君たちを実際にここに連れてきたのは俺、スターの力だ。どうか俺についてきてほしい」


真っ平らな広い草原が広がっているその場所に、大きな丸机が置かれ、椅子が人数分置かれている。

その椅子に座っている面々が、揃って首を縦に振ってくれた。


「ではまず、作戦のおさらいから。メインは俺たち、俺、ライ、アズ、弄月、三鷹、桜田。マリは後方支援。それ以外に後方支援の人はいるか?」

「私は完璧に全璧に、後方支援なのです」

「ありがとう。名前を」

「『来宮(くるみや) 安楽(やすらぎ)』。お爺ちゃんのお手伝いに来たのです。カードのレベルは9。カードネームは『転移(テレポート)』。条件を満たせばどんなところにでも行ける能力なのです」


嘘だろ!!!!


「激レアナインじゃないか!!!!」

「激レアナイン? なのです」


レベル9の中で、ゲームプレイヤーたちを課金の闇に誘った激レアカード。

激レアのレベル9だから、激レアナイン。

某ドラゴンク○ストの箱舟みたいな扱いだったからなぁ。


「う、ごほん。悪かった。あまりに凄い能力だったもので。少し取り乱してしまった」

「買い被らないでほしいのです。私は転移しかできないのです。移動しかできないのです」

「それで十分なんだ。君がいてくれてよかった。早速後でその条件とやらを聞こうか」

「わかったのです」


まさかこんな所で移動手段が手に入るとは。

『指輪』の力を使うつもりだったが。容量が節約できるなら願ったり叶ったりだ。


「では話を戻そう。相手の情報だが。相手『守護神・ガーディア』の使用する能力は守護神の名の通り、防御系の能力。自分の周りにシールドを貼るタイプだ。円球に体を囲い込むから穴はない。レベルを超越したその能力の力は三鷹の『絶壁(パーフェクト)』の遥か上をいく。とてもじゃないが普通に相手してちゃ攻撃は当てられないだろう。デメリットといえば、器は大きな神々しい女性の体なんだけど、非常に体が弱くて、それこそ猫パンチでもヘロヘロになるほど貧弱というところくらいだ。だからこそ身を守っているのだろうが。

とにかくデカイ。デカさに圧倒されないよう何度でも言っておく、デカイ。手が全部で六本。体は純白に輝き、顔は優しさを煮詰めて凝縮したような試合の表情を浮かべている。見た目物凄く神々しい。

だが器だ。仮初めだ。神っぽいかな? なんてテンションで作られたボディだ。遠慮すんな。『核』さえ破壊しなければ神は死なない」


――――――ドドドド………………ーい…………


「マスター。なにか、来ます」

「おーーーーーーーーーーーーーいいい!!!!!! アーーーーニキィィィィィイイイイ!!!!! 相棒ーーーーーーーー!!!」

「レオくん!!??」


恥ずかしがりのマリが目をまん丸にして叫んだ。

とてつもないスピードで走ってこちらに向かって来てたのは、マリの幼馴染にして相棒

『ミルティア・レオン』であった。


「レオ。お前……」

「お久しぶりっす。兄貴。幾たびの修行を乗り越え、成長して俺、帰って来たっす!!」

「成長って……速すぎないか? 物理的速度にしても……」

「レベル9まで上がりましたよ! 兄貴!」

「「「「はぁぁああ!!!」」」」

「にししし」



◇◆◇


「皆んな、明日に備えて、今日はゆっくりと過ごしてくれ」


とは言っても。大量の大型テントなんだが。

ろくな設備が整えられなくてすまない。


「別に構わんじゃろ。それに、こんな豪華な野営じゃと、逆に楽しいわい」

「渡辺さん」


なんか集落のお祭りみたいな雰囲気になってるな。

こんなに人いたっけ? 『転移(テレポート)』の能力で爺さんの研究所から連れて来たのかな?


「んじゃ、俺は安楽(やすらぎ)さんに話をして来ます」

「大変じゃなぁ」

「楽しい、ですから」


こちらを見送る爺さんにゆっくりと手を振った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「マスター」

「うわぁ! な、なに?」

「こんな時間に女の子一人のところに忍び込んでなにをしようとしてたんですか浮気ですか浮気なんですねユールーシーマーセーンーヨー!!!」

「ぎゃーお!!」


違う違う。そんなんじゃないから! と必死に説得を試みる。


「なにが違うというんですか! マスターのすけべ! 変態! 甲斐性なしぃ!!!!」

「安楽さんに『転移(テレポート)』に関しての話をするんだよ!」

「と、いう建前ですね騙されませんよ!」

「思考連結させてるでしょうが! ふざけないの!!」


周りの目がなんだなんだと増えて行く。

にぎゃー、やめろー、こっちを見るなー、この爆発は人間じゃあねぇ!!


「おい、いい加減に……って」


グッと力を込めてアズをひっぺがそうとしてはたと気付く

アズがプルプルと震えていることに。


「はぁ…………わかったよ。お前も来ていいから」


びたりとアズの震えが止まる。

なにをそんなに気にしていたのか知らないが、アズがそこまでなにか負担を感じてしまっているのなら、このくらいしてやるくらいなんでもないさ。


「すみません。スターです。入ってよろしいでしょうか安楽さん」

「どうぞ、なのです」


ぱらりとテントをくぐる。


「お一人で来たのですね」

「へ? お一人?」


キョロキョロと周りを見渡すがアズの姿はどこにもなかった。

まさか、透明化? なにしに来たんだあいつ。


とうとうアズの魂胆が謎に包まれ始めたあたりで、安楽さんが非常に警戒した目でこちらを見ていることに気づく。


「あぁ、すみません。ウ、ゴホンゴホンッ。あー、『転移(テレポート)』について、話を聞かせてもらえないでしょうか」

「転移条件だけなら、お教えするのです」


技の詳しい能力とかは聞き出せないっと。

ま、渡辺の爺さんの言ってたもやしってのがこの子なわけで。

俺たちのことを信用しているという線は非常に薄いと考えられるからな。当たり前か。


「それでいいです。なにをすれば良いのでしょうか?」

「見るのです」

「『見る』?」

「ええ。私は一度この目で見た場所にのみ転移することができるのです。それか、一度見た生物の近くに転移することもできるのです」


見る、か。

爆・カーの使用条件が記憶であるのと同じようなシステムだろう。


「その見るというのは、間接的にもアリなのでしょうか?」

「間接的?」

「例えば、三鷹が撮った写真の風景を見れば、その場所に行けるとか」

「おそらく可能なのです」

「わかりました。では、少々お待ちください」


テントを出て、人が少ない場所まで歩いてから声をかける。


「アズ。いるか?」

「ここに。マスター」

「指輪の力を使う。周りに人がいないことを確認してくれ」

「かしこまりです。マスター」


しばらく目を閉じていたアズから、オーケーのサインが出るので早速始める。


「繋げ、『俺のことが嫌いなあいつらはどうやら俺のことが大好きなようです』の世界へ」


指輪から銀色の球体が現れる。


「『創魔投影鏡(そうまとうえいきょう)』」


球体がグネグネと変形、破裂するように水色の鏡が姿を現した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「それ、は?」

「俺たちのいきたい場所を映し出すアイテムです。では、こちらをよーくご覧ください」

「はい、なのです」


アニメで見たことのある風景を現実の物と似せてよりクオリティを出しながら想像する。

その想像のイメージが形となって鏡に映った。


「だいぶ、黒いのです。なのにピカピカしてるのです。綺麗な星空なのです」

「これは星空じゃなくて。『宇宙空間』。えーっと、空気とかなくて、えー、まぁ、神の空間とでも思っていればいいよ」

「神様の空間なのです」


鏡は役目を果たしたと言うようにふっと解けるように消えた。


「……ッ……ハァ……ハァ……これで、いいでしょうか」

「少なくとも、今私が見た場所になら転移させることが可能なのです」

「そうか、ありがとう」


この世界と現実世界の宇宙空間が全く同じものだとは言わないが、この世界でそれをやれば、この世界の神のもとへ無事飛べるだろう。

イメージの大元はアニメで見たバックだからな。


「では私はこれで。明日、よろしくお願いします」

「おやすみなさい、なのです」


さて、終わったことだし。

次はあいつだな。




「おーい俺だー入れてく――――」

「兄貴!!!」


言い終わる前に勢いよくテント入り口の布がバサバサと舞った。


「レオぉぉ……お前なぁ……」

「さぁさぁ兄貴入ってください。ライさんにお茶を出していたところなので。兄貴もどうぞ」

「おうスターか。その様子だと、『転移』の件は済んだみたいだな」

「あぁ。何事もなくな」


俺が座布団に座ると素早く横から「どうぞ」とお茶が俺の前に置かれる。


ズズッとすこしすすって目を見開く


「うまい……な」

「俺も驚いた。この渋みがなんとも」

「兄貴が気に入ってくれるんじゃないかと思って。買っといたんですよ」


日本の茶並みの渋さ。そして薄すぎず濃すぎず。この淹れ方はかなり練習が必要なのではないだろうか。


「凄いな。レベル9になったと言っていたし。世界を回ってたのか?」

「はい。『追加(プラス)』の能力も、今では『追加者(プラスラー)』に進化しました。めっちゃ色々とあったんですよ! 聞いてくれます!」

「是非聞かせてくれ」

「最初驚いたのはですね。覚えていく技が、『人の力を足す』技ばっかりだったんですよ」


プラスという名前からして、足し算がベースの能力であるということはわかるが、どうゆうことだ?


「兄貴風にいうと、『誰かを強化させる』技ばっかり、ってことです」

「はぁ!!」

「他の動物とかにかけると、自分にかける以上に効果が発揮するように感じて。色々実験して見たところ、俺の能力って後方支援系だったということが判明したんです」


他人強化の能力。

マリの『減少(マイナス)』が他人弱化の能力だから、『追加(プラス)』もそうであっておかしくない。


「成る程、な。となるとレオには、戦線に参加してもらうわけにもいかないか」

「すみません兄貴……その代わり、全力でサポートしますから!」

「あぁ、頼む。ほら、他にも色々とあるんだろ? 何かあったのか、詳しく聞かせてくれよ」

「は、はい! 旅を始めた本当にすぐの頃だったかなぁ〜、村が盗賊に襲われてて……――――」


レオの壮絶な、それでいて楽しげで朗らかな、時には危険を承知で人のために戦い、時には誰かを慰めて、そんな男気溢れる冒険の話。

死ぬほど恋愛フラグが立っていた。話聞いてるだけでも軽く20人は落ちてるんじゃないだろうか。

勿体無い。それに全く気付かずにそのまま離れるとはなんと朴念仁なのか。

お金がなくてお礼をしようとレオに迫った女の子がいるらしいが、レオは全く真意に気付かず、「その服くれんの?」とのたまったらしい。

レオの言い分はこうだ。「金がない。でもお礼がしたいってその子言ったんですよ。うまい飯でも食わせてくれんのかな〜なんて思ってたら、いきなり服脱ぎ始めたんだよ。なにやってんの? て最初はビビったんだけどさ。途中でビビビッと察したわけ。あ、この子その服売ってお金にしてくれるんだ、って」

レオよ。お前は鬼か!!






「よいしょっと」

「お帰りなさいませ。マスター」

「ずっと一緒にいたろ? どうしてここに戻ってきたら姿をあらわすんだよ」


飯はレオとライのテントで済ませてきたので、早速寝床に入る。

見張りはやってくれると渡辺さんが言ってくれたが、そういうわけにもいかない。


今見張りはライがやってくれている。

次の見張り交代まで二時間。次はレオがかって出てくれた。

そのまた二時間後。俺の番だ。


四時間寝れるわけだ。早速寝ておこうと布団に入る。


「………………アズさんや。間違ってる間違ってる。君の布団は隣だよ」

「いえいえ。間違ってなどいません。ええ間違ってなどいませんとも」


遠慮容赦なく俺の布団に潜り込んでくるアズ。

いつもならもう少しアズの感触を味わいたいところだが


「ダメダメ。四時間しっかりねとかないといけないんだから。ほら、隣で寝ろ」

「まぁまあ、いいじゃないですか」

「ダメだってば!」

「ぶう……マスターの意地悪……」

「マリも寝てるだろうが」


ごろりと俺の上からはどいてくれたが、それでも半分は俺の布団の中にいる。

川の字で寝ているから、そうなることはできるのだ。


なにがあるかわからない。だからこそ常に緊張感を持っておかなければならない。

事前にレオに強化技を使ってもらってある。


いつなにが起こってもすぐに反応できるように、聴力を最大限研ぎ澄ませる。



それにより聞こえてしまった。



「…………………………マスターは私のこと…………どう思ってるんですか…………」


アズのそのつぶやきが。


驚いてアズの方を向くと、アズと目があい、一瞬目を丸くしたアズはゆっくりと笑顔になった。


「えへへ……遂に聞こえちゃいましたか……」

「お前……いつもそんなこと呟いてたのか」


時々一人になるとボソボソっと口を動かしている時があった。

『ブースト』で聴く気にもなれず、気にはなりながらも我慢していたのだが……


「ええ、いつも。一日も絶やすことなく気づけば呟いています。もう無意識なんです。すみません、嫌な子で」

「嫌な子なんかじゃないよ」


いつも無意識で。

そんなに不安だったのだろうか。そんなに気になることなのだろうか。


「俺がアズのことをどう思っているか。そんなに知りたいのか?」

「……えぇ」

「アズが俺のことを好きなのは、システムのせ」

「そんなことはありません。たとえ私が説明書から生まれた存在であり、マスターをサポートする存在であったとしても…………この感情は嘘偽りなく、すべて私のものです」


俺の言葉を遮って。小声でありながらも強い目で射抜きながらそう宣言した。


「俺さ……怖いんだ…………」


アズが本音を言ってくれたのに、俺が本音を言わないなんてことがあっていいだろうか。

いいわけがない。そんな理屈を抜きにすればいいたくない。

何故なら、怖いから。

それでも言いたい。俺のことを想ってくれている彼女に、知ってほしい。


「リアルじゃモテなくて、友達がいなくて、好きなことで周りから浮いて、いつも一人で、厨二患者で、妄想家で、独り言が気持ち悪くて、スポーツもできなくて、頭も悪くて、コミュ障で、いつもニヤニヤしてて、二次元にしか俺の心の拠り所はなかった。

この世界に来て、やっぱりチートとか持ってようが俺は俺で。心のどこかで弱い俺が叫ぶんだ。本当お前なんか何の力も持ってないくせにって、他の多くの人を騙して、洗脳して、このゴミが! って。

怖いんだよ。本気で俺がお前を想ってしまうぶん、どんどんお前に依存しちまう気がして、お前がいなくなったら、もう立ち直れない気がして。

でもさ。止まりたくないんだよ。本心では止まりたくないって思ってる。恐怖がブレーキを踏んでも、その足を根性で緩めてさ、アクセル全開にしたいって。そうとも思ってるんだ。

もう、逃げない。俺が思ったことの最善を貫く。本心に嘘はつきたくないから。

でも、少しだけ時間をくれないか? 死亡フラグだって笑っちまうけど、この戦いが終わったら、お前に心からの返事をする。待っていてくれるか?」


何を言っているのかよく理解できなかった。だが、言いたかったことが言えたということはわかった。

アズは俺の言葉を最後まで聞いて、そして返事をしてくれた。


「はい。待ってます。約束ですよ?」

「あぁ、約束だ」


アズが差し出す小指に俺の小指をからませようとして、別の小指が俺たちの間に割り込んだ。


「ま、マリ? お前、聞いて……」

「私も、洗脳なんかじゃなくて、本気、ですから。私とも約束、してくれないでしょうか」


マリの顔は暗がりでもありありとわかるぐらいに真っ赤だった。


「……あぁ。勿論、約束」


三人で小指をからませて、ちょっと前に話した歌を唄い出す。


「「「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ーます」」」


三人笑顔にうなづいて、続ける。


「「「指切った」」」




次の話から最終編が始まります。


遂に遂に満を辞していざ、『神』との戦いが幕を開ける!


さて、どのような戦いになるのやら。

作者も半分他人目線で、ほーん、この先どうなんだんだろなー みたいなテンションでやってます。


次の更新も明日!!


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