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アニメの世界じゃなんとやら  作者: 終匠 竜
アニメ:闇と光の世界地図 編
20/52

第20話 「到着!和の国・如月の里!!」

「なあ。弄月……」


「何でござるかな?」


「まさかとは思うが、『歩き』でお前の国まで行く気か?」


マルキース王国を出発し『和の国』を目指していた今鶴一行は、延々と砂漠の地を歩いていた。


「そうでござるが、何か?」


「わかりきったことを聞かせてもらおう。到着まで、後どれぐらいかかる?」


「後、3ヶ月はかかるでござるよ」


「うあぁぁぁぁぁ!! やっぱりぃぃぃぃぃ!! 体力持たねぇよ! メッチャ暑いし! なんか交通手段は無いのか? 馬車とか」


「うぅん。そうしたいのは山々なのでござるがなぁ。いかんせん金が無くて。」


「あんた高級ホテルのレストランで飯食ってたよねぇ!」


「いやぁ。あの宿の魚介料理が非常に美味と聞いて、財産をはたいてはるばるやってきたのでござる」


「……ん?じゃあ、行きも歩きで?」


「ん? さよう。あっでも船には乗ったでござるよ。海を渡らねばならぬでな。まぁ自分で漕いだのだが」


「うおぁぁぁぁ! あんたどんだけ凄いんだよ! だが、俺はまごう事なき現代人。我、知恵を磨く者!叡智に頼らせてもらうぜ!!!!!」


そう深く宣言した現代人今鶴は、勢いよく指輪を輝かせた。


「繋げ!『ドリーム☆サイエンス』の世界へ!」


ガチャンッ!

鍵の外れるような音が鳴り響く。


「現れろ!『爆・カー』!!」


プシュュュュュウウゥゥゥゥゥン!!!


風の球体のような物が爆散し、


バルルルルルルルルンッッッッッ!!!


『エンジン音』が、姿を表す。


果たしてそこにあったのは


動力源により車輪を回し、ドライバーにより方向・道も自由自在。レールなどの専用の軌道を必要とせず、現代ではあらゆる道を滑走している四輪車。


『車』である。


「おぉ! これは凄い! お主のカードの能力でござるかな?」


「クックレァさん! 何ですか? コレ!」


弄月とマリの2人は、共に驚きの声を上げる。


それは当然のことだろうが、『車を見て』とは少し違う。


何故なら、ソレは車としては形容し難い形をしているからだ。


取り敢えず車の形を保ってはいるものの、ヘッドライトは吊りあがりギロリッとした感じの目になっており、ナンバープレートは異様な形に変形し、ギザギザな牙のような物が装飾され、口のようになっている。取り敢えずタイヤは4つであるが、一つ一つがバカでかい。車自体もバカでかい。トラックと同じくらいの大きさの自動車といえばお分かりだろうか。


まぁ普通の車では無いのは確かだ。

アニメ『ドリーム☆サイエンス』は、科学が物凄く発展した世界のお話。

そこから取り寄せた車は、現代では考えられない超スペックを誇っている。


例えば、『歩きで何ヶ月かかかる距離を、数時間で済む速さを出せたり』とか……



ガルルアァァァァァァァァァァン!!!!



「ヒャッホォー!! 最高だぜぇぇぇぇ!!! 」


「うはぁー。凄いですねぇ〜!」


「今鶴殿。今拙者が耳につけている者は何でござるか?」


砂漠の中を一筋の光が駆け抜けていく。今鶴達が乗っている爆・カーである。


そして車の中では、誰1人運転している者が居ない。

車から伸びてきたイヤホンを弄月が耳につけているだけだ。


「ああ、それ『記憶探索装置』。それを耳につけている人が、設定したこれから行きたい場所の行き方を知っていれば、その記憶をサーチして勝手に連れて行ってくれる装置だよ。腕輪もあるよ。マルキース王国の時は、加賀瑠璃の記憶を使った」


「加賀瑠璃?」


そう弄月が首を捻ったことにより、今鶴達が気づく。

「あっ!今鶴以外、自己紹介してねぇや」

と。


「悪い悪い。俺が『加賀瑠璃(かがるり) 倭歌砂(わかずな)』だ」


「私は『アズ』。マスターに使える者です。どうぞ宜しく」


「わっ私は…………『ローレシア・マリン』…………です。よっ宜しくお願いします。」


「改めて『赤藤(あかふじ) 弄月(ろうげつ)』でござる。宜しく。加賀瑠璃殿。アズ殿。マリン殿」


「ん? 弄月よ。そうこうしている間にそろそろ着くっぽいんだが」


爆・カーのランプが点滅し始めた。『目的地に近づいて来た証拠』だ。

その驚愕の事実に、弄月が目を見開く。


「え? 海は?」


「え? 海は? って。今。現在進行形で渡ってんじゃん」


「…………はっ?」


何を言ってるかわからないような顔をする弄月に、今鶴が窓を下ろし外を見せた。


車は『海の上』を走っていた。


ズシャャャァァァァァァァァッッッッッ!!!!


と。


「今鶴殿」


「何?」


「お主なにものでごさるか!! 凄いでござるよ!!」


「おわぁ! どうした急に!!」


いきなり興奮したようにガバッと今鶴に飛びかかった弄月は続ける。


「もうそろそろで私の里に着くでござる!!まだ、2時間も経っていないのに」


「良かったな……。分かったから俺の上からどいてくれ」


「おぉ! 申し訳ない」


ジャリリィィィィイイイン!!!!


巨大なドリフト音が響いた反面、中は全く揺れなかった。


「着いたみたいだな」


ウイィィィィインッッ!


機械音が響きドアが開いた。

そこには「何事か?」と多くの警官が集まっており、その中でもかなりのお偉いさんが、車から降りようとした今鶴達に剣を向けた。


「そこの者! 何の用で我らが里に足を踏み入れた。怪しい奴!! 取り敢えずお縄についてもらうぞ!!」


「はぁ、あんたら。その台詞イッタイねぇ〜。今どき流行んないよ? 鼠小僧じゃあるまいし。」


その、警官を馬鹿にしたような今鶴の言葉に、警官達は激怒した。


「ええい! 馬鹿にしよって!! 全員捕らえて打ち首にしてくれる!! 皆の者! かかれぇぇぇ!!!」


「へーい! カマンカマーン! どうぞいくらでも来てください? 返り討ちにしてやんよ!」


そうやって警官達を煽り続ける今鶴と、激怒し突撃してくる警官達が、いざ激突! ……と思った時に、思わぬ方向から待ったがかかった。


「皆の者退がれよ! 我は『赤藤弄月』!! 『和の国・如月の里』『里長』! 赤藤 弄月でござる!!!」


辺りが『里長』『弄月様』などとザワつき始めた。突っ込んできていた警官は即座にその場を離れ、皆頭を垂れた。

今鶴は「えー!あんたここの偉い人だったのぉー!」といった顔で弄月を見た。

警官達の1人が、弄月に問いを投げかける。


「里長様! ご帰還なされたのですね。お帰りなさいませ。して、そちらの者共は?」


「この方々の無礼は許さぬぞ! 今鶴殿達は、本来ならば何ヶ月もかかる道のりを、たった数時間で、私をこの里まで送ってくださった恩人だ!」


皆顔を青くしてハハァーと頭を下げた。

その光景は正しく『リアル水戸○門』であった。


「さっ! 今鶴殿! このお礼にせめて今夜は、この里で食事でもふるまわせてくだされ」


「いや。お礼っていうか。俺達の方こそ弄月のおかげでこの国に来れたわけだし」


「いや、本来ならば今も辛く苦しい道のりを歩いていたでござろう。しかし、今鶴殿のおかげでそんな思いをせずに帰ってこれたでござる。とても道案内ぐらいではまかないきれないでござるよ」


「そうか? わかった。ありがとう」


「いやいや。こちらこそ」


その後弄月の屋敷に招待され、そのもの凄くカッコいい姿に今鶴が興奮し、弄月に「お前スゲー」「いいなー」「クソカッケー!」などとべた褒めをしまくり、弄月が果てしなく焦るという。そんなやり取りが行われるのだった。


〈〈和の国・如月の里・弄月城〉〉


「ちょっといいでござるか今鶴殿」


「どうした?」


「やはり気になるのでござる。何故今鶴殿が私の里に来たかったのか」


「ああ。それな、ええっと。この国は幾つかの里に分かれてるだろ」


「そうでござるな」


「その中の何処かの里に、俺の探すカードがあるはずなんだ。 」


「それはどんな?」


「ふむ。……お前位の地位にいる奴なら、聞いたことあるかもしれないから言うが、俺が探しているカード。それは……」


今鶴はたっぷりと間を空け、言い放った。


「カード色『無』『陰陽のカード』」

どうも『終匠竜(おたくりゅう)』デス。


2回目のプロフィール発表!


今回は、『加賀瑠璃』で。


名前:加賀瑠璃 倭歌砂


年齢:不明


所有カード:『(ライフ)


使用可能技:『(ライフ)』・『ブスルダ』『ブスルム』『グラブディオル・ブスルダム』『グランドム・ザ・ブスルダン』『パーチア』『?』


キャラ設定:目は鋭く、髪は白く結構長い感じでツンツン(なまはげみたいなイメージ?)。

普段は温厚な性格だが、寝起きはすこぶる機嫌が悪い(今鶴と初めて会った時もそうでした)。

ちょっと天然なところもあり、抜けている時もあるが、戦いとなれば人が変わったように強くなる。


ってなトコですかね?


こう考えると加賀瑠璃って割と、というか結構強い設定なんですよね。

使える技も結構多いですし。まぁどんな技かはおいおい明かしていくということで。


少し戦闘から離れていましたし、ドカーンッと戦闘、やらせたいですねぇ〜。


次からは週一で更新していこうと考えていますので、どうぞ宜しく!!

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