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「失礼致します。アンナリーゼ様、王太子殿下からお手紙が届いております」
今日の昼間に会ったばかりだというにも関わらず、またもや手紙を送ってきた。アンナリーゼはそろそろ就寝しようとしていたのだが、仕方なしに封書を受け取った。
『愛しい、愛しい、愛しいアンナリーゼ。今日の君もとても愛らしかったよ。もうそろそろベッドに入る時間かな?僕も君の隣で眠りたい。君の柔らかな身体を堪能しながら、君の中に……(自主規制)』
アンナリーゼは手紙を閉じ、フロラに手渡す。
「いつもの場所にお願い」
「かしこまりました」
フロラが退出した後、アンナリーゼはベッドに横になった。フロラに変に思われなかっただろうか。顔も身体も凄く熱い。きっと顔は真っ赤になっているだろう。
レンブラントの隣で一緒に眠る……。そんな風に想像しただけで、恥ずかしくなってしまった。しかもその後に続く言葉は、アンナリーゼには刺激が強過ぎた。
そして瞬間、昼間彼から「舐めてあげる」と言われた事が頭に浮かんだ。
恥ずかしくて、どうにかなってしまいそう……だが何れは彼の妻になりきっともっともっと凄い事もする事になる、と思う。こんな事で恥ずかしがっていたら身がもたない。
「ダメ……眠れない……」
そうは言っても、恥ずかしいものは恥ずかしい。アンナリーゼはベッドの中で1人悶える。
結局アンナリーゼはそれから暫く寝付けずに過ごす事になってしまった……。
翌朝、アンナリーゼが支度を整え終わるとまたレンブラントから手紙が届いた。
『愛しい、愛しい、愛しいアンナリーゼ。おはよう。昨夜はどんな夢を見たかな?僕は君とベッドで(自主規制)という夢を見たんだ』
あ、朝から破廉恥です‼︎
アンナリーゼは、寝不足と興奮の余りそのまま倒れてしまった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「失礼致します。レンブラント様、アンナリーゼ様が……」
執事のルネが血相を変えて、部屋にやって来た。
アンナリーゼが倒れた⁉︎
「レンブラント様!どちらへ⁉︎そちらは門では」
駆け出したレンブラントの後ろからルネは付いて行く。だがレンブラントは正門ではなく裏庭へと辿り着いた。
「レンブラント様……⁉︎」
レンブラントは裏庭の塀のある場所を押した。すると塀の一部が動き、なんと開いた。
「門から出たら、時間がかかるからね」
爽やかな笑顔でそう言って笑う主人に、ルネは呆れた。