40*WMHA /1/
2章スタートです。2日に1回更新くらいになると思います。
眠くて意識が微睡んでいる中書いたものなので、英語を間違えている可能性があります。すみません
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【???】
奇跡的に死者1人…?
ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな
何が奇跡的にだよ。 ━ ━すら守れずに。自分は生き残って。
何が。
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【晃峰 蒼】
「はぁ…」
疲れた。
俺は各自割り振られた個室にあるベットへ倒れ込む。
今日はもう寝よう。
目を閉じ、意識が落ちるのを待つ。
………思ったより、中々寝付けない。にしても、あいつが居るとは。
思考から連想し、今日の事を思い出す。
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「俺の時よりも手厚い歓迎だな。」
ずらっと並んだ職員の列を見て、赤城さんが呟く。
それはWMHAに所属するタイミングの話なのか、最近の話なのか。
まぁ、第一印象は大事だ。少なくとも所属する意思はある人が集まっているわけで、それを逃さない為なんだろう。人手不足なのかもしれない。
「……これ、もう入っていいんですかね。」
「まずは受付だな。……俺はちょっと用があるから先に行く」
「了解です。」
そう言うと、赤城さんは飛行船の中に入っていった。
受付は……あれか。
歓迎に出てきた職員の人達は既に列を崩し、受付の準備や人数の確認等をしていた。
そこに、小走りで近付いていく。
俺の他には無表情の青年、琴葉が動き出している。他の面々はぼーっとしている。
「あ、希望の方ですね?では……こちらの紙に必要事項を記入して下さい。」
着くと、直ぐに職員の女性が気付き、何やら契約書のような紙とボールペンを渡して来る。
紙の内容は…名前、性別、生年月日、能力、怪物殺害経験の有無等。能力はまぁ、管理するなら仕方ないのだろう。
生年月日は居るのかと疑問に思うが。
俺の場合は既に赤城さんにある程度話している為、隠す事は無い。
渡されたボールペンを滑らせ、黙々と書いていく。
「よし。あの、書けました」
「はい。お預かりします」
紙を受け渡す。
ちらっと横を見ると、無表情の青年が記入していた。
……そう言えば、名前すら知らなかったな。視線をずらし、紙を見る。
盗み見は若干罪悪感があるが、まぁいいだろう。明確な犯罪を既に犯しているのだし、今更だ。
名前は……日倉峰光。字が記入欄の上の方に偏っている。字が小さいのかもしれない。
能力は…あ。
能力も確認しようとするタイミングで、記入が終わってしまった様で、提出してしまった。残念。
気付かれない内に視線を切り、涼葉姉達と合流する。
多分、盗み見た事はバレていないはずだ。
他の面々が紙を提出し終わるのを待っていると、赤城さんが戻って来た。
どうやら、次はこの飛行船内部の案内と挨拶回りをするそうだ。と言っても、勿論全員とする訳では無いそうだが。
因みに、WMHAに入るのは俺たちだけじゃ無いらしい。他の避難所から来た人も数人居るそうだ。
「着いてこい。」
赤城さんが先導し、飛行船の中に入る。
………物凄く、広い。
内部は外装からは想像出来ない程、豪華な作りになっていた。
天井にはシャンデリアが吊るされており、エントランスを照らしている。
床には赤に金の糸が織り込まれたカーペットが敷かれており、気分はお金持ちである。
と、パンフレットのような物がそれぞれに渡される。
見ると、地図や内部の施設一覧が書かれていた。
……豪華客船やホテルなんかのイメージに近いかもしれない。
「まずは……あぁ、個室から案内するか。こっちだ。」
と言って、赤城さんが歩き出す。
個室は集められており、男女で階層が違うようだ。男は2階、女は1階。ただ、兄弟家族や恋人同士はこの限りではない。その個室も1人部屋から5人部屋まである。
パンフレットを見ると、個室はかなりの数がある様だ。それこそ、職員全員が住める程。
他にも、食堂や娯楽施設も書かれている。命を掛けて戦うのだから、生活する環境は大事という事だろうか。
そんな事を考えていると、赤城さんが1番手前にある部屋の扉を開け、内装の説明を始める。
「全員こんな感じの部屋だな。私物を飾ったりして内装を弄るのもありだし、ある程度なら誰かを呼ぶのもありだ。部屋を変えるのと部屋を合わせるのは各自申請してくれ。」
個室にあるのは簡素だが清潔感のあるシングルベットと椅子に机。ゴミ箱がある。
それと部屋の中にもう1つ扉があり、奥には更に二手に別れ、一応シャワールームとトイレがある様だ。シャワールームは1人で入りたい人用だろう。大浴場は別にある。
「施設内の売店でぬいぐるみとかを買うのも自由だし、ここで何かを食べるのも問題ない。ただまぁ…火を使うのは止めとけ。後、掃除はしろよ。」
それはそうだろう。火事でも起ころう物なら、大事だろうし。
掃除に関しては、週に1度程度すれば良いようだ。何回もやるのはもちろん自由だが。
「よし、次行くぞ。……娯楽施設とかだな。」
1度エントランスの方に戻り、移動する。
個室の方は人を見かけなかったが、こちらにはそこそこ居るようだ。今も話をしたり、荷物を運んだりしている人等がいる。
「大浴場の時間はパンフレットに書かれている通りだ。食堂は24時間365日祝日でもやってる。滅茶苦茶美味い。」
こうなってしまえば、祝日等気にして居られないだろう。
美味しいのは、そう言う能力を持っている人が作っているのと、元々プロだった人も数人いるからだそうだ。
食堂、大浴場の他にも、ゲームセンターやプールなんかの説明もあった。
基本主要な物はなんでもある。映画館とかもあったし。
ある程度説明し終わった為、次は挨拶回りだそうだ。
挨拶するのは、会長、3位、5位、開発部のトップ。思ったより少ない。会長以外は今この飛行船に居るトリプルアビリティだそうで、居ないのは4位だけという事だ。
順番は3位、5位、開発部のトップ、会長。
「スカーレット。連れて来たぞ」
赤城さんが女性に声を掛ける。この人が序列3位、赤城さんと同じ1班だった人だそうだ。
真っ赤な髪に褐色の肌。目はつり目で、巨乳である。くびれもあり、普通にスタイル抜群の美人と言って良いだろう。
「Oh! You guys are new!」
(お!お前らが新人だな!)
英語である。そりゃあ、見た目からして外国人だ。フレディさんが物凄く自然に日本語を喋っていた為若干驚いたが、寧ろこれが普通だろう。
萌が頭にはてなマークを浮かべている。可愛い。
「おい、こいつらはアレ付けてないんだから日本語で話せ。」
「Ah... that was true. sorry sorry」
(あ…そういえばそうだったな、すまんすまん)
スカーレットさんはそう言って、笑いながら何やら機械を取りだした。
「お前持ってたのかよ。…皆、これを耳につけろ。」
そう言って、赤城さんが配る。
耳に…?見た目は黒い耳栓のような感じだ。硬い。
左耳にはめてみる。
「よし、皆着けたな?改めて、あたしはスカーレット ブラウン。堅っ苦しいのは嫌いだから、気楽に絡んでくれ!」
凄い。日本語に聞こえる。配られたものを付けていない方、つまり右耳からは英語が聞こえた為、おそらく自動翻訳のような装置なのでは無いだろうか。
よく見ると、スカーレットさんも赤城さんも付けている。
「…これ、最新版か?」
「あぁ。タイムラグを更に縮めたって言ってたぜ。」
「ウチの開発部は優秀だな。」
「あたしも思うよ」
その後、軽く雑談し、次に行く事になった。スカーレットさんは所謂姉御肌のようだ。普段、頼られることが多い人らしい。
序列5位の人はかなりガタイのいい人で、貫禄が出ていた。普段は運動場で鍛えているらしい。
本当に軽く挨拶しただけで終わってしまった。
「次は開発部のトップ……あぁ、行きたくない奴は来なくてもいいぞ。来たい奴だけで良いって本人が言っていたようだ。」
赤城さんが紙を見ながらそう言うと、諏訪さんの仲間は諏訪さん以外、個室に行くようだ。
赤城さんに伝えてから来た道を戻って行った。
「さて、行くか。」