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チート召喚魔導士は、だいたいどこかで詰みかける。  作者: 月野みみ
スピンオフ「もしも言の座の神々が、日本に転生していたら?」

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スピンオフ(2)「表現の神」

※本編のスピンオフ短編です。


まだ読まれていない方は、第一章プロローグから読むと

チト詰みの世界が分かりやすいと思います。


現在、第二章(学園編)も準備中。

更新までの間、少しだけ寄り道の物語です。


もしもこと神々が、日本に転生していたら?


表現の神 テオ・エスピラ


たぶん、お笑い芸人。

芸名:エスゴット





「どうもー!」


ステージに、ひとりの芸人が登場した。


派手な動き。

大きな声。

満面の笑顔。


「エスゴットでーす!」


拍手。


会場の空気はすでに温まっている。

エスゴットはマイクを握り、客席を見渡した。

そして満面の笑みで言った。


「この前あった、おもしろい話きいてー!」


彼の勢いにつられて、観客は笑う。

エスゴットは続ける。


「この前ね、地下鉄乗ってたのよ!

そしたら斜め向かいの席にさ、リュックだけ残ってんの!」


「人いないのよ?

リュックだけ!」


客席クスクス。


「でさ、みんな思うじゃん?

……え?誰の?」


「でもさ!触れないのよ!

なんか怖くて!」


客はうんうんと頷きながら同意する。


「このまま発車かなーって思った瞬間!

階段から


「待ってーーー!!」


って大声!」


コミカルな動きで再現するエスゴットを見て、みんなが笑う。


「ドア閉まりかけてるのにさ!

飛び込んできて挟まるの!」


手で閉まるドアを表現して、挟まる真似をする。

笑い声が響く。


「みんな『あっ!』ってなるじゃん!

でさ、そういう時ドア一回開くじゃん?」


ドアが開く動作。


「で、その人、関西弁だったんだけど、

『リュックやーー』って。

なぜか、外の駅員さんに報告すんの。」


客席がこの後の展開を予想して、期待している。


「そしたらさ!

タイミングずれちゃって、

またドア閉まって挟まるの!!」


予想通りの面白さ。


「しかもね、

右半身だけ車内!

顔外!

右手だけ中!」


思ってもいなかった挟まり方を、

再現するエスゴット。


「もう俺、吹き出してさ!

どうするのこれって思うじゃん?」


エスゴットが観客を見て、次の言葉を溜める。


「大阪のおばちゃん登場。」


まるでヒーロー登場みたいにドラマチックに言う。


「何も言わずにさ!

リュック取って挟まってる右手に

スッ!

ってかけてあげたの!」


客も思わず「おおー!」と声をあげる。


「ドア開くじゃん?

男の人

『おおきにー!』って」


片手を挙げて真似をする。


「おばちゃん言うの。


忘れたらまた届けたるでー!」


エスゴットは勢いをつけて言ったあと、肩をすくめる。


「あのおばちゃん、たぶんヒーロー。」


会場いっぱいの笑い声と拍手につつまれて、

エスゴットは満足そうにお辞儀した。


「また、俺のおもしろい話聞いてねー!」





その頃。


リビングのソファでテレビを見ていた少女が笑っていた。


陽月あかづき 澪音子みなこ


「この人おもしろい!」


その画面には名前が表示されていた。


エスゴット


テレビの中では、エスゴットが笑っている。


「この前あった、おもしろい話きいてー!」


ミーナも笑いながら言った。


「自分で“おもしろい”って言っちゃうのウケる!」


ミーナはまだ知らない。


この芸人が

ただの芸人ではないことを。


そして。


彼の言葉が、

なぜこんなにも人を魅了するのかを。



ーー



ステージ裏。


エスゴットは観客の笑顔を思い出し、彼もまた笑顔になる。


「やっぱり言葉ってパワーがあるな!」


彼の言葉は、今日も誰かを笑顔にする。





――記録は、まだ続く。


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