その理由はどちらから
無言の空間
他の空気は混じらなくていい
ため息が漏れるたび
時計の長針が押し出されていく様子
僕はそれを見ながら
思わず手元の時計を確かめる
もう、一時間半ほど経つね
キミが待ち合わせの時間から
僕がこの場所に呼ばれて
一時間くらい経つかな
キミに呼ばれた理由は聞かない
キミがいま何を思っているのかも聞かない
たぶん余分なことなんだ
キミが無理するような笑顔は見たくない
キミが無理に作ったやさしさも
僕には必要ないんだ
結局来なかったね
ポツリと言った
どちらが悪くて
どちらが間違っていたのか、なんて
僕は聞かない
キミが戸惑いを見せても
僕はその理由は知らないでいる
キミが涙を流す前も後のことも
僕はその理由を聞かない
何か話すとしたら
キミのほうから・・
それだけの夜