もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します
[元彼目線]もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します
[短編]もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚しますを先に読んでいただかないとわからないです。
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俺には5年近く付き合ってる彼女がいる。彼女は20までに結婚しないと父の決めた相手と結婚しなければならない。
だから俺は早く彼女と結婚したいと思っていたが……
「何やってるの?早くこちらに来て!わたくしと一緒にお茶の相手をしてくださらない」
「畏まりました、お嬢様」
彼女以外に愛する人が出来てしまった。
その方はお嬢様……俺……いや、私が執事見習いとして仕えてる伯爵令嬢様に恋してしまった……叶わない夢だとわかっている。だから、私はその気持ちを告げるつもりはない。
私は元々、この伯爵邸で見習い庭師として働いていた。この頃の私は早く一人前の庭師になるべく、親方からの厳しいしごきに耐え頑張っていた……彼女と結婚するために。
今の給金では彼女を養えないのだ。このまま順調に行けば、親方から認めてもらい庭師見習いから卒業できそうな時、私は初めてお嬢様に声を掛けられた。
『あなた、もし良かったらわたくしの執事にならない?庭師より給金高いわよ!嫌なら断ってもいいけどね』
と、声を掛けられた。5年以上この屋敷で見習い庭師をやっていたが、お嬢様に声を掛けられたのは初めてだった。
遠目から見たことはあるが、間近で見ると整った顔立ち、透き通った素肌、抱きつけば折れそうな体付き。まるで、高貴なお人形さんみたいだった。彼女より5歳も若く綺麗だった。
そんなお嬢様を見て、私は庭師見習いを辞め、お嬢様専属の執事見習いとなった。
私を庭師の道に誘ってくれた親方は、
『お前、本当にいいのか!?彼女の為に庭師になるって頑張ってただろ!お前には庭師の才能がある。だから、上手い話に乗っては駄目だ!あと少しで見習いから卒業出来るのだぞ!』
と、怒鳴られ止められたが私の意思は変わらなかった。
親方には悪いと思っている。が、執事見習いの方が断然給金が良かったからしょうがない。私は彼女と早く結婚する為に早くお金が欲しかったのだ。もし執事になればもっと給金が上がる。そうなれば彼女をもっと楽にしてあげられる。
私と結婚したら彼女の勤めてるギルド職員を辞めてもらうつもりだ。あのギルドは野蛮な冒険者達がいて危険な場所。彼女がいつ襲われてもおかしくない所なのだ。だから、早く解放し、彼女と幸せな家庭を築こう!と、
この時はそう思っていた……なのに、どうして……どうして、今、私の側に居てくれないんだ。
私は解雇され、伯爵邸から追い出された。そして、彼女に会いに行ったが、寮にもいなかった……私には彼女しか残っていないのに。人生のドン底に落ちた私は、自分の借家に帰っていった。
家に着くと、桜柄が印刷された封筒がポツンと隅に置かれていた。
その封筒を破ると私が探していた彼女の名が書かれていた。慌てて中身を確認した。そこには衝撃的な言葉が書かれていた。
『別れましょう』
◆◆◆
彼女の誕生日前日……
彼女と久しぶりのデート、王都で流行っているカフェでまったりしていると、
「ねぇ、明日は何の日か知ってる?」
知ってるよ……誕生日だろ。
「急にどうした。建国祭だろ、それぐらい知ってるよ」
「そうだけど!違う!もっと大切なこと!!」
「うん?……何だったけな?」
と、知らない振りをした。彼女が焦っているのがわかる。明日が期限の20歳なのだから。きっと、今日か明日に私がプロポーズするのを今か今かと心待ちにしてるのだろう。このままプロポーズしなければ父の決めた相手と結婚しなければいけないのだから。
だが私は悩んでいた。本当に私は彼女と結婚したいのかと……
もっといい女性と結婚できるのではないかと……直にお嬢様が婚約者である公爵令息様と結婚する。お嬢様を愛しているが結婚は出来ない。 そして私は執事見習いからお嬢様専属の執事として公爵家に付いて行く予定なのだ。そうなれば、田舎臭い彼女より洗練された王都の綺麗な女性と結婚出来るのではないかと考えていると、
プルルルッ!私が所持する携帯通信魔道具が鳴った。
私は慌てて魔道具を耳に当て、仕事口調で話した。
「……はい!……はい!……わかりました!……今すぐ駆けつけます」
また、お嬢様が私をご所望のようだ。休みだったがお嬢様と会えることに歓喜した。もう、私の頭の中はお嬢様のことでいっぱいだ。今では彼女よりお嬢様が優先になっていた。
「ごめん、今からお嬢様の所に行かなきゃならなくなった。また今度な」
彼女とのデートを取り止め、早くお嬢様の元へ向かわなければいけない。それに彼女からの圧力から抜け出せる。タイミングが良いお嬢様に感謝だ。
「伯爵令嬢様の呼び出しなの」
彼女は不満そうな顔をしていた。プロポーズしてくれないのかと……
「ああ、そうだ。……そんな悲しそうな顔するなよ。俺だってお前と一緒にいたい。すまんな、仕事だからしょうがない。いつか埋め合わせするから」
と、嘘を吐き私は彼女の元から去った。
……ここが、私の運命の分岐点とは知らずに……
◆◆◆
伯爵邸にて……
「遅いわよ!わたくしが呼んだら5分以内に来なさい!じゃなきゃ、わたくしの専属執事にしないわよ!」
と可愛くプンプンしながら怒っていた。
『それは嫌だっ!……私はお嬢様の側にいたい……お嬢様と結婚できないことはわかっている……だから……せめて側にずっといたい』
と心の中で思っていた。だからお嬢様に見捨てられないよう懇願した。
「これからは、お待たせしないように致しますので専属執事にしてください」
頭を下げた。このままでは他の人間がお嬢様の専属執事になってしまう!あの野郎が!
「ははっ!冗談よ、冗談。もう!本気にしないでよね」
「よかったです。で、私に急な用事とは何でしょうか?」
「うん?……そうだったわね……ああ、そうだわ!ふふっ、わたくしはあなたと一緒にお茶したかったの」
お嬢様はイタズラが成功したお子様のような笑顔を私に向けてくれた。彼女の笑顔も好きだったがお嬢様の笑顔が最高だ!
そんな幸せな時間を過ごしていると、野郎が入ってきた。
「お嬢様、どうぞ」と桜柄の印刷された封筒を渡した。渡したのは、私が執事見習いになってから入って来たもう一人の見習い執事だ。歳は私と同じ20歳で、私にはない知的な雰囲気の野郎だ。皆からも評判が良く仕事ができる。最近ではお嬢様に気に入られ、私と競い合ってる犬猿の仲だ。でも、私がお嬢様の一番のお気に入りだと思っている。だって……
「ふ〜ん……おもしろくなってるわね」
お嬢様が封筒から出した手紙を読んで何だか楽しそうだった。
「あなた、今日の建国祭にわたくしを連れていってくださらない」
ほら!野郎より私を選んでくれる!お嬢様は私が一番なのだから。
「はい、私でよければ」
「ねぇ、お忍びで行くんだからわたくしの彼氏として特別な場所に連れて行ってね。あと、敬語は禁止!わかった?」
「はい!わかりました!お嬢様には良く花火が見える場所にお連れ致します」
「ふふっ、楽しみだわ……あなたのぜつ……」
最後の言葉を聞き取れなかったが、お嬢様が楽しそうでなによりだ。だけど、お嬢様が何で私の特別な場所と指定したのか不思議だ。まぁ、そんな小さなことは気にしない。だって、野郎が悔しそうに口を強く噛み締めて悔しそうにしてるのだから。
『私がお嬢様の専属執事になるのを、指を咥えて見てろ』と思い野郎に目線を送った。
◆◆◆
夕刻、噴水広場の前にて……
周りは真っ暗になり、花火もポツポツと打ち上げられ、そろそろ終わりが近づいてきた。
「もう、花火は終わりか!」
私はお嬢様を連れ噴水広場まで来た。ここは、彼女に初めて告白し、初めて口付けをした特別な場所だ。だが、今日からはお嬢様との思い出の場所になりそうだ。
と、頭の中がお嬢様一色になっていると、
「えっ!わたくし楽しみにしてましたのに。あなたが遅いから終わっちゃったじゃない」
また、可愛らしく怒っていた。今日は二度も可愛い怒った姿を見た私は幸せ者だと思っていると、側の茂みからガソガソと音が聞こえた。花火の音でびっくりした猫でも隠れたのかな。
バァン!バァン!花火の光でお嬢様の綺麗な顔が照らされ。
終わりを迎えたと思っていた花火が上がり、噴水広場が明るくなった。まだ終わってなかったようだ。まるで私とお嬢様を祝福しているように。私とお嬢様は空に咲いた大輪を眺めていた。一緒に見られるのは最後になるかもしれない……お嬢様は直に結婚してしまうのだから。でも今は私がお嬢様の彼氏だ!お嬢様を楽しませないとな!と気持ちを切り替えた。
「おっ!特大の花火が上がったぞ!」
「わぁー、綺麗!」
「そうだな。でも君の方が綺麗だ」
「もう!恥ずかしいじゃない、あなたの彼女に悪いわ」
と言いながら私に密着した。今日のお嬢様は大胆だった。
これは誰がどう見ても恋人同士に見えるだろう。
「そんなの気にしないで大丈夫だ。実際君の方が綺麗だし可愛いしな。アイツは田舎臭くて綺麗じゃないし可愛くない」
お嬢様と比べたら段違いだ!
「ふふっ、ありがとう。あなたに言われてすごく嬉しいわ。でも、彼女のこと悪く言って大丈夫?わたくし心配だわ。もしこの場で彼女に聞かれてたら大変じゃない」
「今頃、仕事してるから鉢合わせはないさ。だから安心してくださいませ」
確か今日は夜勤のはずだし、ここに来ることはないだろう。
「もう!敬語なしってさっき言ったでしょ!元通りになってるわよ」
と、辺りが暗くお嬢様の顔が見えないが私の方を向いているのがわかった。
「おお、ごめん。つい……」
最後まで言えなかった。な、な、なんと!お嬢様が私の唇を塞いだのだ……お嬢様の唇で……
バァン!バァン!花火が上がり、周りが明るくなった。
私は我慢の箍が外れ、お嬢様に抱きつき何度も何度も熱い口付けを交わした。もう、後のことは何も考えず、ただただお嬢様との逢瀬を楽しんだ……この時が、私の人生の最高潮だった……
ガサガサ!再び猫が花火の音に驚き逃げていった。
◆◆◆
3日後……
まだお嬢様との逢瀬の余韻に浸りながら伯爵邸の門まで行くと、何故か門兵に止められた。
「おい離せ!私はお嬢様の専属執事だぞ!」
(この男はまだ、執事見習いであり専属執事でもないが、お嬢様は自分のことが好きだと思い込み、直にお嬢様の専属執事になるだろうと思っている)
「お前はここから入れない。お嬢様の命令だ!」
門兵は有無を言わさず私を止めた。
「そんなわけないだろ!俺はお嬢様と……」
次の言葉を発しようとしたらお嬢様と私の憎き見習い執事が門の前にやってきた。
「煩い虫がいるようね。早く捨てて来てちょうだい」
そこには、私の愛するお嬢様がいたが……いつもと様子が違うようだ!
「お嬢様!?私が……煩い虫……」
私は衝撃を受けた。私を汚物を見るような目で見ていた。いつものお嬢様ではなかった。
「そうよ!もうあなたに用はなくなったの」
「へっ?用……」
何言ってるんだ……用って何だよ……
「あなたいい顔してるわ!あの女の顔の次だけどね」
『あの女とは誰なんだ?』
頭の中で考えたが思い付かなかった。
「だから、あなたに用がなくなったの。じゃあね!もうわたくしの前に現れないでくれるかしら。もし、わたくしの前に現れたら命の補償はありませんわよ」
「はい!?どうして……そ、そんな……私はお嬢様のことを……」
私は頭の中が混乱した。どうしてお嬢様が変わってしまったんだと……だが、そんな傷心に浸っている場合ではない!きっと何かの間違いだと……でも間違いではなかった。お嬢様の次の言葉で理解した。私はお嬢様のおもちゃだったのだと。
「気持ち悪……でも我慢した甲斐があったわ。最高な暇つぶしありがとね!最後にあなたの絶望した顔見られたし。さぁ、早く私の前から消して」
と、門兵に命令した。もう、お嬢様のお遊びが終わったようだ。
「うぎゃぁ!」
門兵に捕まれ投げ飛ばされた。受け身も出来ず、体を打ちつけた。痛みより彼の心は絶望に染まっていた。愛していたお嬢様に裏切られ、横にいた野郎がニヤリと笑っていたのが脳裏に焼き付いた。
『私はお嬢様に遊ばれていただけだったなんて……』
彼は倒れたまま、現実を受け入れていないようだ。そんな時、彼の腹に衝撃が加わった。
「ガハァ!ごほごほっ……」門兵に腹を蹴られのだ。
「おい!お前はもう解雇されたんだ。これからは伯爵邸に近づくな。もし近づいたらどうなるかわかるよな?」
「…………」
これ以上の暴力が待っているとわかった私は伯爵邸には近づかないと誓った。
「無様な姿だな」
そこには親方が私を哀れんだ目で見ていた。
「お、親方……」
ため息を吐き、親方が最後の苦言を呈した。
「はぁー、俺の言った通りにしていれば安泰な生活が待っていたのにな。どうせお嬢様の遊びでお前は選ばれただけの存在だったんだからな。俺は言ったぞ……でもお前は庭師を辞めた。だから、もうお前を助けてあげられない」
「……これから私はどうしたらいいでしょうか?」
「この王都では無理だな」
衝撃的な一言を聞いた。
「へっ!?何でですか?」
「本気で言ってるのか?お前の元彼女がギルドを辞めたんだ、そりゃ、冒険者からお前に恨みが行くわな」
「彼女が仕事を辞めた……」
「ああ、仕事柄、冒険者の友人がいるからな、昨日飲んだときに聞いたんだよ。確か昨日辞めたと言っていた。辞めたのがお前のせいになっているんだ。だから彼女を大切にしろって言ったのによ。彼女はな、冒険者達に慕われていたんだよ。お前が原因で辞めたのを知った冒険者たちは怒り狂ってたそうだ。だから、お前は今すぐに王都から離れろ。絶対に王都に帰ってくるなよ。殺されたくなかったらな……これが師匠としての最後の言葉だ」
と、言い残し親方は伯爵邸に入っていった。
この時の私はまだ間に合うと思っていた。冒険者達は彼女は20歳になったらギルドを辞めて田舎にかえることを知らない。だから、私のせいだと勘違いしてるんだと。
「昨日辞めたなら、まだ寮にいるはずだ!やっぱ私が愛しているのは彼女だったんだ!仕事はなくなったけど、彼女と一緒ならきっと上手くやっていける。王都から離れて田舎で小さな家に住んで。そして、子供達と仲良く暮らすんだ」
(と、楽観的な考えをしていた。この時の彼は慕っていたお嬢様に裏切られ正常な判断が出来なくなっているようだ)
お嬢様の『あの女』と言った正体に気づいていれば、そんな考えをしなかっただろう。
私は安物の結婚指輪を買い彼女の寮に向かった。
ドンドンドン!ドンドンドン!
何度彼女のいる部屋の扉を叩いても出て来なかった。
ドンドンドン!ドンドンドン!
ガチャ!彼女の隣の部屋の扉が開いた。
「ドンドン、ドンドン煩いわね!もうその部屋には誰もいないわよ!」
「じゃあ、彼女はどこにいったのです?もしかして、もう故郷に帰ったのですか!?」
「ああ、そうだよ。一つ忠告だ!あんたも早く出な!ミンチにされるぞ!じゃあな、不貞野郎」
バタン!おもいっきり扉を閉められた。
「不貞野郎!?わ、私が!」
驚いた!私は何もやっていないのだから。お嬢様とキスしたのだって、辺りが暗かったから誰にも見つかってないはずだし……まぁ、そんなことより、早く彼女を探さなければ!王都から朝出たのなら、まだ追いつくはずだ!まず、家に帰って早く荷造りの用意をしなければと、走って家に帰った。
そして玄関の隅に置かれていた桜柄が印刷された封筒が目に入った。朝なかったはずなのにと、手に取り封を破いた。その手紙は私の探していた彼女からの手紙だった……そこには衝撃的な言葉が書かれていた。
『別れましょう』
彼女の手紙を読み私は叫んだ!
「何でだよ!私は……俺は君を愛しているんだ!今日は君に結婚指輪をプレゼントするつもりだったんだぞ!」
『あなたは、この手紙を読んでも何とも思わないでしょうね』
「思うに決まってるだろ!俺はお前の為に頑張って働いていたんだぞ!何で別れるだなんて……」
彼女の為に頑張っていたのは始めだけ……すぐに彼女のことよりお嬢様を優先していたこの男は自分の良いように思考を捻じ曲げた。
『だってあなた……私以外の女性と熱い口付けをかわしてた……私との思い出の場所で……私に告白し、初めて口付けした場所で…………よりによって、私の誕生日、20歳の日に……』
「ち、違うんだ!あれは……あれは……」
(もう、言い逃れが出来なくなったようだ。これで彼は気づくだろう……お嬢様が言っていた『あの女』とは彼女だったのだと……その事に気づいた彼の体から血の気が引いていった)
『もう終わりにしましょう……私は約束通り父の決めた相手と結婚します……』
「いやだ、いやだ、いやだっ!!終わりにしないでくれ!」
『その女性とお幸せに』
「お嬢様とはそんな関係じゃないんだ……」
お嬢様が俺を暇つぶしに遊んでただけなんだ……俺が本当に愛してるのは……
『あなたを……グレイを愛していました……さようなら……メリッサより』
「愛してるのはメリッサだけなんだっ……俺と結婚してくれ……俺にはもうメリッサしかいないんだ……もう何も俺には残ってないんだ……」
そして、グレイは糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。最後の拠り所が無くなってしまったのだから。
もう、彼女は自分の元には帰って来ない……今さら後悔しても遅い……もし、誕生日前日の日にプロポーズしていれば……もし、お嬢様と建国祭に行かなければ……もし、庭師のままだったならば……今とは違う未来があっただろう。
こうして、王都に入れなくなった男は人知れず消えた。
もう、メリッサとは一生会えないだろう。
なぜなら、
「先輩!戻って来ましたね!」
王都門前で幸せ一杯な二人が帰って来たのだから!
「そうだな!師匠……じゃなくて親父の家で長居しちまったからな」
「本当ですよ!私より寛いでるんだから。ねぇ、先輩♡」
「そうだが……俺の呼び名が前のまんまじゃないか」
先輩が不満なようだ。
「ふふっ、そうでした!もう先輩じゃないですもんね……私の愛するガンプさん」
照れた顔でガンプに微笑んだ。
「ハッハッハ!いいね!やっぱ、メリッサの笑顔は最高だな!よし!最高に可愛く綺麗なメリッサを連れてギルドに行くか!」
「はい♡早く報告しに行きましょう。ガンプさん♡」
「おう!皆に俺達が結婚したってな!」
幸せに包まれた二人は寄り添いながらギルドへ向かっていった。完全にメリッサは元彼のことなんて綺麗さっぱり忘れているようだ。
グレイがこの幸せそうな二人を見ないで済んでよかったかもしれない……もし、彼が選択を間違えていなければ、彼の隣には幸せ一杯の彼女がいたのだから。
終わり
読んで下さりありがとうございます。
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沢山の誤字修正報告ありがとうございます。貴重な時間を使っていただきありがとうございましたm(_ _)m
お二方には頭が上がりません