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アニメの世界じゃなんとやら  作者: 終匠 竜
アニメ:闇と光の世界地図 編
41/52

第41話「戦後の懐かしき対面」


「うっ……うぅぅ……」

「…………」


な、何この空気!?


勝利宣言を堂々とかましてから、約十分ほどが経過した。

『無敵』。まぁ三鷹呼ぶことにするが、能力のカード化(写真の消化)を即座に行って

バッバッと周りの身支度を整え

そこまでは早かったのに、何故か途中からぺたりと正座してぷるぷる震えながら目をぎゅっと瞑っている。

十分間、この調子である。


「あ、あのな」

「煮るなり焼くなり、斬るなり貫くなり炙るなり拷問するなり貼り付けるなり好きにしてくださいぃ!

えぇえぇわかってますともぉ。誰かに依頼されたのでしょう? うぅ……これで僕も終わりですぅ。

このまま死ぬまで自由を奪われ、国のため多大な戦闘力として戦争に駆り出される挙句、それ以外はゴミのように扱われるのですぅ。

うぅぅ……せめて美味しいご飯が、……そ、そこまでは言わないけど1日3食欲しいのですぅ。

できたら美味しいご飯が食べたいのですぅ」

「う、うむ」


こいつの言いたいことはわかる。

実際こいつは核兵器みたいなもんだ。国に取り込んですきに使おうとどこの国王も思うだろ。

まぁ、俺もう国王じゃないし。

あの国はちょっとした拠点にさせてもらっただけで、ちゃんと代役立ててきたから、問題ナッシングゥ〜〜。


でもなぁ……俺が今から頼もうとしてることって、人間同士の戦争なんでレベルじゃないんだよなぁ……


神殺しっていう……大罪だからなぁ……。

で、でも別に殺す訳じゃないし? ただ戦って勝利するだけだし?

この世界で一番偉い奴ぶっ飛ばすって目標立てたら、神倒すまで帰れなくなっただけだし?


「まぁ落ち着けって。別に無体なことはしいるつもりじゃないから」


いやいや、神殺しが無体じゃなかったらなんなのよ?


「美味しいご飯が食べられるのですか?」

「お、美味しいご飯はちゃんと保証するし、食いたいものがあったらなんでも買ってやる。遠慮なく言え。

それに雇用期間中、俺の仲間になってくれるだけでいいから、死ぬまでこき使うなんてこともない。

今から早くてほんの数ヶ月だ。な? 別に大丈夫だろ?」

「美味しいご飯をいくらでも! なんでも買ってくれる! どこまでもついていきますぅ!」

「飯につられてんじゃないよ!」


さっきまでの死闘が嘘のようだ。

まったく、色々台無しだよ。

世界最強もとい、このわんばく残念野郎。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「うぅぅ……。酷い……美味しい話を最初に持ってきて、OKしたところで本題に持っていくなんて

あ、貴方! プ、プロの詐欺師ですね!」

「お前がチョロすぎるだけだアホ」


それにしても三鷹の家は普通だな。

普通すぎて特に見るもんがない。

世界最強がこんなとこ住んでていいのかよ。

人間性を感じる家だ。


「だって! か、神に挑むって……神殺しじゃないですかぁ……そんな不届きものが今のご時世にいたとはぁ……」

「不届きものとかいうな! 別に神を殺す気は無いから! それに、『この世界にいる』神なんて所詮偽物!真の神とは

『この世界の外側でこの世界を作っ(書い)ている』様だ!」

「何頭おかしいこと言ってるんですかぁ。変な人ですねぇ」

「てんめぇーーー!」


ガチャ、バン!

言い合いになり始めたところで急に扉が開く音が部屋中にこだまする。

皆条件反射でその扉へと視線を向け


俺たちは息が詰まった。


「…………邪魔するぞ、三鷹。今日こそは貴様を……む?」



ポッ、ポッ、ポッ、チーンッ。



「「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ」」」」


そいつを含めライと三鷹以外が絶叫を上げた。


扉から入ってきた奴は『桜田 孝』だった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「……な、なぜ貴様らがこんなところに」

「お前こそなんの性懲りも無くきやがって。人が戦闘後で弱ってるところにつけ込むつもりか!」


まぁ体力のエネルギーはほぼ全快してますけども。

こう、戦うためのエナジー的な? 思考能力的なものは回復してねぇんだよ!


「ふっ……いいだろう。我をあの時の我と思うなよ。貴様ら風情、世界最強と戦う前の食前酒にもならぬ」

「ほっほ〜……う。言って、くれるじゃねぇかこの野郎上等ダァ! 表出ろやぁ!」

「あ、あのぉ〜」

「「あぁ!」」


「僕もう世界最強じゃないんですけど」



「はぁぁぁぁぁあ!!」


その絶叫を上げたのは桜田だけだった。


「うるっせえなボケ!」

「な、な、そんな、バカ、な。まさか、貴様らが」

「いやぁ〜、ごめんねぇ〜孝くん。僕負けたからぁ。そういうことで」


あぁ、なんとなく察した。

確かこいつを雇ってる研究者って、カード能力のレベリングについて研究してるんだっけ。

そりゃあこのカードの化身みたいなやつは研究材料として是非欲しいところだろう。

つか毎回ここに来るって、もしかして『エデン』で研究してんのか?


「だ、だがしかし。そんなことは関係ない。我らの研究に手を貸してくれればそれでな」

「だから嫌だって言ってるじゃん。本当に何度のされてもへこたれないよねぇ君」


何度もぶっ飛ばされてるのか。

何度もこいつに挑んでんのか。

なんというか。

お疲れ様さまちゃんちゃんこ。


「諦めろ。もう俺はてめえと戦う理由がない。それに、俺たちはある理由で力を集めてる。時間がないんだ」


さて、話が済んだならさっさと行くか。


「あ、ちょっと待って、えーっと……なんて呼べばぁ?」

「俺のことはクレァでいいよ。んじゃま俺は三鷹って呼ぶから。で、なに?」

「やっぱりクレァの壮大な目的には力が必要なんだよねぇ?」

「そうだな」


「なら、孝くんなんてどうですぅ? 自慢じゃないですけど僕が鍛えましたからねぇ。結構強いですよ?」


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