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癒やし系幼なじみがイイ

ゴロゴロ


「カバちゃん、ゲーム飽きたー」


「誰がオカマちゃんでござるか」


「そのカバちゃんじゃなーい」


特に連絡もないし、熱い放置プレイを食らっているロリッ子と吾が輩。ベッドでゴロゴロするばかり。ロリッ子はキャリーバッグに入れておいたVitaちゃんを貸すと最初こそ飛びついたがすぐに放り投げたでござる。


「とぅーまーんーなーうぃー」


「あーもう、抱きつくのやめるでござる」


「いい抱き枕ー」


なんだかもう一人妹が増えたような感じでござる。スーさんは妹君より幼い。ぱっと見で小学生四年生くらいでござるか。


「お兄さんなんかないのー?」


「マッサージくらいなら……ってやってもらいたいのは吾が輩でござる」


「じゃーマッサージしてー」


適当に背中をモミモミ。


「あんっ、くすぐったいよー。でもキモチイイーから足も足も」


「はいはい……、それにしても暇でござる」


しかしここは一流ホテルのロイヤルスイート。テレビもあるし公衆無線LANがあるしジムもあるしプールもあるし。筋肉痛の体では着替えるのもめんどくさいからスマホでも弄ってるでござる。待てよ? ルームサービスでマッサージ呼ぶとかあるでござる?


「暇なら外いこーよー」


「明日は動くと思うからそれまで我慢でござる」


「明日?」


「吾輩的には珍獣調査はついでの用事で、本来の目的は決闘でござる」


「決闘?! 決闘するの?! いつどこで誰と?!」


決闘と聞くやいなや、目をキラキラと輝かせて詰め寄ってくる褐色幼女。いや待てよ、小学四年生くらいじゃもう幼女とは呼べないのでは?


「おおう、ずいぶん食いつくでござるな。この国の一番偉い人の息子さんでござる」


そう、決闘でござる。四神剣を返せって騒いでるとか騒いでないとか。


「なんでも吾が輩達が神剣持ってるのが気に食わないとかなんとか」


「へぇーえ」


「そういえばスーさんがヘヴンズ・ミスということは、四神剣の玄武はスーさんが持ってるということでござるか?」


「そーだよ、ボクのハンマーだよ」


いやそれ剣じゃねーし、でござる。


「……剣じゃないでござる?」


「お兄さんって剣持ってからどのくらい経つの?」


「まだ一ヶ月かそのくらいでござる」


「あー、じゃあまだかなー」


まだ?まだとは何が?


「ボクがお城に閉じ込められる一番の原因がそれだったんだけど、玄ちゃん喋るんだよねー」


「ウェ?」


え?いやいやいやいやいやいやいやいや?え?まさか寂しさのあまりそこまで心を病んでいたとはなんと可哀想な!


「なんか盛大な勘違いしてるみたいだけど、ボクの気がヘンになったとかそういうことじゃないよ?」


「いやだって、スーさんの武器はハンマーで剣じゃないし、剣喋らないし」


そりゃー剣相手にぶつぶつ喋ってたら変態でござる。ご両親も心配するでござる。


「仲良くなったら好きなように形とか変えてくれるよ?」


そんなん神剣無茶苦茶ですがな奥さん。形変えるどころかそれじゃ別物ですやん。


「シオンねーちゃんとバトッたって聞いたからてっきり知ってると思ったんだけど…」


そういえばシオンさんのあの白い爪をサラリーマン魔術師が『白虎』って言ってたでござる。テンパってて全然頭に入ってなかったでござる。じゃあ元は普通の剣で仲良くなったら……って剣と仲良くなるってなんぞ?


「じゃあ吾が輩も青龍と仲良くなったら喋れる可能性が微レ存?」


「そうだねー。どんな風になって欲しいか今のうちに考えておいたら?」


吾が輩の周りにはよわい何百年の化け狐、色ボケの年上お姉さん、陰の薄い受付嬢、狙い打つヤンキー皇女、先輩の黒髪ツインテ美少女、燃え盛るヤンデレJK、氷結のツンデレ歌姫、元軍人黒髪ロングストレート秘書、ボクッ子な褐色怪力幼女、まるでダメな母上、チートヤンキー姉上、ポンコツJC妹君がいるでござる。


「つまり癒し系幼馴染みがイイでござる」


「ごめん、ちょっとよく分かんない」

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