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 自分のスキルを確認してその詳細が分かった。

 

 念話はその名の通り持ち主と脳内で会話が出来るスキルだった。しかし持ち主のみとしか会話ができない。しかし一般的な念話とは異なり、魔力などは消費しないようだ。

 

 次は鑑定。スキルの詳細を理解できているように意識を向けた物の詳細を知ることが出来るものだ。鑑定したいものに意識を向けると鑑定を使うことが出来る。これも魔力を使わずに使用することが出来るようだ。

 

 最後に筋力上昇(小)。これは持ち主に付与されるスキルのようで俺自身に直接作用はないが、俺が装備される強みになる1つであろう。上昇系のスキルは小、中、大、極、神の5段階あり、それぞれ10%、30%、50%、100%、200%の補正がかかるようだ。

 

 鑑定を使いスキルを使用した結果、名称の横にある数が3/100となっていた。スキルの使用回数で増えるらしく、恐らく100回使用すれば進化?出来るのだろう。経験値稼ぎがてら周りにあるものを鑑定してみることにした。


 あの男は恐らく商人なのであろう。辺りには武器や防具から調味料、装飾品、魔法の書まで置いてあった。そしてここは倉庫なのだろう。乱雑に色々なものが置かれいる。

 そして片っ端から鑑定をしていった結果、経験値が100/100になった。そして体が光輝きだした。

 すぐさま俺は自分を鑑定する。



呪われた銅の腕輪(0/300)

スキル:念話 鑑定 筋力上昇(小) 魔力上昇(小)

呪い:持ち主限定

SP:10




 予想道理、俺は呪われた鉄の腕輪から呪われた銅の腕輪へと進化した。特に呪いは消えることは無く、素材が変わっただけだが、新たに魔力上昇(小)とSPが10増えていた。

 SPに意識を向けると、そこから新たに選択肢が出てきた。


剣術強化(小)必要SP:10

体術強化(小)必要SP:10

魔術強化(小)必要SP:10

物功上昇(小)必要SP:10

魔功上昇(小)必要SP:10

筋力上昇(中)必要SP:30

魔力上昇(中)必要SP:30


 現状取得できるものに限りがあるが近距離も遠距離も修得できるようだ。なかなかに優秀な装備ではないだろうか。すごくないか、俺。

 

 そして色々悩んだ結果、俺はまずは近接系統を強化することにし、剣術強化(小)を取得することにした。体術や物功を上げることも考えたが魔法がある世界では体術よりも剣術のほうが需要はあるだろうと考えたからだ。
















 そんなこんなあって1か月くらいたち、ようやく俺は店に並べられるようになった。俺の周りには豪華な装飾や伝説級の武器が置いてある。俺は新しいスキルを身に着けたことでいい気になっていたが本物の武器や装飾品の豪華さはけた違いで、どれだけ自分がちっぽけな存在であったか思い知らされた。

 

 いや本当に。だって隣の耳飾りなんて緑色の小さな宝石がついていて豪華なのに魔力上昇(大)がついてんだぜ。俺の前に置いてある白銀の剣なんか剣術上昇(極)が付いてたぜ。俺なんか(小)ばっかなのに。しかもミスリル製って。ミスリルって。かっこよすぎるだろ。俺もミスリルが良かった。

 

 それに耳飾りは銀貨150枚、剣に至っては金貨200枚だぞ。それなのに俺は銅貨15枚。どうやら銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚になるようだ。つまり耳飾りは俺の1000倍の価値があるということだ。剣は考えたくもないくらいの差があるようだ。


 その差に悲しくなったが俺には出来ることが今のところ鑑定するしかできないため、気を取り直して鑑定しまくることにした。


 鑑定生活を始めて更に1か月がたった。その間に耳飾り先輩と白銀の剣先輩は売れて行ってしまった。そして商品が売られるたびに補充される武器やら装飾品が俺よりもすごく、そのたびにへこむ羽目になった。

 ちなみに俺はいまだに銅の腕輪のままである。鑑定するたびに心を抉られ鑑定するのが怖くなり結局100ちょっとしか鑑定していない。特に同じ装飾品類はよりへこむためここ2週間は鑑定は武器の鑑定しかしていない。新しく隣にきた金色のネックレスなんて怖くて顔も見れない。ていうかこれは俺に対するいじめか?銅の腕輪の隣に金色のネックレスを置くなんていじめだよな。

 ちなみに俺はこいつを鑑定していないか金だとは認めていない。だからこいつは金色のネックレスなのだ。けっして金のネックレスではない。え、そんなこと無いって。かの有名なシュレディンガーさんも言ってるだろう。鑑定しなければそれは金色のネックレスなんだって。


 














 現実逃避をしながらまた俺は1か月を過ごした。あれから鑑定を再開したものの隣のやつが売れた時に本物の金だったことが発覚し、そこに追い打ちをかけるようにあの商人が俺を見てため息をついたため、俺のライフはもうゼロになった。あのタイミングであの顔とため息は俺を殺しに来ている。あの時は本気で旅に出ようと思った。出れなかったけど。


 だがそんな日々は今日で終わりだ。ふっふっふ、何故って。それは俺の目の前にボロボロの剣が来たからだ。見た目は普通だが薄汚れており、刃も薄くいかにも弱そうだ。俺は久しぶりに鑑定をした。
















 どれくらいの時間がたったのだろう。何故か鑑定後の記憶が無い。ただ何となく覚えているのはガツンとなにかに殴られたような気がした。何故だろう。あの剣を鑑定したくない。剣を見ると体が震えてくる。何故だ。


「ねえ、そこの腕輪さん」


 幻聴も聞こえ始めた。女の人の声だ。俺腕輪だけど死ぬのかな。


「ちょっと、ねえ聞いてるの」


 声的に巨乳の金髪だな。間違いない。できれば死んだ後に膝枕をしてほしい。


「聞こえてないのー、ねえ」


 絶対に美人だ。そうに決まってる。それで一緒にお風呂に入って


「聞けや、おらぁ!」

「ひゃいぃぃ…」


 大きな声が頭のなかに響き渡ってくる。エコーのように反響し俺の意識を現実に引き戻す。


 辺りを見渡すが美人なお姉さんは見当たらない。巨乳も無い。


「やっと反応したわね」


 しかし声は聞こえる。どこだ?


「ちょっと、さっきから聞いてるの?」


 周りには俺よりも高い装備とボロボロの剣ぐらいだ。


「やっとこっちを向いたわね」


 こっち?もう一度辺りを見渡すがやはり景色は変わらない。


「こっちよこっち、目の前にある剣よ」

「目の前?」


 そこにはやはりボロボロの剣があるだけだ。


「もしかしてお前か?」

「さっきから話しかけてるでしょ、全く」


 巨乳美人風のお姉さんは実はボロボロの剣だったらしい。ふざけんな。


「で、美人じゃなく巨乳でもない剣さんは何の用ですか?」

「なにか棘がある言い方なのはまあ置いておくとしましょう。それよりも何の用、だっけか。それはね、私と同じ知性をもった物同志話がしたかったからよ」

「知性?」

「あら、あなたさっき私を鑑定していたじゃない?その時に私のステータス見たでしょ?」


 そういえば見た気がするな。忘れちゃったしもう一回見るか。

 







神剣デュランダル(2800/10000)

スキル:念話 鑑定 不壊 剣術上昇(神) 斬撃上昇(神) 幸運 成長

制約:剣に認められたもののみに装備可能









「は?」

 は?


 ナンダコレ????

 神剣?スキルいっぱい?なんで?


 しかも同じような装備条件なのに俺は呪いで神剣は制約って。ズルいだろ。俺も制約の方が良い。かっこいいし。


「どう、思い出した?」

「ああ、色々言いたいことはあるが。お前神剣だったのか」

「ええ、いかにも。私は神器が一振り、神剣デュランダルよ。腕輪さん」


 ぼろっちい剣は実は神剣だったようだ。

読んでくださりありがとうございます。

評価とブックマーク、よろしくお願いします。

他の小説も執筆中ですのでそちらもぜひ。

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