くおりてぃ再び
友人のリクに応えていくスタイル!
「またですか、いいかげんに学習したらどうなんですか?ふくちょー」
私は言いながら頭痛を感じていた。
「そんなこと言われても~」
ふくちょーはいつものように、柔らかな輪郭と細められた目が印象的な顔に、笑っているのか困っているのか分かりづらい表情を浮かべている。
彼女は“ふくちょー”。私も通うこの高校の生徒会副会長。
私たちの学校は生徒会副会長が風紀委員長を兼ねるためか、生徒には副長と呼ばれることが多いのですが、彼女は外見からしてとてもおっとりした人のため、副長という固いイメージが合わないせいか親しみを込めて“ふくちょー”と呼ばれることが多い人です。
ちなみに私は生徒会書記をしています
「でもこれも大事な生徒会の仕事なんだし、会長はいつも通り何処に居るかわかんないんだから副長としてわたしがしなきゃって……」
そんなことを言いながら私に抱き付いてきた。残念なことに私は平均よりも身長が低いのですが、ふくちょーは平均よりも高い身長をしており、身長差のせいで抱き付かれると非常にウザいです。
「ふくちょーの言っていることは正しいですが、私が言っているのはなぜ他の役員達に割り振らず自分一人でやろうとしているのか、ということです」
「会長の失踪癖なんて今に始まったことでもありませんし、その度にふくちょーが一人でこなそうとして結局私に泣きついてくるではないですか」
そこまで言ってふくちょーを押しのける。押しのけられたふくちょーは少し寂しそうで、なぜだか悪いことをしてしまった気分になって、そんな彼女の何気ない行動一つで揺さぶられる自分にイラついた。
「あなたの口調も変わらないわね~?」
余計なお世話です。大体、私だって自分の口は悪いと思っているからあまりきついことは言いたくない。なのにふくちょーは何度言っても同じようなことを繰り返している、これでは私の言い方がきつくなっても仕方がない。
「私はちゃんと人を選んで言い方を変えていますから良いんです。それに、ふくちょーの無駄に背負い込んでしまうことの方が問題です。実際にふくちょー一人で終わらせたことなんてないじゃないですか。不器用なんですから、不器用なりに他人にかけてしまう迷惑を考えてください」
「わたし、そんなに不器用かしら?」
がっくりきた。
「気にするところはそこですか?それとふくちょーはコミュニケーション及び生き方が不器用なんです」
でも、そんなふくちょーを好きになってしまった私は……?
そう、私はふくちょーのことが好き。彼女の緩やかな雰囲気は傍に居るだけで癒されるし、ふくちょーが私にかまってくれることに優越感を感じて甘えてしまいそうになる。
「わたしはあなただったら任せてもいいかなって思えるから……、それに一緒の時間が増えるし?」
全く、ふくちょーは、相変わらず私の心を揺り動かす。それを自然に、唐突にしてくるから今日も私はふくちょーに怒ることになってしまう。
『全く、不器用なんですから……』
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