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日向の道を歩けない少年  作者: 霜月龍太郎
第一章 高校生活のスタートライン
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高校初の放課後生活

  家に帰ってきた僕は次の日の準備をしていた。すると、インターホンが鳴った。

「月影~、いる~?」

  ドアを開けて見てみると光だった。

「月影、明日いるものが何かわからないから教えてくれない?」

「別にいいけどなんで学校で確認してないの?」

「細かいことは気にしない気にしない」

  そう言って光は僕の家に入っていった。

「月影の家って普通だね」

「普通が一番いいと思うんだけどな~」

「運が悪いこと以外は普通だからね」

「そうだな」

  光はそう言いながら明日の学校の用意をしていた。

「月影、この後暇かな?」

「なんで?」

「一緒に遊びに行こうかな~って思って」

「ふーん」

「で、どうするの?」

「お断りします」

「じゃあ、遊びに行こー!」

「話聞いてた?」

  こうして光と僕は遊びに行くことになった。断ったはずなのに。


  僕と光はカフェに来ていた。このカフェのコーヒーはこの地域では美味しいと評判が良く、僕もよく飲みに来ている。

「ココアとブラックコーヒー1つずつお願いします」

  光の注文に店員は「かしこまりました」と言って、僕らの席から離れていった。

「これからどうなるのかな」

「何が?」

「高校生活だよ、高校生活。高校生になったら恋してみたいと思ったんだ」

「ふーん」

「なんで興味ないの?」

「ぶっちゃけ言ってどうでもいいし」

「私、泣いちゃうよ」

  どうでもいい話をしていると注文していたブラックコーヒーとココアが来た。

「よくブラックコーヒーを飲めるよね」

  そう言って光は僕をずっと見てきた。

「飲まないと冷めるよ」

「いいよ、熱いの嫌だし」

「猫舌なんだ」

「猫舌じゃないもん!」

  そう言って光はココアを飲み始めた。どうやら本当に猫舌らしく、一口飲んでからずっとふーふーとココアを冷ましていた。

「月影ってさ、好きな人とかいるの?」

「いない」

  そんな光の唐突の質問に僕は即答した。

「そうなんだ」

  そう言って光はココアを見ていた。


  カフェから出て僕らはゲームセンターに来た。

「クレーンゲームしてきていい?」

「勝手にどーぞ」

  そう言って僕らはクレーンゲームをすることになった。

「失敗した~」

  そう言って光は百円玉を次々と入れていく。

「難しい~」

  そう言うのも無理もない。10回連続で取れていないのだから。

「月影、交代。あのぬいぐるみを取って」

  そう言って僕は光に変わってクレーンゲームをすることになった。クレーンゲームは得意な方だ。なぜなら貴重な僕のお金を無駄にしないというケチ心でいつもしているからだ。

  僕は百円玉を入れてクレーンゲームに挑んだ。

「よしやるぞー」

  そう言って僕はクレーンを動かし始めた。

  結果は取ることができた。取れたぬいぐるみは光にあげた。よっぽど欲しかったのか、そのぬいぐるみに抱きついていた。それは幼稚園児のようだった。

「月影、ありがとう」

  そう光は言って僕らはゲームセンターから出た。


  家に帰ってきた僕は夜ごはんを食べていた。しかし、どうしても気になることがある。


 ……


「なんで光がいるの?」

「親から許可もらっているから大丈夫」

「何かの拷問かな?」

「おいコラ」

  そう言ってどうでもいい会話をしていた。すると僕は光の隣に僕がクレーンゲームで取ったぬいぐるみが置いてあったことに気づいた。

「ぬいぐるみまで持って来たんだ」

「うん。このぬいぐるみは一生大切にするんだ」

  そう言って笑顔で光はごはんを食べていた。

「光ってさ、子供の頃から変わってないね。特に知能が」

「失礼ね、これでも5教科で二百点取れるんだよ」

「僕は四百点だけどね」

「むー」

「どうやったらそんな得点出せるの?」

「授業を普通に受けたらわかる問題だろ」

  光は授業中は寝るか話しているかの2つしかなかった。

「今何時?」

  そう聞かれ、僕はスマホを見た。時刻は20時、帰ってほしいがまだ光は食べ終わっていない。

「はやく食べろ」

  光は少し食べるペースを上げた。その後はすぐに家に帰ってもらった。

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