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品定め

作者: ラベンダー

 顔が怖い人が二人いる。その二人は渋谷駅前で立って二人で何かを話している。私は思った。この二人はこれから罪を犯そうとしているのではないだろうか。鋭い目つきで通り過ぎる人たちを見ている。窃盗をしようとしているのかもしれない。私はただの高校生だ。しかも、私は女であるため、力では彼らに勝てないだろう。私が見るに、年齢は20代から30代だろう。私と彼らの距離は30mほど離れている。そのため、何を話しているのかがわからない。私はどうしても気になる。彼らは何を話しているのか。その内容さえわかれば、私は安心できる。早速だが、徐々に彼らの方へ近づくことにした。彼らはコソコソ話をしているため、周りの人は窃盗だと気づいていないのかもしれない。何をコソコソ話しているのだ?20m、10m。私は彼らに近づく。5m。くそっ!この距離でも聞こえない。まだ、彼らは話しているのに。もう、彼らに直接聞いてしまおうか。

「あのー」私は彼らに話しかけた。

「ん?おい、なんか話しかけられたぞ」私が話しかけた男性はもう一人の男性に言った。私が初めに話しかけた男性をAさんと名付けよう。

「あ、えっと、なんですか?」もう一人の男性が私に尋ねた。この人はBさんと名付ける。

「はい!お二人とも鋭い目つきで人々を見ていたものですから、これから罪を犯そうとしているのではないかと思いまして」

「あー、違います。けど」AさんはBさんと顔を確認した。

「うん、全然何か罪を犯したりするようなことはしません」Bさんは私の顔を見て言った。

「では、何をしていたのでしょうか?」

「えっとー」AさんはBさんの顔を見る。

「ごめんね、それは言えないかな」Bさんは言った。

「やはり、人に言えないようなやましいことがあるのですね」

「うん、まぁ、そうかな」Bさんは言う。

「私、好奇心がとてもあるんです。お二人のやっていたことが分からなければ、今日の夜、私はぐっすりと眠ることができないでしょう。気になって気になって、夜も寝付けません。今日は日曜日です。明日は学校があり、私はその睡眠不足のせいで授業中に寝てしまいます。それで先生に怒られるかも。ですので、どうか、お二人のやましいことを教えていただきたいのです」

「何それ?どういうこと?」Aさんは笑いながら言った。

「別にいいよ。教えても」Bさんは言う。「俺たちは通り過ぎる女性たちの品定めをしていただけだよ」

「えっとー、具体的にどういうことですか?」

「例えば、今通った女性は胸とケツがデカくて、身長も推定170cmあると思うんだけど、顔があまり可愛くないから、点数をつけると60点ってところかな」とBさんは言った。60点というのは100点満点中60点という解釈であっているのだろうか? 1000点満点中という言葉はあまり聞いたことがない。

「くだらないことやってますね」私はとりあえず、思ったことを口にした。

「まぁね」Bさんは言った。

「おっ!さっき目の前を通った女は身長160cmくらいで顔がかわいいな。けど、服装がイマイチだ。センスの欠片もねぇ。まぁ、でも、70点かな」Aさんは言った。

「あっちの女は高そうなのカバンを持ってるな。金持ちか?顔も良いじゃん」Bさんは言った。

「けど、絶対に顔を弄ってるよな。俺、あんま整形してる女好きじゃねぇーんだよ」Aさんは言った。

「点数をつけると何点だ?」Bさんは言う。

「うーん、30点かな」Aさんは笑いながら言った。二人はとても楽しそうだ。

「私が思うにBさんは身長が私と同じくらいなので160cmですよね。顔もカッコいいとは言えないし、スタイルも悪いですね。少し太っていて、足が短いので。点数を付けるとしたら40点ですかね」私は人混みを見て言った。「Aさんは服装がダサいし、身長もぎりぎり日本人の平均身長の170cmくらいですね。高くはないですね。体型も細すぎます。骨と皮しかないのでは?点数をつけるとしたら、30点ですかね」これも人混みを見て、ぼーっと眺めながら言った。

「Bさんって誰?」AさんはBさんに言った。

「わからん。あの外国人のことを言ったんじゃない?」BさんはAさんに言った。

「じゃあ、Aさんは?」AさんがBさんに言った。

「知らん。その隣の外国人じゃん?」BさんはAさんに言った。

「けど、日本人の平均身長って言ってなかった?だから、日本人なんじゃ?」AさんはBさんに言う。

「あの外国人だろ。日本人の平均身長って言っただけで、外国人とは言ってなかっただろ。あの外国人が見た感じ170cmじゃん」BさんがAさんを説得している。


 お前らだよ!バーカ!と私は内心思っていた。




おわり


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