『まみむめも』
ま『マンガ・お料理再発見!(土井善晴・小波田えま)』
み『身近な雑草の愉快な生きかた(稲垣栄洋・著/三上修・画)』
む
め『メルヘンでかわいい女の子の衣装デザインカタログ(佐倉おりこ)』
も『モダリーナのファッションパーツ図鑑(溝口康彦)』
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ま『マンガ・お料理再発見!(土井善晴・小波田えま)』
料理家、土井善晴先生に漫画家の小波田えま氏がお料理を習い、その一連のやり取りをえま氏がまんがに仕立てたもの。作った一品一品のレシピがちゃんと載ってるのですが、正直私のようなレベルの者にはハードルが高い; でも読んでるだけでも価値ありあり!
一番「ためになった!」と思ったのは『むやみにいじってはダメです いじればいじるほどお料理はまずくなりますよ』という土井先生のお言葉! ついついやりがちな「フライパンに食材(ひき肉とかみじん切りした玉ねぎとか)入れたらこちょこちょとハシや木べらでかき回す動作」! これがいけないらしいんです!
土井先生の他の御本からの情報も混じりますが、そもそも家庭用のコンロって、本職の料理人の方々が使うコンロほど火力は強くない。真似して同じように食材いじると、「鍋やフライパンの中の食材、全ての部分が生ぬるい状態」を作り出してしまうんだとか。
「むやみにいじらない」「食材の片面が焼けたらひっくり返すようにする」、このポイントに気をつけただけで本当に味が変わるんです! 試しにやってみたところ、ふっつーの「豚バラとキャベツの炒め物」がそれまでとは段違いに美味しくなりましたから!
そしてこのまんが、他にも先生の珠玉のお言葉がいろいろと! 『ごまかすのではなく 深めていくんです』『これが料理の本質です 生き物をいただくんです』『ああ 美しいですねえ 美味しいものは美しいんですよ』
そうして私の緩い涙腺まで貫いたのが、えま氏いわく「日本昔話に出てくるようなおにぎり」を作られた時の一言。『先生のおにぎりは 最初からこんな風に素直だったんですか? それともだんだん素直になっていったんですか』へのお返事。『だんだん自信がついて だんだん素直になっていったんです』
……ああ、レシピまんが本を見て涙ぐむ自分……。でも深い、この一言は深すぎます。おにぎりの形だけじゃない、人生を語っておられると思いました。
お料理することにあんまり興味がない人も、純粋に読み物として楽しめる良本だと思います。
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み『身近な雑草の愉快な生きかた(稲垣栄洋・著/三上修・画)』
「雑草生態学」が専門の農学博士、稲垣栄洋先生の『身近な~』シリーズ(文庫本)の中の一冊。正直このシリーズはどれをとっても面白い!
雑草に野菜、昆虫、「生き物の子育て奮闘記」……。こういった分野が好きなお方は大体ハマると思います。
あとはこのシリーズではないんですが、ちくまプリマー新書の「雑草はなぜそこに生えているのか」! この本は中高生向けに書かれたものらしいんですが、もう中身がホントに深いんですよ! 雑草を通して人生の何たるかを語るというか……それでいて全然押しつけがましくない。「明るく正しく生きようぜ!!」みたいな温度高めの圧もない。ただただ優しく穏やかに、ささやくように語るのです。正直この本も緩い涙腺が決壊しました。
あとはね~、この頃だいぶ売れてるらしい同先生作の「生き物の死にざま」! これはね~、うかつに手を出すと打ちのめされます。正直タイトルから買うのをためらって、結局母(やっぱり稲垣先生のファン)が購入したんですが、借りて読んだらかなりでっかめのショックを受けました。
正直一番自分的にお気に入りは……やっぱり「雑草はなぜそこに生えているのか」かな! ってオイ『身近な雑草の愉快な生きかた』はどうしたんじゃ!
いや全部面白いからぶっちゃけ一冊には絞れない! むしろ い『稲垣栄洋先生の著作』にすべきだったかな!
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め『メルヘンでかわいい女の子の衣装デザインカタログ(佐倉おりこ)』
これはイラストの描き方本。カタログというだけあって、『かわいいコスチュームのパーツ918点!』この数のアイディア詰まってるって軽めの奇跡じゃないですか?
ま~可愛いんだこれがまた! 帽子にティアラにイヤリング、半袖、ネクタイ、スカート各種にリボン各種! これを組み合わせて自分で描いた女の子たち(男の娘にも?)に着せちゃって! というコンセプトの本なのですが、組み合わせがしんどい人にはワンピースのデザインも提供するよ! というほどの太っ腹!
こういう風にデザインしてくと良いよ~という「衣装デザイン実例集」の後にずらりと並んだ可愛いパーツがめじろ押し! さあどっからでも描いてってちょうだい! と言わんばかりの品ぞろえ!
「『メルヘンでかわいい女の子』? いや自分胸のおっきなお姉さん描くのが好きだしな~」とかお考えの方! こう考えれば良いのです。「胸のおっきなお姉さんが好きなら、『メルヘンでかわいい女の子』用の衣装を胸のおっきなお姉さんに着せてあげれば良いじゃない」……と! いやこういうミスマッチも描いててなかなか楽しいですよ(←経験者)
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も『モダリーナのファッションパーツ図鑑(溝口康彦)』
これもイラストの参考用の一冊です。
「着るために買うんじゃない、着せるために買ってるんだ!!」と言わんばかりに自分で描いた女の子にいろんな服を着せてます。
ただこれ一つの用語に「(ほぼ)正面アングルの一点」しかイラストがついてないので、角度のついた絵を描きたければ用語をネットで検索かける(もしくはさらに別の本で調べる)という手間もかかります。資料の資料本という感じですかね。
私は「全体にかわいい感じの絵」が描きたい時は前述の『メルヘンでかわいい女の子の~』のシリーズで、「カッコいいめ(マニッシュ系?)」のイラストが描きたい時は大体この『ファッションパーツ図鑑』に頼ります。
逆に言うと、このごろ女体イラスト描く時ってこの三冊(メルヘンシリーズ二冊&この図鑑)しか使ってないかも……思えば前述のヌードポーズ集とか参考にしたら、もう少し良い絵が描けるかも! 精進します!