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〈組織〉

申し訳ありません、天羽沁VS唯我桃の戦闘描写を省略するというドアホウなことをしでかしました

VS唯我桃1,VS唯我桃2、を追加しましたのでまだの方はそちらからお読みください

これに伴い、「村の中へ」の冒頭の戦闘結果の描写も若干変更されております

大変申し訳ありません

 

 僕と唯我さんは〈剛〉を発動し、水沼さんも薄く発動していた〈剛〉を戦闘用の出力に切り替える。三人の目が朱色に染まる。

 水沼さんが指し示した方向に神経を集中させると、確かに二人分の殺気を感じた。

「これは……ちょっとまずいかもしれません」

 初めて聞くような僅かに震えた声を、水沼さんが出す。瞳孔が開き、顔がこわばっていた。

「……それほどか?」

「はい。私達はすでに敵の必殺の間合いにいます。逃げることすら、不可能……おそらくその意思を見せた瞬間、殺されます」

「ならなぜ攻撃して来ねぇ」

「それは分かりませんが……交渉を考えた方がいいかと」

 そう言って水沼さんは僕を見上げる。僕が一番年上だからなんだろうけど……。うぅ……ただのフリーターに交渉は荷が重いよ……。接客もほとんどできなかったのに……。

 僕らが極度の緊張状態にさらされながら待ち構えていると、果たして廃屋の陰から二人の男性が姿を現した。途端に僕をゾッと背筋が凍るような感覚が襲う。

 一人は膝までの白衣に丸い眼鏡、細い狐のような目、細身で長身の男性だった。見るからに医師とか研究員といった感じだ。

 もう一人は正反対の印象を受ける男性だった。令和の今時に手前に突っ張ったリーゼントヘア。裸の上半身に直接黒い革ジャンを羽織っている。細身だが筋肉のついた、長身の男性だった。

 僕が恐怖を感じたのはリーゼントの男だった。明らかに強力な、密度の高い殺気を放っている。そのリーゼントの男が口を開いた。

「よう、実力差は分かってるな?」

 僕達三人は冷や汗をかいて硬直したまま、一言も返せない。

 代わりに、リーゼントの傍にいた白衣の男が口を開いた。

「この三人を殺せば〈組織〉に入れてもらえるんですね?」

「ああ。連絡役の補助官はすでに殺した。何をやっても救援は来ない。あいつらが逃げたり連絡しようとしたら俺が潰す。狙い通りB級下位の連中だ。こいつら程度は殺してもらわないとな」

 リーゼントの男は僕達にも聞こえるように大声で答えていた。僕達にもメッセージを発しているのだ。今すぐ死にたくなければ、余計なことをせず白衣の男と戦え、と。

「しかし……一対三ですよ?」

「知るか。千本桜良が求めているのは少数精鋭だ。半年前の一件では有象無象は役立たずもいいところだったからな。こいつらを殺すのが、今の最低ラインだ。わかったか、疼白とやら?」

「はぁ……わかりました。いいでしょう」

 そして白衣の男は僕らに向き直ると、その冷たい殺気を僕らへ向けた。その瞳が紅に近い朱色に染まっていく。

「やるだけやってみましょう」





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