私が死んだ日
初めまして、作者の音風琴里です。
今回の小説は私の初投稿作品なので、とても緊張しています…。
書いている本人が飽き性過ぎて、いつまで続くかは、、、未定です(^_^;)
そんな私の作品ですが、誰かには面白ければいいなと、誰かには刺さればいいなと思って書いてます。
気長によろしくお願いします。
1.透明人間
段々寒さに堪えるような季節に近づく11月の末。時間は確か夜の8時で、丁度塾に行くと親に嘘をついて家を出た。私はその日、ビルの屋上から飛び降りた。理由は、なんだか死にたくなって飛び降りた。なんだか死にたくなってなんて言い方をすれば、すごく軽い気持ちで命を捨てたと言われそうだが、別にそうではない。単純な気持ちなら、とっくに家で布団に包まってまた自己嫌悪に陥っている頃だろう。
でも、思い残しが山ほどあるまま死んでしまった。案の定、私はこの世に彷徨う幽霊になってしまった。気が付いたら死体の横に突っ立ってて、あれ?私ってこんなに一瞬で死んだんだと思った。まだ落ちたときに全身に走った痛みが残る。
落ちたとき、空を飛ぶってこんな感覚なんだと楽しくて、とにかく自由で笑ってしまった。そのせいか、顔が笑ったまま死んでいる。なんて不気味なのか。
周りにも建物自体にも人気のないビルから飛び降りたせいで、時計はないが、感覚で大体5分。やっと私自身⸺死んだ私の身体⸺を見つけた通行人が驚きのあまり尻餅をつき、別の通行人が警察に通報している。そのまた別の通行人は携帯を掲げて私の死体がどうなるのかと興味津々にカメラで写す。そしたら警察がもう5分間か7分間ぐらいの間に来て、カメラで写す若者を遮っている。
なんかあの若い人腹立つな。いや、自業自得か。気持ちを言ったところで誰にも通じないし。だってもう私は透明人間なんだもの。あ、そうか、透明人間なのか。なら、もう誰も気にせずに自由に何でも出来るんだ。なら、これからは今まで出来なかったことをやっていこうか。
早瀬雪羽、17歳。ここからは私の幽霊となった後の人生の話である。