第3話「NEW LIFE 、START!オタクの100%が持っている夢」
「うっ〜。ん?何だぁ今のゆ……め」
「はっ!」
しまった!今鶴は心の中でそうさけんだ。
カードが光った。そこまでは理解している。いや、理解は出来ていないのだろうが、取りあえず。その光で気絶。起きた時、夢と呟く。すなわち
夢じゃなかったフラグ
を立ててしまった!
「いやいや、夢じゃなくても良いのでは?」
そう思った読者にのみ、言おうではないか。
“嫌な予感がするのだ!?”と。
右の手に何か握られているのがわかる(まぁカードを持っていた手なのだが)
意識よりも本能が告げていた。
「ヤバイ!」と
何か常識的なものがぶっ飛んでいるこの状況。
冷静に対処出来る方がどうかしてる。
「っ!」
意を決して、おそるおそる、そろりそろりと右手に視線を移した。
「……っ……!?」
カードの手応えじゃないのは、明らかにわかっていた。が、ダカラッテ
「カードじゃないのはやっぱりおかしいでしょぉおぉぉぉぉぉ!!!!」
手の中には、真紅に輝く『指輪』が握られていた。
「は、ははっ。俺……疲れてるのかなぁ〜??」
そう言い残し、今鶴は、状況について行けない脳みそがオーバーヒートを起こし、意識を切り離した。
…………5分後
「カードが『指輪』に変わった。って感じが考え方として普通だよなぁ〜」
ははっどんなファンタジーだよウケる。
厨二乙
ずっと気絶している訳にもいかず、そろそろ現実を理解しよう、と動き始め、
「えーとぉ、この説明書によるとぉ……」
いつ届いたのか、さっぱり分からない説明書に目を通していた。
「『カードの変化は済みましたか?済んだ方はYesのページへ。まだの方は、もうしばらくお待ちください。』」
「えーと、済、んだっと」
説明書の通りページをめくる。
「『それが、貴方の願いの形です。貴方の心からの願いをもう一度ご確認下さい。』」
「お、俺の、心からの、願い?」
再び手の中の指輪を眺め、呟いた。
「そんなの決まってる」
と。
あり得ないことだけど、もし、それが可能になるなら……
瞬間、今鶴の目に炎が灯った。
自分の持ちうる最高速でテレビをつけ、買ってきたDVDを入れ、指輪を右手の中指にはめた。妙にしっくりくる感覚に驚きながらも、
目を閉じて、深呼吸をした。胸が熱くなっていくのがわかる。
最後の確認の為に、説明書を開いた
「『さぁ、準備は整いましたか?最後です。ここに書いてあるコマンドを叫んでください!それが、貴方の願いを叶える『キーワード』になります。では、良き旅を!』」
説明書を握りしめ、それを待っていたとばかりに、空に向かって叫んだ。
「NEW LIFE 、STARTぉぉぉ!!」
その言葉に呼応するように、急に視界がゆがみ始めたため、今鶴は、目を閉じた。
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ゆっくりと目を開ける。そこには、自分の見慣れた部屋の景色は無く、自分がずっとずっと憧れてた場所の風景が、広がっていた。つまり
アニメの世界!!
「い、」
心の中が歓喜で満たされる。
湧き上がる感情をありったけぶちまける。
「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」
今鶴はガッツポーズをとり雄叫びをあげる。
そう、この少年、今鶴虎終の願いは、
「アニメの世界に旅立つ事!」
この瞬間から、今鶴の新たな人生が幕を開ける!
さあ 新たなる人生を始めよう!!
NEW LIFE START☆




