第2話「謎に包まれる店。願いを叶えるカード⁉︎」
店に入ってみて思う。
「何も無いな。」と。広い部屋の中にあるのは、机とそれを中心に向かい合ったイスが2つあるだけ……っとそこまで理解してよーやく、イスに人が座っている事に気がついた。
うおっ!っと肩が飛び上がったが、声には出さないで済んだ。
平然を装い、
「あ、あのぉ〜」
と呼びかけてみる。
すると、下を向いて座っていた人が顔を上げた。
こ、子供?またも声に出さず思う。
11歳位だろうか? 小柄で、ダボダボのジャンバーを着ている。フードを深くかぶっており、顔がよく見えない。
しかし、少年はその姿、形に似合わない大人びた声で今鶴に答えた。
「ようこそ。ん? いらっしゃいませ…………かな?ゴホンッ、では改めまして、いらっしゃいませ、『夢と願いのシャープ』へ」
おそらく店の名前であろう物を言い、続けた。
「当店では、人の夢、願いを手助けする仕事をしております」
「貴方にはありますか? 夢」
っと。
どう答えれば良いものか、と思い。取り敢えず、
「え、ええ。まぁ」と答えた。
その答えに少年は、ニコリッ、っと笑顔?(口元で判断)で反応し、
「こちらのイスにどうぞ」とイスに座るよう促した。
今鶴がイスに座ると、少年は、大量の『カード』を机の上に置き、言った。
「どうぞ、すきなカードをお取りください。」
手品でもするのかな?と思い、面白半分でカードを1枚取ってみた。カードの絵柄は…………真っ白!
「あ、あの…………」
真っ白なんすけど!?と続けようとした所を、少年の言葉に遮られた。
「そのカードは後、貴方の夢を忠実に再現します。詳しいことは後ほど、説明書を送りますので、今日の所はお引き取りください」
そう言われ今鶴は、「は、はい」と答えることしかできなかった。
………………その後
ーーー取りあえず家に帰ってきたものの、
「これが気になる」
そう呟き、手持ちのカードを見やった。
「良く考えれば、あんな話あり得ないんだけど、な〜んか変な説得力あるんだよなぁ〜」
う〜〜ん。と考えていると、ポゥッとカードが光った? 気がした。
「ん!?」
カードを再度確認したが、そんな素振りはない。
「だ、だよねぇ」
その瞬間!唐突にカードが光り始めた。
「うおっ!」
驚く暇も無く、発光はさらに激しさを増していく。
「うおぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!」
今鶴が絶叫を上げる中、眩い光が部屋を包んだ。




