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『はひふへほ』

は『はてしない物語 (ミヒャエル・エンデ)』

ひ『百物語(杉浦日向子)』

ふ『風景画の描き方(新装版)(ジャック・ハム)』

へ『蛇 日本の蛇信仰(吉野裕子)』

ほ『宝石Q&A(飯田孝一)』


* * *


は『はてしない物語 (ミヒャエル・エンデ)』


 大好き(プロポーズ)

 これはもう別格! 「今までの人生で一番好きな一冊を選べ」って言われたら、ほぼ迷いなくこの本を推すと思います。出逢ったのはそうですね、小学校5~6年生くらいのクリスマスなんですが……。

 そうなんです、この本はクリスマスプレゼントだったんです。当時はまだサンタさん信じてましたから、その分嬉しさもひとしおで! ま~夢中になって読みました。おそらく初めての「一晩読み通して夜明かししちゃった本」でもあります。

 このね、ハードカバーの装丁が本当に洒落(しゃれ)てるんですよ! んで出だしから「本好き子どものツボを押しまくる演出」がすごいんですよ! 本の中に本が出てくるんです、今まさに手にして読んでる「この本」が!

『表紙はあかがね色の絹で、動かすとほのかに光った。(中略)表紙をもう一度よく眺めてみると、二匹の蛇が描かれているのに気がついた。一匹は明るく、一匹は暗く描かれ、それぞれ相手の尾を()んで、()(えん)につながっていた。そしてその円の中に、一風変わった飾り文字で題名が記されていた。

はてしない物語 と。』

 あぁあぁああ!? これ!? この本じゃん! え、何、何なの!? この本お話の世界から飛び出てきたの!?

 こんな演出もう歓喜ですよ! 今までに全く味わったことのない体験! またこの後も何度もこれ式のくすぐりでこちらを惑わすんですよ! 「え、この本だよね!? このファンタジーな世界そのものともいえるこの本が、今私の手もとにあるんだよね!?」と何度もとちゅうで手を止めて、しげしげと艶やかな表紙の手ざわりや、渋くて上品な緑と赤のインクの文字を確かめるその不思議で甘美な体験!

 正直ここまで幸せな読書体験は、それ以後味わったことがないです。話自体もま~面白くて、読まない期間が何年あっても、開いたとたんに「あ、この後こうなるのよね」とか「あ~この後はちょっと不穏な展開だ~」とかすぐに思い出しちゃって、その鮮明な記憶故に逆に開かなくなっちゃいましたが;

 実は先日、石にハマった絡みで作中の「岩喰い男」がらみで掌編書こうとしたんですが、思いついた瞬間に岩喰い男の「ピョルンラハツァルク」って名前がありあり頭によみがえったくらいですから!(ちなみに調べたら著作権切れてなくて結局書けず……;)

 もうたまんないです、一番好きです! 好きだから「上下巻、黒一色インク」だという文庫版には手が出せません! この本はハードカバーの凝った造りでこそより一層、素晴らしく映える言葉の宝石箱なのだと、いまだに信じているのです。


* * *


ひ『百物語(杉浦日向子)』


 この本もま~良い本ですわ(確信)

 今ドキの青少年たちからは総スカン食らいそうな、地味地味にジミなまんがですがね! 超短編の時代小説←(じんわりホラー)がそのまままんがになったみたいな、「大人向け~っ」て感じのいぶし銀の魅力の本です。

 正直初めて図書館でこの本に出逢った時は、借りて読んだは良いものの「……何だこれ? ぶつ切りの描きっぱなしのオチとも言えんようなオチ! つーかホラーなのにほとんど全話怖くねーし! 全然好みじゃねー!」って軽い怒りすら覚えて本を返したんですが。

 数年後近所の本屋で再会し、思うともなく手にとってぱらぱら。(……あれ? この話ちょっと好みだわ……あ、これも何か良い! ……あれ? これってもしかして良本なのか?)と思い直して改めて購入。家に帰ってじっくり読んでみたら……やばい、面白い。

 いや~何でですかね、図書館で借りた当時は精神状態があんまりふるわない時期だったせいもあるんでしょうが……。同じ本見てこうまで印象が違うとは! 歳とったのもあるんですかね? いまだに自分でもちょっと不思議です。

 で、この本は時代小説や落語(「牡丹(ぼたん)燈籠(どうろう)」とか「真景しんけい(かさね)(ふち)」とかね!)好きな方におすすめしたい良本です。おぞけだつような怖さを求める方にはあんまりおすすめ出来ません。

 過剰な線をはぶいた(いさぎよ)いほどすっきりとした描線、こてこてと怖さをあおる演出は皆無のシンプルな語り口。はっきり言ってホント若者にはおすすめ出来ない。ある程度歳を重ねないとちょっとハードルが高いかな~……。

 ネットでつまみ読みで試し読むより、本屋で見つけたらひととおりめくってみてほしい本。そこで「なんか良いな」と思ったら多分ハマれます。もしもいったん気に入れば、きっと長く本棚に住まわせたくなる良本です!


* * *


ふ『風景画の描き方(新装版)(ジャック・ハム)』


 ……ごめんなさい積読本(つんどくぼん)です(出た)

 いや、「人体のデッサン技法」という技法書で有名なジャック・ハム氏の本ですから、良本に決まってるんですけどね! 正直下手な女体ばっかり描き散らしてる自分には「風景画」はハードルが高い! そしてあんまりたぎらない(爆)

 数年間隔でちょこちょこ引っぱり出しては描き、数枚描いては飽きてしまい……を繰り返してる自分では、感想書くのもおこがましい……「なら書くな」って話ですがね! 『ふ』で始まるタイトルの本、他に見つからなかったんです(爆)

 良い本ではある! ちょっとやってみただけでも分かる! だが私は風景よりも女体が好きだ(←変態宣言)まさに絵に描いたような「宝の持ち腐れ」! 見てろ! いつかこの本使ってきっちり風景学んだる~!(予定は未定!)


* * *


へ『蛇 日本の蛇信仰(吉野裕子)』


 好きなんです蛇! 話のモチーフとして! 特にたぎるのが「(みず)()」!(本来こんなルビつきの表記はしませんが)

 蛇の化身で美青年で湖の主で水神で、湖の底のお城に独りぼっちで()んでいて、輪廻転生がらみの痛ましく甘い恋に溺れる切ないお話の主人公~!(おい好みの設定細かすぎるがな!)

 と言う訳で、アカデミックな本も一冊本棚に! 正直言って自分脳には難しいので、一通り読んだ後は「敬して遠ざける」というやつで、あんまり読み返したりしてませんが;

 ツボに深~く突き刺さった記述としては「交尾が濃厚」というのともう一つ! 「何らかのストレスがかかると何も食べなくなり、下手をするとそのまま餓死(がし)してしまう」というくだり! うわあこじれすぎた繊細さ! 病的なまでの神経質さ! 私の思う「蛇神像」と正にぴったり!! と言う訳で、それだけで自分的には「買うだけの価値のある」一冊でした!

 ※なんか感想書きながらぱらぱらめくってたんですが、『ストレスがかかると何も食べなくなり……』の記述は発見できず。あれ~この本じゃなかったっけ~? もし記憶違いであればすみません;


* * *


ほ『宝石Q&A(飯田孝一)』


 何冊か持っている宝石・鉱物本から一冊セレクト。

 いや単純に『ほ』がなかなか見つからないから、この本で埋めたってだけなんですけど! 他の本もそれぞれに良くて、全冊語りたいくらいなんですが、作者や内容であんまりカブるのも何だかなあ……とこの一冊に絞りました。

 そもそも昔から宝石(というかきらきら綺麗なもの)には興味があったんですが、「え、これ人工? ガラス? 違いが分からんみんな綺麗じゃん!」というくらいのカラス並みの認識レベル。

 それがこの頃一気に「石好き」モードに火がついた! 火種はつい先日発売された「クリエイターの為の宝石事典」! そう、この「宝石Q&A」と同じ著者の方!

 この頃はもう止まんないんです、「地球のカケラ」へのほとばしるロマン! 宝石→鉱物→岩石・化石→そこらへんに転がってる石と、前述『あいうえお』の『いい感じの石ころを拾いに』まで購入してしまうという暴走っぷり!

 良い本て一冊買っちゃうと歯止めがきかなくなってダメですね! そもそも「クリエイターの為の宝石事典」は文字通り「ネタ集め」のために手に入れた一冊なんですが。また読むと書けるんですよ、ころころと転び出るように小話が!

 それからは「石の本買う」→「小話書ける」→「味をしめてまた別な本買う」→「また新しい小話書ける」のお財布にダイレクトアタックな無限ループ! さすがにそろそろ目ぼしいものはそろえちゃった感があって、購入地獄は落ち着き加減なんですが……。正直「鉱物そのもの」には手を出さないつもりでいたのに、「太陽系をモチーフにした鉱物(丸く磨かれたやつ)のセット」とか「紫水晶(アメシスト)のミニクラスター六個セット」とか今現在ちゃっかり部屋にいますから(爆)

 石はね、沼が深いです(断言)ただ惜しむらくは、この「宝石Q&A」で知ったネタ……「山サンゴ」と「()(はく)とコーパルの違い」からそれぞれもやもやと着想が……固まりそうで固まらない! 特に「琥珀とコーパルの違い」! すんげえ萌えるのに書き出せない!

 ……か、かくなる上は実物の琥珀を手に入れて……!(もう止めて! もうお財布の残金はゼロよ!!)

 ……ネタを捨てるか、沼にハマるか。この分野、(ごう)が深いです……。

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