エピローグ2
これは……。いつの記憶だ、?俺は自分の姿が映っている夢なのか?まぁそんなそんなのを見ている
「あはは。君は僕の一番の親友だよ」
この声は誰だろう。姿はよく見えないが若い少年の声が響いてくる
「ああ、俺もお前の事は生涯の友だと思ってるさ」
今の声の主は……俺、か?こちらも姿は白くぼやけて見えない
「まぁ、僕たち〇〇〇〇には生涯も何も無いけどね〜」
雑音が急に頭の中で響いてくる。
うるさいな。よく聞き取れないじゃないか
「そうだ、な……」
俺?はこの時一体誰と話してたんだろう?
そんな事を考えながら気付けば暗闇の中にあった意識が現実世界に引き戻されていく
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「うぅんんー!ここは……?」
まだ眠いが、ゆっくり視界を広げていくと目の前にはまるで教会にいる神官のような服を着ている女性がいて、俺を見下ろしている。なんだか凄い気まずい
「ようこそおいでになられました。
我らの仲間、『勇者』よ」
勇者、?一瞬なんの事かと思った。が、あのクソ神の言ってたように異世界に召喚されたのか、と記憶が戻ってくると共に理解できた。
「あなたは、?
そして、何処ですか?ここは……」
俺はあのクソ神と会った事を思い出したくないあまりに、知らないフリをした
「戸惑うのも当然ですね。これから順を追って説明いたしますね……」
そして、ひとまず一度聞かされたこの世界に来た理由などを説明された
「……と、ここまで話しましたが質問はありますか?」
「では、俺が最初に目を開けた時『勇者』って言ったのはどういうことですか?」
気になっていたワードを改めて質問してみる。
神官服の女性は待ってましたと言わんばかりに胸を張り、口を開く
「そうですね。気になりますよね
では、まずその説明をしましょうか」
俺はとても大きいまるで宮殿?の中を女性と二人っきりで歩きながら、説明を聞いた
それから聞かされた内容はこうだ
『勇者』とは、この世界の秩序を乱し、厄災を撒き散らす『魔王』を討ち倒す存在らしい。
具体的に、『勇者』は『勇者ギルド』と言う異世界から召喚された勇者専用のギルドに入るらしい。
『魔王』も一応は『魔王ギルド』に所属するらしいが、その辺はまだ不明らしい。
ああ、ちなみに『ギルド』って言うのは複数人で構成された団体のことを指すらしく、この世界ではギルドに所属しないと生活が苦しいところか毎日の食事に困るくらいらしい。つまり、ギルドに所属しないのは死と隣合わせらしい。
「ギルドは大きく分けて、二通り所属の仕方があります。まず一つ目は、既に現在創設されてるギルドに申し込んで所属する方法。
二つ目は、自分がギルドマスターとなりギルド自体を創設しちゃって所属する方法です」
後者はそれなりに財を持ってないと立ち上げられないため、ほとんどは前者らしい。
俺も前者に入るしな
「んふふ。新たな仲間が久々に増えて私は嬉しいです!あぁ、まだ名乗ってませんでしたね」
おほん、とわざとらしく咳払いをして一旦間を開けて
「私はクレア、と申します。実は私もあなたと同じで日本から来たんですよ!三年前くらいからですけどね!」
「日本人なんですか?なら、苗字とかは……」
「それはね、この世界では下の名前だけみんなつけられるから、私も下の名前だけ名乗るようにしたの」
そうなんですか、と俺は相槌を打った。
クレアはその名前のように赤髪で、まぁまぁある乳房、モデルのようなスタイルにまるで女神のような安らかな顔。そして、知性を感じさせるような目。
まぁ、まとめると美人だ。それも日本で数人いるかレベルの美人
「ところで、あなたはなんて言う名前なんですか?
よろしければ教えて下さい!」
「分かりました。俺の名前は、ハルトと言います
これからも、そう呼んでください」
「承知しました!では、ハルト、とお呼びしますね!
あ、タイガさん!来てくださいよ!新人君です!」
クレアさんが手招きしてやってきたのは、身長180cmは余裕であり、少し怖い顔のヤンキー風の男が俺を舐め回すように睨めつけながら、手をポケットに入れて近づいてくる
「……よう。俺はタイガだ。
見たところ……ただのガキか。チッ」
その見た目に通りの口の悪さに俺は一瞬怒りを覚えたが、クソ神ほどではなかったのでグッと堪えた
「そんなこと言わないで下さいよ〜。
あ、こちらはハルト君って言うんですよ!
ハルト君、この怖い人はタイガさんって言って一応このギルドのギルドマスターなんです!」
「そうなんですか。改めまして、これからよろしくお願いします。タイガさん」
俺はあまりこういうタイプの人に目をつけられるのは経験上良くないと思い、見かけだけでも良い風の男の子を装った
「ん。せいぜい玩具にされたくなきゃ良いギフト持っとけよ。じゃなきゃ潰すぞ」
ギルド、か。俺のギルドは……
「あ、忘れてました!ナイスタイミングです!タイガさん!今からハルト君のギルド鑑定を行いませんか?」
「ん?あぁ。まぁ使えるか使えないかきっちり分かるし賛成だ。ん、ほらいくぞ」
俺はあの使用不可能とかいう意味不明なギフトとクソ神に言われた事が嘘であると願った
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「では、この紙に『ギフト』と言って下さい。
そうすれば、ハルト君のギルドが判明しますよ」
俺は断る事が雰囲気的に、というかタイガさんが怖くて出来ずに従うしかなかった。
結果は案の定……
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名前 ハルト 性別 男 年齢 17
所有ギフト
→使用不可能
→レアリティ☆
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「あん?レアリティ☆1?勇者なら普通☆8とかだろうが!!ふざけてんのか?!ッチ。ギフトとかの前に使えないなこれ。おい、クソガキ。玩具、覚悟しとけよ」
物凄い殺意を感じて、身震いをした。
そして、チラリとクレアさんの方を見ると……
「はぁ、使えないゴミか……。
勇者召喚で呼ばれたのが使えないとか最悪……」
聞こえるか聞こえないかぐらいの小声で、泥を吐くように呟いていた。
「あ、あの……これは……」
「き、気にしないで!その内使えるようになるかもしれないからね!ね?大丈夫!今日はとりあえず、ゆっくり休んで明日またお話しましょ!ね?」
と、誤魔化すように先程の独り言とは違う、最初の優しい口調で話した
この世界ではギフトの存在が絶対なのは、本当だったのか。果たして俺はこの世界で生きていけるのか?……
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