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22*避難所生活 /8/



食屍鬼掃討作戦から、1週間。

中学に食屍鬼が現れてから、早2週間が経った。

……そして、現状はかなり悪い。

理由は、3つ。

1つ目は、1部の能力者が傲慢に振舞っているから。

非能力者と能力者の溝がかなり深くなって来てしまっている。

校長生活は何とかしようとしているようだが、かと言って大事な戦力である能力者を怒らせる訳にも行かず。

殆ど進展して居ない。


2つ目は、食屍鬼掃討作戦の犠牲者の問題だ。

食屍鬼掃討作戦では、死者8人、重傷者21人、中、軽傷者92人となっている。

参加者は128人。

内無傷なのは涼葉姉と萌、男子大学生3人組、諏訪さん、諏訪さんの仲間2人だ。

つまり、全員能力者。

これのせいで、「能力者は非能力者を守る義務を課すべきだ」と言う意見が多くなってしまっている。

……死者8人の内、5人が能力者と言う事実から目を逸らして。

内訳は、死者3-5、重傷者14-7、81-11だ。左が非能力者で、右が能力者。

確かに、重傷者も中、軽傷者も能力者の方が少ないが、それでも居るのだ。

……というか、そもそも能力者の数が少ないのだから、少ないのは必然でもある。

だが、その意見を唱えている奴は、自分が死にたくないから押し付けているだけである。

そんな事は知らぬ存ぜぬだし、意見を変えることも中々ないんじゃないだろうか。


3つ目は、犠牲者遺族の八つ当たりだ。

非能力者の犠牲者遺族は能力者に守れといい、何故助けなかったと喚く。

能力者の犠牲者遺族は非能力者が囮の役割を果たさなかったからだと、非能力者を責める。

……まぁ、全員が全員ではない。

家族を失っても、好意的に振る舞っている人もいるし、納得している人も居る。

1部の衝突が激しい為、全体の空気が悪くなっているのだ。

苛立っている人と話すと、自分も苛立ってしまう奴に似ていると思う。


因みに、萌と涼葉姉は能力を公開した。

バレてしまったから仕方ない。

その結果、萌に悪意が集まりかけたが、そこを何とかしたのは琴葉だ。

巧みに矛先を自分に向け、萌は誠心誠意尽くした事を伝える。

実際、萌の治癒で助かった人は重傷者の内、約半数だ。

中、軽傷者もかなり治している。

その為、萌の避難所内での印象は今の所かなり良く、好意的に見られてる。

………その内、打算が何割含まれているかは分からないが。

他に能力者で避難所内の印象が良いのは、やはり諏訪さんだろうか。

能力者、非能力者関係なく戦場で助け回っていた様だし、普段から笑顔を振りまいている。


逆に印象が悪いのは、男子大学生3人組等の西以外で食屍鬼を倒していた能力者達だ。

下手に上手く行っていたせいで、増長し、ふんぞり返っている。

話し方も高圧的になって来ているようだしな。


……そうそう、腕の骨折だが、毎日萌が治癒をかけ続けてくれたお陰か、昨日治った。

一応医療担当の人に見てもらったが、既にほぼ完治していると言う。

かなり驚いていたし、勧誘が激しかった。

…………まぁ、勿論渡すつもりもないし、渡さないが。


後は………あぁ、諏訪さんのせいで、俺の店の能力が1部にバレた。

一昨日の昼、俺に話があると声を掛けてきて、内容を聞いた所、避難所の子供達にお菓子を配りたいそうだ。

で、それを断ると、諏訪さんが声を荒らげて大声で言ってしまい、バレたと。

言った後、直ぐにやってしまったと両手で口を抑えたが、文字通り手遅れである。

それで頭が冷えたのか、謝罪し、お菓子を配ることは諦めた様だ。

別に配る事自体は全然良いのだが、俺が用意をしても、旨みが全く無い。

子供達の為〜と言われても、全く知らないし。

それに、1度配られたら、また強請って来るかもしれないのだ。

萌達にも配るから〜と言われたが、そもそも萌には俺が直接あげればいい。

別に諏訪さんを経由する必要は無いのだ。

と言うか、俺はそんなに出来た人間じゃないのだから、俺を頼られても困る。

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