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ガンギマリズム  作者: 九空のべる(旧:ジョブfree)
第一章「便利屋のやべーやつ」
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9-2.怒り心頭の漆紀、驚異の外道戦法!

ものの数十秒で漆紀は全身に殴り蹴るの暴行を受け打撲だらけの有様である。運が悪いと骨もどこか折れるかヒビが入っているやもしれない。

激しい殴る蹴るの暴行に晒されて思わず漆紀は地べたに屈んで丸くなってしまうが、怒りだけはひたすら沸き上がる。

(なんで止まってんだ俺は……こいつらに殴られまくってでも良いからこいつらぶっ倒したくて逃げるの止めたんだろクソがぁッ!)

激怒だけを頼りに漆紀は立ち上がり、真正面から蹴ってくる構成員の顎を殴り上げた。そのまま周りの構成員に向けて腕をブンブン回して顔面を狙うが、これは後ろに少し下がる事で難なく避けられてしまう。

吹っ切れてはいるが、イマイチ打開策としては足りない。常軌を逸する怒りに至っていないから漆紀はこんな負け戦をするハメになっている。

この状況を打開するには更なる常軌を逸した手段を用いるしかない。そう思い立った漆紀は、ある案を思いついた。

(あとは覚悟……やってやる、これやってこいつらボコボコにしてやるッ!)

漆紀は己の右手を勢いよく自分の口に突っ込んだ。指先を喉奥に届かんばかりに押して、胸辺りから溢れんばかりの吐き気が襲って来るが。

(ぶっ放すッ!)

怒りと吐き気を乗せて、漆紀は「う」の発音の口をして吐瀉物を構成員に向けて噴き出した。

「うわっ!?」

「ぐあぁ!」

それも敵の顔面目掛けて、回転しながら四方八方へと己の吐瀉物をまき散らす。目論見通り、構成員達全員に吐瀉物がかかった。

「ゲロだぁああああ!」

「汚ねッ!? コイツ気狂うぐぇ! く、口に入っ、うぷっ……オエぇ!」

ただ顔面に吐瀉物を浴びただけでなく、口内に入った者はあまりの不快感で貰いゲロを吐いてしまう。

人間としての品性は完全に死んでいるとしか言いようがない手段であった。己の吐瀉物を敵にまき散らして敵を怯ませる。いくら暴走族とは言え、ゲロを顔に掛けられては怯まざるを得ない。まさに、漆紀の常軌を逸した怒りと覚悟が成せる外道技であった。初めての試みであったが、上手くいった。

ゲロに怯み路上に倒れてのたうち回る夜露死苦隊の男達の顔面を次々に踏みつけていく。

「オラッ! くたばれクソども! 関わるなって言っただろうが!」

一人一人の顔面を5回ほど踏んで痛みと吐瀉物の不快感で戦意喪失させると、漆紀は完全勝利したとばかりに更に夜露死苦隊の者達の顔面に追い打ちをかけるべく踏みつけた。

「も、もうやめてくれ! ま、負けた! ま」

「うるせえ!」

負けた、と言う構成員に対しても容赦なく頭を踏みつける。

「マジで二度と関わるんじゃねえぞクソ! 次来たらゲロかけたあとぶっ殺してやっからなクソがぁッ!」

他の構成員にも同様に踏みつけていくが。

「なにやってんだテメぇー!」

遅れてやってきた隊長と思わしき男が、仲間の惨状を見て鬼の形相を浮かべる。全力疾走で漆紀に殴りかかって来るが、漆紀は再び口の中に指先を突っ込む。

(もう一度……もう一度吹っ掛ける分ぐらい残ってんだろ! やってや……うっ……)

一気に吐き気を誘い、近付いて来る隊長を充分引き付けてから真っ直ぐに吐瀉物を「う」の口で噴き出した。

「ぐっ! うえぇええああ! 目、目がぁ! な、何をやがったテメ」

漆紀が噴き出した吐瀉物は見事隊長の顔面に当たり、挙句目にかかった。これ以上ない効果覿面を見た漆紀は隙に乗じて隊長の鼻っ面に拳を突き出した。

「くたばれぇ!」

こうなればもはやサンドバックである。他の構成員達が落ち着きを取り戻して立ち上がる前に隊長を完全に倒す必要があった。漆紀は怒りにひたすら身を任せ隊長の顔面へストレート、横殴りを交互にぶち当てる。

計10回顔面を殴った辺りで流石に隊長とて腰が引けてきた。それでも漆紀は止まらず隊長へと追い打ちをかける。

「二度と! 俺に! 関わるな! 何度言えばわかんだバカどもがぁぁぁあああああ!!」

無駄に伸ばしてある隊長のロン毛を鷲掴みすると、漆紀は顔面を地べたに叩きつけた。そうすると隊長は「うっ、うっ」と呻き声を上げるばかりで立て直す様子は見られなかった。

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