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日向の道を歩けない少年  作者: 霜月龍太郎
第三章 夏休みは楽しいですか?
14/32

小さい頃と今の光

  目が覚めた時はソファーの上で寝ていた。テレビがついていたので僕はテレビを見て時間を確かめようとした。

「おはよう、月影」

  テレビの方を見ると光が笑いながらそう言った。

「今何時?」

  僕がそう質問すると

「6時だよ」

 と光は答えた。

  しまった!晩ごはんを何も作っていない。すると焦って立ち上がった僕に光は

「夜ごはんなら、私が作ってるよ」

 と言った。

「光って料理できたっけ?」

「失礼ね。これでも一応できるんだよ」

  なら安心できる。もし料理ができなかったら僕のお腹は壊れてしまうからな。


  今日の夜ごはんはハンバーグだった。

「いただきまーす」

  僕と光は声を合わすかのように同時にそう言ってハンバーグを食べた。

「月影、美味しい?」

「美味しいぞ」

「良かった」

  光はそう言ってふぅと息を吐いた。

  正直なところ、特に特徴もなく、普通な味なため、美味しいのだ。

「月影ってさ、変わったよね」

「いきなりどーした?」

「いや、月影は小さい頃は一緒に寝たり、テレビ見たり、遊んだりしてたのに小学3年から全くと言っていいほど関わってくれなくなったからさ」

  僕は変わったのかもしれないけどお前は変わらなさ過ぎだけどな。

「けど全く関わらなかったらお前を家に入れたりしねーだろ」

「それもそーだね」

  そんな感じに昔話をしながら僕らは晩ごはんを食べていた。


  食器の片付けを終えた僕は小説を読んでいた。

  小説は良いもんだ。本の世界に入って自分の気持ちを落ち着かせることができるからな。

「次どーぞ」

  やっと光が出てきたようだ。

  僕は読んでいた小説にしおりを挟み、机の上に置いた。


  僕はもう寝ることにした。残念ながら一緒に寝ないといけないので布団を2つ出した。

「暑い」

  念の為一応言っておくが今は夏だ。一緒に寝たら暑苦しいだけだ。

「何年ぶりだろ。月影と一緒に寝るの」

  呑気なやつだな。そう思いながら寝る僕だった。


「月影、怖いよ」

「大丈夫、僕が一緒に寝てあげるから」

「ほんと!」

  これは僕と光が幼稚園児の頃の話だろうか?そういえば僕と光はいつも一緒に寝てたっけな。今もあの時と変わらないけど(強制)。

「月影、腕掴んでいい?」

「いいよ」

  この頃から光は全く変わらないな。

「私、月影の事、だーいすき!」

  寝てる僕にそんなこと言ってたんだ。ちょっと驚きだな。正直今の僕だと引いてるな。

「月影。ずっと私のそばに居てね」

  そう寝言を言う光。コイツはいつも寝言を言ってるな。


  もうそろそろ起きる時間か。すると光は目を覚まして昔の僕の顔をツンツンしていた。何やってんだよと思った。

「うーん」

  昔の僕がそう言って光の方を向いた。寝てるけどな。

「月影、起きて、月影」

  そう言う光。起き上がる僕。

  後に全員起きて布団をたたんでいた。


「月影、お願い起きて。月影、お願い」

  目を覚ますと光が泣いていた。

「どうしたんだよ」

「と、トイレに、ついてきて」

  ダメだこりゃ。幼稚園児の頃と何1つ変わってない。


  部屋に戻ってきた僕は再び寝た。寝づらかったため、すぐには寝れなかったけど。

「月影はどんな時でも私と一緒に居てくれる?」

  時と場合による、と言いたいところだが泣かれたらまた寝れないので僕は一応「うん」と答えた。

「よかった」

  光はそう小声で呟いて眠った。

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