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日向の道を歩けない少年  作者: 霜月龍太郎
第四章 僕と光の関係
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光と2人で仲直り

  「月影くん、光。俺と母さんで京都を回ってくるから時間になったらこの場所に集合な」

  そう言って洋介さんは優香さんと一緒に京都を満喫しに行った。

「僕らも歩こうよ」

  僕がそう言うと光は頷き、歩き始めた。


  何分経っただろう?僕と光の会話は無。話すことなく時間が経っていった。

「あー楽しかった」

  約束の場所に洋介さんと優香さんがやって来た。

「それじゃあ旅館に行くか」


  という訳で旅館に来たのだが、布団の数と部屋の狭さの事情により2人で一部屋となった。

「それじゃあ、俺と母さん、光と月影でいっか」

  その意見に賛成する優香さん。言い返さない光。僕が反対意見を言う前に部屋に向かった洋介さん。どうしてこうなった?


  結局、僕は光と同じ部屋になった。男女で分ければいいのに。

「いい眺めだね」

  光はそう呟いた。

「そうだね」

  僕はそう返事した。


  露天風呂から出てきた僕はみんなの待つ、食堂に来ていた。

「月影くん、こっちこっち」

  優香さんが僕を呼んでくれた。

  僕たちはそうしてみんなで晩ごはんを食べた。


  部屋に戻ってきた僕と光は布団を敷いていた。

「もう少し離しておく?」

  僕がそう質問すると光は

「うん」

 となんだか悲しそうな声で言った。

  時刻は22時。眠たくなったので僕は寝ることにした。

「先に寝るぞ」

  僕はそう言って寝た。


  真っ暗な旅館で僕は何かに服を握られていた。誰が握っているのかはわかっていた。光だろう。

  光だとわかった理由はその服を握っている人は泣いていたからだ。

  振り向いてみるとやはり光だった。しかも泣いていた。

「あ、その」

  光は戸惑っていた。

「ごめん。迷惑だったよね。()()()()、そして今も」

「あの時って?」

「覚えて、ないの?」

  あの時っていつのことだろう?

「夏休みの途中、私は月影に私たちの関係を確かめたでしょ」

「あの時がどうしたの?」

「本当は私のことが鬱陶しかったんでしょう。あの日から私たちは話さなくなったんでしょ」

  なんだ、そんな理由で光は僕と話さなかったんだな。

「それは違う。僕はただあの時少しアクシデントが起きたから」

  すると光は驚きながらこう言った。

「そういう理由だったの⁉︎」

「え?あ、うん」

  すると光は僕の布団に入ってきた。

「ちょっ、暑いんだけど」

「よかった~」

「話聞いてるか?」

  今までの関係の方がよっぽど楽だったと思った。なぜならこと体勢で1時間寝れなかったからだ。


  午前9時。僕たちは昨日のように分かれて行動することになった。

「行こうか、優香」

「はい、あなた」

  2人に一体何があった?

「私たちの関係が元に戻ると引き換えにあの2人が変になってない?」

  光はそう僕に言ったが何とも言えない。見たまんまで説明しようか。

  僕たちの目の前でいい大人がラブラブしている。幻覚だと信じたいが、2人の頭にハートが出てきている。

  2人はそのままどこかへ行ってしまった。

「自分の親だと思うと恥ずかしいな」

「そ、そうだろうね」

  そう言って僕たちは歩き始めた。


  僕たちはお土産を買いに来ていた。

「可愛い~。ね、月影。これだったら翔子は喜ぶかな?」

  相変わらず元気なやつだなと思った。

  僕はキーホルダーを1つ買った。これは僕の唯一の友だちの宗輔にあげるものだ。

「よし、これにしよう!」

  どうやら光も買うようだ。


  僕らは近くの団子屋で団子を食べていた。

「美味しい~」

「もう秋か。何だか早いな~」

「つい最近、入学したばかりなのにね」

  後は冬を待つだけ。そう思うと何だか悲しい感じだとなぜか僕は思った。何もすることなく過ごした約1年。そう思うと僕の今日までの時間は悲しいものだなと思えてしまう。

「もう紅葉が咲いてるね」

「拾ってしおりにでもしようかな」

「それいいね、やろうよ月影」

  ということで僕たちは紅葉を拾いに山へと入っていった。


  本に紅葉を挟み、僕らは集合場所に来た。

「京都、楽しかったわね」

「そうだな、優香」

  まだやってると思う僕と光。

「それじゃあ帰ろうか」

  そう洋介さんが言ったので僕たちは車に乗り、家へと帰った。

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