4人で旅行に行こう!
「月影くん、次の休日に京都に行こう!」
「いきなりどうしたんですか?洋介さん」
僕はいつも通りバイトをしていると洋介さんがそう言った。
「いや。京都に行って日本の歴史を学びに行きたいんだ」
それって僕が行く理由ってあるのかな?
「どうせ3連休だから2日ぐらいいいだろ」
「別にいいですけどなぜ2日間なんですか?」
すると洋介さんは喜びながらこう言った。
「和の文化を学べて、旅館にも泊まれたら最高だろ。何より月影くんに背中を洗ってもらえるし」
僕はこの部屋のドアに向かって歩き始めた。
「ごめん、冗談だから帰ってきてくれ」
「ま、別に背中を洗うぐらいはいいですけど」
「あ、それはいいんだね」
僕はバイトをしながら、旅行のことを聞いた。
この日、僕は久しぶりに夢をみた。
「またここか」
見覚えがある場所だった。周りは真っ白。僕の父と名乗る、和馬と話す時に来るところだな。
「君と話すのは久しぶりだな」
知っている。この声は
「和馬!」
「やれやれ、君は礼儀というものはないのかな」
「黙れ!」
「君は日向を歩けないことを知らないわけでもないだろうな」
「どういう事だ」
僕は日向の道は歩ける。なぜなら登校中に歩いているからだ。
「そんなことも知らないのか」
和馬は何が言いたいんだ?前と態度も口調も違う。こいつの狙いわなんなんだ?
「人は幸せな道に立って歩いている。それが幸せ、即ち日向の道。誰もが生まれた時から立っている道。だが月影、お前は違う。前も言ったようにお前は幸せにはなれない。つまり日向の道を歩けない少年なんだよ」
和馬は僕に近づきながらそう言った。
「お前の目的はなんだ!」
僕がそう質問すると和馬はこう言った。
「俺の目的はただ1つ、お前が一度も幸せを感じないようにすることだ」
そう言って和馬はこの場を去った。
土曜日の朝、僕は福島家の家に来ていた。
「月影くん、準備はできたかな?」
「はい」
「京都に行ったらしたいことがいっぱいあるのよね~」
洋介さんと優香さんは朝からテンション高い状態だった。ただ、光はソファーの上でスマホで動画を観ていた。
京都は近いので車で行くことになった。僕の隣には光が座っていたが、僕は本を読んでいて、光はスマホを見ていた。
「2人は喧嘩でもしたのか?」
洋介さんは僕たちにそう質問した。
「喧嘩なんてしてませんよ。ただ今は本が読みたいだけで」
僕はそう言った。だが、光は表情1つ変えることもなく、スマホを見ていた。