『なにぬねの』
な『ナイトメア・カタログ(雪路凹子)』
に『新美南吉童話集』
ぬ『ヌードポーズ・ラボ2(Duo)』
ね『ネーミング辞典 第三版(学研)』
の『農家の台所シリーズ(Farmer's KEIKO)』
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な『ナイトメア・カタログ(雪路凹子)』
出ましたBLまんが! でも「ジャンルがジャンルだけになあ……」と人様に紹介するのが気遅れる、その事実がもったいないほど面白いギャグまんが。
「ボーイズラブ」を冠しておきながら、恋愛要素はほぼ皆無! 「恋人探し」と言いながら、九割がた肉欲で動いてるようにしか見えない吸血鬼、アシュリーが主人公。まあ下ネタの多いどたばたギャグですな。
下ネタギャグのお好きな方にはたまらない、でもぱっと見の『繊細で耽美な絵柄』に魅かれてジャケ買いすると完ぺきに予想を裏切られるトリッキーな作品です。個人的には第5話の「しょうもない妖怪」紹介の満載な日本訪問編が好き。
で、すべてギャグ路線で押し通すかと思いきや、最後の方で訪れる唐突なシリアス要素。若干涙腺に来るほどのシリアスを持ってくるのが、作者氏の才能の幅を感じさせます。でもシメはやっぱり下ネタギャグ。一冊の終わりとなるとそれがもう「安定と信頼」を築いていて、シリアスで終わらなかったことに逆にホッとします。
言ってもしょうがないことですが、BLじゃなかったらネット外でも大っぴらに色んな方に紹介できるんですけどね……;
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に『新美南吉童話集』
これは良い本(確信)
新美南吉! 耳なじみのない方、ほらあの小学校の国語の教科書に載ってる「ごんぎつね」の作者ですよ! ごんぎつねお好きな方ならこれは買いだと思います!
あとあの~、絵本で有名どこで言うと「でんでんむしのかなしみ」? この話も入ってます!あとは「手ぶくろを買いに」! そしてあんまり有名どこじゃない話もたっぷり! なんせ一話一話が短いですから、短編集好きな自分としてはお得感ありあり!
ちょっと童話っぽくなくて随筆? って感じなんですが、個人的には「花をうめる」が好きですね~。文字通り「花葬」。地面に小さな穴を空け、「花をうめる」話です。うめた後小さな硝子のかけらでふたをして、そっと上から土をかぶせ、鬼になった子(うめるところは見ていない) がその花のお墓を探すという……。
綺麗なんですよ、この話。それだけに自分的にはオチがちょっとしょんぼりだなあ……と思いますが。不出来だなあ、とかそういうんじゃなく、純粋に展開にがっかりというか。
で、ここまで「花をうめる」について語っといてなんですが、この本の中で一番好きなのは「さると さむらい」! もうめっちゃくっちゃ良い話ですよ。涙腺緩い身としては必殺技レベルで涙もっていかれます。それでいて長さ(ほとんどひらがなで)見開き1ページですからね! 天才か!
作者様が、二十九歳で結核で亡くなられたっていうのが本当に残念。これで八十過ぎとかまで長生きしてくださったなら、どれだけ良い話が新しく生まれたか分からんに……惜しい……。
でもだからこそ、この優しい宝箱のような一冊が、いろんな方の本棚にかけがえのない温もりをもたらしてくれるのかもな。
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ぬ『ヌードポーズ・ラボ2(Duo)』
これはタイトル通り、裸体のポーズ集です(何)
いや女体(男性は皆無)の全裸ばっかりですが、要は人体の絵やイラストを描く際の資料本ですね。R18指定じゃないのが、全てを物語っています。
そしてポーズは必ず「二人でワンセット」。タイトルの「Duo」の所以です。二人ワンセットゆえのほぼシンメトリーな構図、もしくは物語性のある絡み! やや「そういう」アダルトな展開を匂わすポーズもありますが、単純に資料として良い本だと思います。
ただ個人的な事情なんですが、この本ちょっとスランプの時に買っちゃったんで、めちゃくちゃ下手くそな「模写」を何枚かしたっきり、全然活用できてないんですよね~; この感想で引っぱり出したのをきっかけに、もう一度チャレンジしてみようかな?
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ね『ネーミング辞典 第三版(学研)』
これは使える(断言)
もうなんぼほど前に買った本ですかね、確か近所の本屋で偶然出逢って、一目でほれ込んでお持ち帰りした記憶が……。
辞典だけあって分厚いんで、そこそこの値段するんですけど無問題! この本ほんっと使えます! 文章に限らず、「お話を自分で作る人」には必須だと思います!
あ、ただし和風や中華風の名づけなどには使えません。載っているのは「英語」「フランス語」「ドイツ語」「イタリア語」「スペイン語」「ラテン語」「ギリシャ語」「ロシア語」の八か国語。ちゃんと「各国でどう表記するか」も含め、いろいろな言葉が載っています(←花の「つばき」なら英語で『カミーリャ』『camellia』とかね)
昔は自分で話作っても、力技ででたらめなカタカナ語作って押し切ってたんですが……意外と現実にある言葉とかぶるんですね、これが! 無意識にテレビや本で目にした言葉を、記憶のすみからすくい上げて使っちゃうのか……。
例えば「良し! この勇者にはこのカッコいい(デタラメな)名前をつけよう!」ってなった後、ふと思い立って調べたら「でぇえ!? この名前○○国では『外窓みがき』って意味なのか!? 全然イメージ違うんですけど!!」とかなることも多々ありまして……。
結論・やっぱり資料は大事!(基本) ちなみにこの辞典、なんか携帯版? 簡易版? もあるらしいんですが、やはりずっと薄い分、カバーする言葉の少なさは否めない……。出先まで持ち歩いて考えるには便利そうですが、私は本棚にがつっと厚いこの本を置いて、ことあるごとに開いてはキャラに名前をつけるのです。
追記・もちろんキャラクターの名前だけじゃなく、幻想の地名や国名、魔獣の名前なんかにも使えます! おすすめw
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の『農家の台所シリーズ(Farmer's KEIKO)』
これは簡単で美味しいレシピがたくさんあって……良い(語彙力)
タイトル通り、農家の主婦の方が手がけた「野菜をおいしく食べるためのレシピ本」なんですが、まあ素晴らしい! ちなみに個人的に推しなのがシリーズ一冊目にある「なめたけ」なんですが! まあ地味なセレクト!
いやでも美味しいんですよこれ! 実はそれ以前、某食まんがのレシピに沿って作ってみまして! 話はめちゃくちゃ面白いし美味しそうだし! このレシピ通りに作ってみたらさぞ極上のなめたけごはんが……(ぱく)うわ~全然好みじゃな~い……。というがっかり体験がありまして。それだけにこのレシピ本のなめたけは感動的ですらありました(いや個人的な好みもでかいと思いますけど!)
あとね、一時期めっちゃ作ったのが「農家の台所3」(←洋食編)に出てくる「ミニトマトとチキンのドリア」!
夏場庭先で採れたミニトマトとバジルもっさり使って(レシピではバジルは彩りにちょこっと添えるくらいですが、そこはアレンジ)作るとま~美味い! 今年の夏はトマトもバジルも虫にやられ、全く作らなかったんですが……。読み返しついでに、叔母の庭採れのミニトマト使って作ってみたらま~美味い!(二回目)バジルなかったのが残念ですが、久々に堪能したのでした(叔母ちゃんありがとう!)
正直今はレシピ本は「土井善晴」先生のにハマっていて、あんまりこのシリーズに手を出すことはなかったんですが……やはり美味いものは美味い(確信)久しぶりに手を出す気になれた、この自分連載にも感謝w