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ゼッッックゥートゥーの諸君!

「まったくなんなんだこの焼豚は。これだから日本人はイッちゃってるよ、未来に生きてる」


「そんな化け物扱いしなくてもいいのに……。流石に傷付くでござる」


「あれだけ銃弾を食らって死んで生き返るのは十分化け物だと思うぞ」


吾が輩が黄泉還ったなんて、ギャグ漫画でいえぼ次のコマには倒壊した建物が直ってる程度の話でござる。そんなに驚くことじゃない。


「我々は腐った政府を排除しこの国を正しい国へと変えねばならんのだ!それをこんなダンゴムシみたいなヤツに邪魔されるとは!」


「だぁーれがダンゴムシでござるか!いい加減バカやってないで投降するでござる。時間が経てば経つほど警察の数は増えるし、その内軍だって投入される。そうなれば射殺されておしまいでござろう」


「我々には君達人質がいる。そんな簡単にはいかんな」


「ならば敢えて言わせてもらおう、クズであると!!!!」


「なに?!」


「暴力を働いて国がどうにかなるワケないでござる。おっちゃん達のその下らない妄執のためになんの関係もない観光客を人質に取る。これがクズの所業でなくてなんだというのでござるか!」


大人のエゴは過ち、そしてその過ちを修正できるのは大人の特権でござる。吾が輩もあと二年で成人。いつか特権を使うときが来るでござる。


「言わせておけば…!」


「ふんっ!」


「ぁぐあっ!」


まずは鳩尾に掌底を一発。


「吾が輩は拳を作らないでござる、直接自分の手で人を殺めることもないでござる。例外もあるけど」


「何を…綺麗事をっ…!」


「綺麗事だろうがなんだろうが、それが吾が輩の誓いでござる。守るための『武』。間違っても自動小銃そんなもので国を良くしようなどと考えないでござる」


「子どもの分際でぇ!」


「たとえ吾が輩が子どもの分際だったとしても!守らなきゃいけないものくらい分かってるでござる!!!せええいっ!」


「あがっ!!」


顎に回し蹴りをお見舞いする。頭を揺らし、立っていられなくすればこっちのもんでござる。


「頭領!このクソガキ!」


「おや、安全装置セーフティ、切り替えてないでござる」


「えっ? どこどこ?」


「ほらここでござる、ハァッ!」


「うっ!」


素人でござる。ついさっきフルオートでマガジン一本使ったばかりだというのにこんな手に引っ掛かるとは。


「くっ、クソ!こうなれば人質を盾にして……、いないっギャアアアアア!!!」


「姉上直伝アイアンクロー。どうでござるか?頭蓋骨が軋む音は実に心地いいでござろう? ほーれギシギシ」


「ああああアアアア!!!ん!」


「なっ、仲間を放せ!放さないと撃つぞ!」


「分かった、受け取るでござる。ぬあぁ!」


「ギャッ!」


「あ、あ、あ…、ああああああああああああああああ!!!!!!」


やり過ぎたか。犯人グループの一人が錯乱したのか、小銃を乱射し始めた。


「おっちゃん達の勝手に付き合わされている人質の人達はもっと恐い思いをしているでござる。吾が輩の後ろに立たされた人達なんかおっちゃん達の何倍もの恐怖だったはず。えやぁ!」


「があっ!」


まだ五人か。あと二十五人…。


「坊主」


「!」


「これ持ってきな」


丸腰の吾が輩を気遣ってか、一人のご老人が杖を差し出してくれた。


「ありがとうございます」


ぺろっ、これは亀甲竹……!※時代劇の水戸黄門が持ってた杖に使われていた竹。


「おっちゃん達はここにいる人数が全てでござる。全員お縄に着くがいい!懲らしめてやるでござる!!!」


「なっ、何故人数のことを!」


「いやさっき30人の30発(マガジン一本あたり)で900発全員で撃つって言ってたでござるじゃん? つまりここにいる30人で全員なんでそ?」


「あらぁー?!」


「ゼッッックゥートゥーの諸君!君達の作戦など、まるまるっとお見通しだったのだよ!」


「なんなんだゼッッックゥートゥーって」


「ぬぅん!」


「ぐはあ!」


「ぬぅうううううあ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!ずああ! ふんふんふんふんふんふんふんッ!ハァァァッ、ウェイッッッ!!!」


「ぐべえ!」


「あだぁ!」


「うげぇ!」


「戦いの神(笑)」


(ボクは暇だなあ…)

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