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第一幕:到来

【舞台】


音と言葉を大切にする村の広場。アコースティックギターの残響がどこかから聴こえる。

手書きの詩が掲示された木板、雨に濡れた石畳の上に少女たちが集まる そこに理系のちさとがやってくる

夕暮れの村の広場。石畳の上に、短い詩が書かれている。たきながそれを黙って見ている。ひとりはギターケースを抱え、少し離れて座っている。そこへ、風のようにちさとが現れる。


ちさと

(飛び跳ねるように)やっほー! ねえ、ここって「詩の村」で合ってる? 座標ぴったり!


たきな

……入ってきた瞬間、軽すぎる。


ひとり

あの、ここは……わたしたち、静かに暮らしてるので……


ちさと

あっ、ごめんごめん! わたし、ちさと。昔はF・C・03って呼ばれてたけど、まあ、名前なんてラベルでしょ?


たきな

名前に意味がないと思ってるの?


ちさと

うん、最初はね。でもあとから付く意味もあるよね? バグみたいなやつ。


ひとり

(ギターを見せながら)すみません、弦が切れちゃってて……


ちさと

あ、それ修理できる! たぶん張力が合ってなかっただけだね。待って、ツール出す。


たきな

(ひそかに)……行動は合理的。でも、音には触れないのね。


ひとり

ありがとう……でも、直ったけど……音が、ちょっと違う。


ちさと

構造変えたからかな? でもね、風に合わせて変えるのも、大事なチューニングだよ?


たきな

……なるほど。じゃあ、あなたの構造も変わるのかしら。


(夜の風が吹く。誰も言葉を返さず、ただ音が残る

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