『あいうえお』
昔はやったらしい『あなたの本棚のあいうえお』を今さらにチャレンジ。あいだ何個か抜けてますが、本棚から見つけられなかったのでそこはご了承ください……;(※「を」と「ん」はノーカウントで)
あ『アシモフの雑学コレクション(星新一編訳)』
い『いい感じの石ころを拾いに(宮田珠己)』
う『美しい日本の季語』『美しい季語の花』(監修・金子兜太)
え『SSイラストメイキングブック(各種)』
お『おはよう楽園くん(仮)(中村明日美子)』
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あ『アシモフの雑学コレクション(星新一編訳)』
これは良い本(確信)
「地球」「太陽系」「うごめき、這うもの」「予言者たち」「ペット」「妻と愛人」「天才」……いろんな項目にからんだ雑学(豆知識?)がたったの数行に凝縮されて、ただただずらずらと並んでいる、内容みっちりの楽しい本!
確か小さい時からずっと家の本棚にあって、カバーも取れてよれよれの日焼けまくりの状態のを読みあさった記憶が……(←うちの父親が本をそーいう雑な扱いをする)
あれからだいぶ日数が経って、いつの間にかどこかに行ってしまった本。なので数年前に自分で買い直しました! 父親も食いついてた(「これトイレで読んで良いか?」とか「風呂で読んで良いか?」とか言ってたけど。またよれよれになるのも何なので断った)
いや楽しい! 個人的に生物がらみのくだりが特に好き。
『ゴキブリの頭を出血しないよう、巧妙に切断する。二週間ほど生き続け、そこで餓死する』とか! 『白い血液の魚が、南極に一種だけいる。ヘモグロビンでなく、何で酸素を細胞に運んでいるのか、未解明である』とか!
いや子どもの頃に読んだとき、ゴキブリのくだりは衝撃でしたね……(初手からきときとの話題ですみません;)
でもこの本で一番印象に残ったのは、「奇妙なできごと」のこの話。
『新大陸への移動の初期(一五八七)に、イギリス人約百人が、ロアノーク島に住みついた。ひとりが本国へ連絡に行き、しばらくして戻ると、全員が消えていた。CROATOANという意味不明の字が木に刻まれている。なにが起こったのか、手がかりはなく、いまだになぞである』
うーわ怖っ! 意味不明の字って何!? 「いまだになぞ」!? なんじゃそりゃあ!!
という訳で、じっくり読みこんだらネタの宝庫にもなりそうなこの文庫! 読むだけでも楽しいし、おすすめですw
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い『いい感じの石ころを拾いに(宮田珠己)』
とっぱなから大体の人を置き去りにするようなこのタイトル。「石ころ? 興味ない」「何『いい感じの石ころ』って?」と本屋で見かけても、多くの方が背表紙を見ただけでさよならしそうなぶっ飛んだ題名。
その第一関門を突破して本を手に取っても油断は禁物! 次なる関門は表紙に並ぶとりどりの石ころたち!(写真ぽく見えるけど、イラストかな?)「うっわホントに石ばっかじゃん!」と引く人の表情が目に浮かぶ……! 第二関門を抜けたら次は目次! 次なるとどめは本文そのもの! 石・石・石で押してくるたった一つのこの本のテーマに、大方の人は買うのを止めてその場を去ることであろう……。
しかし私は食いついた! いや、このごろ「宝石・鉱物・化石その他」ブームが個人的に来てまして!(要するにひっくるめて石ブームですね)
「なんかいい感じの石ころを探す」という一本の柱、それだけに忠実にゆる~く全国に石拾いに行き、本当に「なんかいい感じの石ころ」だけ拾って帰ってくる。そして合間あいまに各方面の「石好き」な方々にお話をうかがい、何ならミネラルショーとやらにも行って血迷ってお金を出してまで「風景石」を買ってしまう。
もうね、ちらとでも石に興味のある人以外はまず食いつかない。だがそれが良い(断言)「地質や年代などには関心はない」と宣言しながら、ちょこちょこ挟まる専門的な豆知識。石好きじゃない人をも取り込んでゆく(?)「単なる石ころ」の秘めた魅力。個人的にはツボツボのツボ。
ただこれね~、正直真っ向から「この趣味良いよ! ハマろうよ!」とはおすすめ出来んのよ~。だって「コレクションした石の重みで家の床抜けた」とか平気で言ってるんだもん! 「家族には全く理解されない」とかね~、まあそうだろうな~……。
と言う訳で、「原価はかからない」とか言うけどけっこう遠くまで石拾いに旅に出るし、ややもするとミネラルショーで1万5000円もする石買ったりしちゃってるし、割と難しげな趣味ですが……。
この文庫買うだけなら税込み1000円以内! 家の床抜きたくない方々は、この本を読んで「石拾い」の雰囲気にひたるというのもアリでしょう……!
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う『美しい日本の季語』『美しい季語の花』(監修・金子兜太)
けっこう前に近所の本屋で見つけた本。
いや見つけたのは「美しい日本の季語」の方だけなんですけどね! 「わ~これ良いな~」と思ってけっこう高い(自分的に)けど買っちゃって、本の折り返し(?)の続刊に気づくという。
そう、それが「美しい季語の花」なのです! うわ~花の方が個人的にはツボなのよ~これは買うしかないじゃ~ん! と思ってネットでポチっと。こうやって「良い本は仲間を連れてくる」のよ~、財布の事情に関係なく~!(←あくまで持論)
いやでも、この二冊は本棚のお気に入りになりました。読んでると下手ながら俳句が詠めてしまうのですよ。特に「花」の方はしっとりとした画風の挿絵が花全種についていて、ちょっとした画集の雰囲気も。
参考に一句だけ引用を。「美しい季語の花」の牡丹より。
『火の奥に牡丹崩るるさまを見つ』(加藤 楸邨)
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え『SSイラストメイキングブック(各種)』
う~んこれは……正直言って「『え』がないよ~!」という苦しまぎれにリストにねじ込んだ感が強いです。持ってるのは「水彩vol.01・02」と「アナログ画材MIX vol.01」なんですが……。
恥を忍んで告白すると、透明水彩苦手なの! アナログでなんぼ描いてもデータに取り込むと、色味がめっちゃ薄くなるんですもん! 本は良いものか知らんけど、描いても描いても上達してる実感が……;
アナログ画材の方は色鉛筆以外ほとんど使わない(下手したら使ったこともない)画材ばっかだし……。
と言う訳で序盤から「お前これ活用出来てないだろう!」という感じの本がまぎれていたのでした。実はこの後もほとんど未読の本がちらほら……手に入れたものは時間かけてもちゃんと読むようにします……もったいないからね……;
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お『おはよう楽園くん(仮)(中村明日美子)』
BLまんが界の大御所、中村明日美子先生の一冊です。
実は他にも何冊か、中村先生の御本を持っていたんですが……今本棚にあるのはこの一冊だけ(主にスペースの都合)いや、本当言うと恋愛や色事主体のテーマは、ちょっと読むのがしんどい歳になってきたってだけなんですよ……;
だがしかし、この一冊だけは手元に残しておきたかった。「男同士の恋愛」っちゃーそうなんですが、この何てことない日常感! 良い意味でのニュートラル感! さして厚くもない本なんですが、何回も読み返しては感じる「ほっと肩の力が抜ける」感……!
いや好きだ(断言)しかしこれ発刊から相当時間経ってるけど、続刊はまだなのか……。オール単行本派の自分としては少し淋しい気分なのでした。