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VS玖凪シラヒ1

「これが玖凪シラヒ……」

 僕はその圧倒的な殺気に気圧される。

「《雷糸》」

 玖凪シラヒは人差し指を立て、僕へ向ける。僕はぞっとするような感覚に襲われ、全力の《劫心掌》で飛行し、その指先をかわす。

 直後、僕のいた場所を、目で捉えられないほど細くて速い何かが過ぎ去った。

 いや、何かじゃない。僕はそれを目で追えなくても、桜君から聞いて知っている。

「《雷糸》……糸状の〈放〉を超高速で飛ばし、雷撃を浴びせる殺気術……。しかも、連発が、可能ッ!」

「誰から聞いたのかな……」

 指先が僕を追うように移動し続ける。僕も両手で《劫心掌》を発動し続け、ビルの周りを回るように空中を駆ける。《雷糸》を撃つときに一瞬の硬直があるのが、救いだった。でなければとうに追いつかれている。

「私らも忘れるなよォッ!!!」

 地面から跳躍し、ビルの端に飛び乗った唯我さんが左手に持ったネイルガンを連射する。元々は工具である釘打ち機から安全装置を改造で取り外し、威力を上げたものだ。撃ち出される釘はネイルガンを離れる瞬間に、唯我さんの殺気と膨大な重量を付与される。それが次々と玖凪シラヒへ飛んでいく。

「《ネイル流星群》ッッッ!!!」

 うーん。

 まともに食らえば一発でも膝をつくような釘が数十発、玖凪シラヒを横方向から襲う。しかし彼はチラリと見ただけで、一切の防御行動を取らなかった。

 殺気を纏った釘が、玖凪シラヒを覆う電気を帯びた殺気に触れる。次の瞬間、釘へ向かって巨大な電流が放出された。

 釘は次々と着弾するも、同時に発生する電流に撃ち落とされ、玖凪シラヒ本人には一切届いていない。 

「《電磁反応装甲》……ッ!」

 〈放〉と電流による自動防御。玖凪シラヒが〈放〉のみの適性を持ちながらも、防御力で劣るとされない由縁。

 玖凪シラヒは僕を狙っていた指を下ろした。

「埒が明かないな……」

 そう呟きながら両掌を屋上の床へ向けた。

「《空燕》」

 両掌から殺気が放たれ、その反動で玖凪シラヒは空中へ飛び出す。〈放〉と〈操〉+〈術〉という違いがあるとはいえ、奇しくも玖凪シラヒの飛行法は僕とほとんど同じだった。

 一直線に近づいてくる玖凪シラヒへと、僕は両腕を向ける。

「撃ち落とす……《爆心包み》ッ!」

 避けられる可能性を考慮して攻撃範囲の広い《爆心包み》で玖凪シラヒを攻撃する。直撃した手ごたえはあった。

 しかし、爆煙の中から、玖凪シラヒはほとんどスピードを落とすことなく現れた。それどころかどんどんとスピードを増していく。

「僕の《電磁反応装甲》はその程度じゃ破れないよ……」

 玖凪シラヒは左手のみでの飛行に切り替え、右腕で攻撃の構えを取る。既にトップスピードになっている玖凪シラヒをかわす手段は、僕にはない。

 ならばと僕の方からも玖凪シラヒへと近づいていく。落下の力も借り、可能な限り加速していく。同時に右腕を引き、右拳に殺気を集めていく。

「《雷霆砲掌》」

「《劫心拳・発》ッッッ!」

 玖凪シラヒが繰り出す右掌と、僕の放つ右拳が、濃密に圧縮された殺気を挟んでぶつかり合う。同時に放出された《雷霆砲》と《劫心・発》が空中で互いを押しのけ合い、歪な花火のように空を彩った。




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