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アニメの世界じゃなんとやら  作者: 終匠 竜
アニメ:闇と光の世界地図 編
18/52

第18話「和むわ〜〜〜っなんてことあるか!爆発しろ!!!」

「で! 結局自分の部屋に戻らんのかぁぁぁい!!」


マリの一世一代の告白が終わり、これで解決かななどと考えたのもつかの間、結局最初の所に再び戻ってきたのである。


「酷いです! 私の告白を聞いておいて、他の女の人と一緒に寝ようなんて!」


「ふっふっふっ。マリさん。マスターと私は毎日一緒なんですよ?」


「へ!? クックレァさん!」


「おい! 誤解を招く言い方をするな!!」


「誤解ってなんなんですか!」


「あのな。一緒にいるってのは感覚的な問題だ。アズは使い魔と言って、俺と精神世界で繋がってるんだよ。

色々と便利な所もあるんだぞ? 例えば、俺の現在の平均能力や、所有カードの使える技とか教えてくれたり」


「なるほど。それで離れられないとかなんですか?」


「違うよ!あ、まぁ一定以上離れられないけど。

だからって一緒の部屋にいるわけじゃなく、普段は姿を消しているんだよ」


「消してる?」


「はい。その通りです。使い魔は大変貴重な存在ですからね〜。危機管理能力と隠密能力に優れてるんですよ。消えるというか、存在を晦ますって感じですけどね」


信じていないような顔をするマリに、アズか堂々と胸を張って答えた。

今鶴は「どうやれば信じてくれるだろうか?」と考え、不意に頭の上に電球が上り「ニヤッ」と不敵な笑みを浮かべた。


「ま! 百聞は一見だ。実際に見りゃぁわかるさ。さぁ! アズよ始めてくれたまえ!!」


「はぁ……?では…………」


マスターの口調が微妙に変に感じ、一瞬頭にクエスチョンマークを浮かべるが、とりあえず言う通りにする。


サァーーッ


まるで風が吹き抜けるような音がしたかと思えば、もうアズの姿はそこにはなかった。


「うぁー! 凄い!」


感嘆の声を上げるマリを横目に、今鶴は急いで指をパチンッ!と鳴らした。


"ふっふっふっ〜。凄いでしょうマリさん"


「あっ。ちゃんと声も聞こえるんですね」


"直接脳に通信を送ってるんですよ。

さてと…………ん? あれれ?"


「どうしたんですか? アズさん」


"戻れないんですよ〜。どうして…………あ! マスター! この為に私に能力を使わせたんですね!!"


遅まきながら今鶴の考えに気がついたアズが、今鶴に通信をとばす。


「クックックッ! 今更気づいたかアズよ! だがもう遅い! 俺が許可するまでは出てこれんぞ!!」


「え? どういう事ですか?」


「使い魔の行動とかは、一部マスターが制限できるところがあるんだ。今俺がロックをかけたから、アズは俺が許可するまでは出てこれないのさ」


"うぅ〜……。今まで何度こういった事に騙されたでしょうか……もう絶対に消えないんですからねぇ〜…………"


そしてマリといえば、今の状況を把握したのか「はっ!という事は今私たちは2人っきり?そんな。若い男女がこんな時間に2人っきりなんて……。ああ。でもまだ早いっていうか……でも」などと思考を膨らませていたら、今鶴にペイッと廊下に追い出された。


そして一安心……とはならなかった。

今鶴は『言葉の力』をあまりにも甘く見ていた。


隣の部屋からは悲痛の声が、何処からともなく脳に直接響いてくる声が、否それらは正確にさすならば、声と言った言葉で名義できないであろう


すなわち


"マスター〜〜呪いますからねぇ〜"

"シクシクッ"


と今鶴の良心に突き刺さる。


「仕方ないよな。女子を部屋に入れたままなんて、ダメだもんな」


"絶対呪うんですからねぇ〜!"

"シクシクシクッ"


「うおー! やめてくれ〜!!」


"私の能力全開を持って"

"シクシクシクシクッ"


「も、駄目、だ……」


"の〜ろ〜い〜ま〜す〜か〜ら〜ねぇ〜!!"

"シクシクシクシクッ"


「…………わかった。降参。お前らの好きなようにしていいから! もう許してくれ…………」


キュワァーンといった軽い音と、ドアが控えめに開かれる音は同時だった。


「さて、マスター。覚悟はできてますね?」


「出来てたまるか! で? どうすんの? まさかこの部屋で一夜を明かすなんて言わないよねぇ?」


「「この部屋で寝ますけど?」」


「冗談だよねぇ!! そうじゃなくとも昨日寝てないんだ! 今日ぐらい安眠させてくれ!」


「と、言いますと?」


「だって女子が部屋で寝るっていったらベットは明け渡すことになるだろ? という事はだ、俺はソファーか何処かで寝なきゃならんではないか!?」


「「?」」


「何でそんな「What?」みたいな顔をされるとですか?」


「大丈夫ですよマスター」


「何が?」


ニッコリと今鶴の言葉を否定したアズに、今鶴はほのかな希望を抱く。「も、もしかして!私達はいいですから、マスターがベットを使ってください。何て言おうとしているのではあるまいか?」と。

だが、即座にイヤイヤと首を振る。


「いや、それは駄目だ。男として、女性からベットを譲ってもらうなど断じて…………」


「『一緒に寝れば』万事解決でございます♡」


早とちりも甚だしく勝手に言葉を切り出した今鶴に、想像もよらぬ方向から確実に命だけを奪っていく『暗殺者(アズ)』が、今鶴の意識の首をはねた。


「…………い、今何とおっしゃいましたですかアズさん? いっしょ? 今一緒と申し上げたのですか?

いやー。ついに俺の頭にもガタがきたかぁー。まさか我が欲望がこんなにもはっきりと声となって聞こえるとは、俺のスキルも上がったなぁ〜。

いや下がったのかなぁ〜。あははっ」


「えぇ〜。一緒に寝ましょうよ〜」


「勘弁してくれ!!!!」


「マスター……私達のこと、嫌いですか?」


「勘弁してくれえぇ〜〜。あのな、別に嫌いなわけじゃない。だけどな、一緒に寝るというのはまた違うだろ?」


「どう違うんですか?」


「俺の理性が飛んだらどうしくれる!? ぶっちゃけて言うとお前ら可愛いすぎるんだよ! ちょっとは加減を知れ!

一緒に寝るだと! 心臓が破裂するわ!!!」


「マスター……」

「クレァさん……」


2人は今鶴の『お前ら可愛いすぎる』というワードに反応し、トロンッとした顔をする。


今鶴のセリフなど聞いちゃいねぇ。


「マスター!」


「何!?」


「こうなったら理性飛んでください。それはもうガッツリと。」


恋する乙女は強いものだ。


「うはははは! 止めてくれそろそろ俺のオタク魂が抑えられなくなるぅ〜〜!!」


「アズさん協力しませんか? 一緒なら……」


「成る程! 分かりました!」


「分かるんじゃないよ!! つうかマリもアズにわりと似てるな!!」


確かにオドオドしている子程、内容は積極的な女の子が多いと聞くが、どうやらマリもその1人らしい。

2人はジリジリと今鶴ににじり寄ってくる。


「待て待て待て待て待て、落ち着け! 落ち着こう話し合おう。な? ちょっま! まま待て! 何を! 何をする気だぁぁぁぁぁぁ!!!」


バッと同時に今鶴に飛びかかった2人は、即座に今鶴に抱きついた。


「マスター!愛してます♡」

「クレァさん!大好きです♡」


両者共に語尾に『♡』マークをつけた言葉に声を失い。最後に心臓がバクンッという音を残して、今鶴の意識は暗転した。


そしてその頃。未だ壁にもたれかかり、隣の部屋の言葉を余すことなく聞いていた加賀瑠璃は。

「ッチ!…………爆発しろ!」

という言葉を静かに呟くのだった。

どうも、『終匠竜(おたくりゅう)』デス。


なんか最近今鶴がツッコミキャラとなってしまい、オタクという設定がかなり薄くなっているような................そんな感じがします。


かわりに今回の加賀瑠璃の最後の言葉が、微妙にオタクになりかけ?な感じになっていました。


加賀瑠璃って、普段は天然っぽいというか、バカっぽいところが多いが、戦いの時だけメチャクチャハイテンションになって口調とか凄いことになる................って設定だったのですが、『オタクもどき』って設定も追加しようかな?


今回で目標としていた『一週間1日更新』が達成できました!!

今後も更新速度は割と早めに、週一で更新できたらな、な〜んて思ってます!!!


次回も宜しく!!!!

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