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千物語  作者: 松田 かおる


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4/9

お隣さんは異星人

ピンポーン♪

まだ片付いていない引っ越し荷物の段ボール箱をまとめていたら、玄関のチャイムが鳴った。


片付けの手を止めて玄関を開けてみると、そこには小さな手提げ紙袋を持った青年が一人立っていた。

「あ、今度隣に引っ越してきた者です。引っ越しのご挨拶に伺わせていただきました」

目の前に立つ青年はそう言いながら、手に持った紙袋を掲げた。

どうやら引っ越しの挨拶に来たようだった。


「これはわざわざご丁寧に、ありがとうございます」

僕はそう言って、差し出された紙袋を受け取った。

中身はどうやら、定番のタオルセットのようだ。

そしてそれを受け取りながら、僕は彼にひとつ聞いてみた。


「あなた、地球人じゃないですね?」




「あ、やっぱりわかります?」

僕の問いに、青年は嫌な顔一つせずにそう言った。

そもそも僕が彼に聞いたのも、あくまで「確認」という感じだったし、いまやご近所に「宇宙人」がいること自体、当たり前になっているからだ。


そう、なぜか宇宙人の間で「地球」、しかも「日本」が「平和で素晴らしい風景だ」とかで大人気らしく、ここ数年宇宙人の移住が増えてきているのだ。

中にはこうやって、「日本の引っ越しに必要な準備」をしてくる者もいるのだ。

それだけ地球、特に日本は大人気らしい。

「僕も昨日ここに引っ越してきたばかりだから、新しい知り合いができてうれしいよ。よろしくね」

そう言って彼と握手を交わした。


聞けば彼は、地球から30光年離れた星から来たそうだ。

「わざわざ遠いところから、大変だったでしょう」

僕が聞くと、

「いえいえ、地球に住むのはずっと憧れでしたから」

彼は明るくそう答えた。

彼のその様子を見て、これからの地球での生活が楽しい日々になることを願ってやまない。

ふとそう考えた。




「じゃあ、これから大家さんの所へ挨拶に行くので」

彼はそう言うと、ぺこりと頭を下げた。

「あ、僕も一緒に」

僕も荷物の片づけでバタバタしていたので、大家さんに挨拶をしていなかったのだ。

そんなわけで彼と二人、アパートの向かいの大家さんの家に向かった。


ピンポーン♪

玄関のチャイムを鳴らすと、

「はーい」

そう言いながら、中から大家さんが出てきた。

「僕たち向かいのアパートに引っ越して来たので、ご挨拶に」

僕がそう言うと、大家さんは、

「まぁまぁ、ご丁寧にどうもね。二人とも慣れない星で大変かもしれないけど、何かあったら遠慮なく言ってね」

と、優しそうな笑顔で僕たちにそう言った。

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