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日向の道を歩けない少年  作者: 霜月龍太郎
第四章 僕と光の関係
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光との会話が少ない日常

  夏休みが終わり、僕らはまたいつも通りの日常が始まった。一部いつも通りではない事があるけど。

  僕はいつも通り早めに登校して自分の席で小説を読んでいた。

「月影くん、おはよう」

  小説を読んでる僕に平川さんは元気な声で挨拶をしてきた。それに対して僕は一礼して軽い挨拶をした。

「今日は3人で来れなかったね」

  平川さんはそう言うが僕と光は何も言わなかった。


  放課後になり僕は近くのコンビニであんぱんとおにぎりを2つずつ買って駅前に座って食べていた。

  説明していなかったが高校から駅は徒歩で5分ぐらいで行ける距離である。その為、電車通学の人も多い。ま、そんな事は今はどうでもいい事だが。

「お前、平川さんや光さんとよく一緒にいるやつだよな」

「すみません。人違いだと思います」

  僕は話しかけられた不良にそう言った。

「お前があの2人とどんな関係かは知らないけど、もし仲が良ければ俺のことを紹介してくれよ。

  これ、光さんへのラブレターだ。ちゃんと渡してくれよ」

「あ、ついでにこれを翔子さんに渡しといてくれ」

  そう言われて、僕は2人のラブレターを渡された。


  朝になり、僕はいつも通り早めに登校。もちろん今日も1人だ。

「おはよう、月影くん」

  昨日のように挨拶をしてくれる平川さん。一礼をする僕。何もしない光。

  僕たち3人しか居なかったので昨日もらったラブレターを2人に渡した。

「昨日、渡された」

「そう。ありがとうね」

  平川さんはそう言った。その後に光も

「ありがとう」

 と言った。

  恐らく光と話すのは夏休み以来だろう。ただ、僕は話せなかったけど。


  放課後、僕は昨日と同じようにコンビニであんぱんとおにぎりを買って近くの駅前にあるベンチに座り、おにぎりを食べていた。

「ちくしょー!」

  昨日の不良かな?すごく怒っていた。

「兄貴、俺も振られた。こんなの気に食わね~」

「最もだ!おい!昨日の奴はどこだ!」

  そう言って怒鳴っている不良は僕を探し始めた。

  僕は早めにここから離れて、バイト先へ向かった。

「おいそこのお前。昨日の奴だよな」

  こんな時に運悪く僕はみつかってしまった。

「何か用ですか?」

「俺たちは今イライラしてんだ」

「昨日のラブレターの返事がごめんなさいと書かれてたんだよ!」

  それは可哀想に。けどそれに関して僕に何か関連したことはあるのだろうか?

「お前は光さんと翔子さんと仲が良いよな」

「そんなお前が妬ましい」

  そんなに妬ましいなら僕と立場を替わってほしい。

「お前が妬ましすぎてムカつくんだよ!」

  逆恨みもこんなに清々しくなるなんて、平川さんたちの影響力はスゲーな。

  不良の2人は拳を構えて僕に殴りかかってきた。僕も勿論応戦した。ただ暴力は一度も使わない、避けるだけの応戦。

「何だこいつ!俺たちの攻撃を全てかわしてやがる」

「なめんな!」

  そう言って不良たちは僕を挟んで殴りかかってきた。

  通行人の悲鳴が聞こえたが残念ながら一瞬で静まった。

  僕が何をしたかって?僕は2人の手首を一瞬で掴んで2人の顔に当てただけだよ。静かになったのは圧倒的に強そうな不良が倒れて、いかにも弱そうな僕が立っているからだ。

「お前、覚えとけよ!」

  そう言って不良の2人はこの場から去っていった。2人が去った後に1人の女性がやって来た。

「ありがとうございます。あの不良たちはよく駅前のベンチで迷惑をかけていて困ってたんです。本当にありがとうございます」

  どうやらこの人は駅員さんらしい。ま、僕は特に自分の身を守っただけだけど。

  僕は昼ごはんを食べ終えて、バイト先へ向かった。

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