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私のこころに火を着けて

「やべえ死んじゃった(笑)どうしよ(笑)」


「(笑)じゃないのよねぇ」


まさか死ぬとは思ってなかったでござる。いや本当にwwww


「なんかこう、ね? 別にそんなつもりじゃなかったのにっていう?」


「そうなんでござる。あそこはやっぱ主人公としてね? いかなきゃいけないと言いますか、そこ映えるよねっていう」


「で気付いたらなんか大変なことになっていたと」


そう。今の吾輩は客間の和室に寝かされていて顔に白い布を掛けられています。


「これ蘇ったら絶対もう一回ブッ殺されるわよねぇ」


「というか蘇っちゃいけないパティーンwww」


「お前さ、なんで空気読めねえのみたいなぁ?」


ダリアたんが自分の気持ちにケリを着けてついにヒーローとして、ヒーローと呼ぶべき姿になったとき。力尽きて倒れそうになった時に思わず助けに入ってしまった。そのまま抱きかかえて帰り自分の部屋のベッドに寝かせた。そこまでは良かったんだけど。


「あっれっほっど!っ 変身しちゃダメよって言ったのにするんだから」


「左腕がポロってwww」


「抱きしめたところまでは良いシーンだったんだけどねぇ」


「ポロっていうかゴトっていうか」


「しかもお尻触ってるしぃ?」


そりゃね? お胸が当たる感触とお尻の感触は素晴らしいといいますからなんといいますか。


「上手い具合に変身が解けたっていうのもあるんでござる」


「上手い具合にぃwww」


「普通は抱きしめたら相手の背中とか肩に手が回ると思うんだけどwww」


「そりゃもう、ねぇ? こういう主人公でごさるからして」


「ひどいwww」


「気を失って倒れた女の子を抱きしめてお尻」


ダリアたんはね、お嬢様だけど実はこうスタイルはいいけど胴も少し長い感じでね? そこがまたそそられるんですよ。スレンダーで貧乳な人の腰の付け根から鎖骨あたりまでの艶かしさっていうのはやっぱりスレンダーな人にしか持ち得ない美しさがあってですね、決して巨乳の人には無い曲線を持っているんでござる。巨乳が故にそのラインが隠されちゃってるワケですよ。ただ少し胴が長いことによって隠れているラインに隙が出来て腰の付け根から鎖骨をちょっと覗けるくらいのこう、下から上を見る上目遣い的なポイントを持ちつつ手のひらを充実させる乳を、っていう艶かしい曲線を描きつつ豊かさを持っている人のお尻から腰つきまでの僅かな間にまたスレンダーや巨乳に極振りしてる人には無い色気を持つという奇跡が起きているワケでして。


「長いwww」


「なんていうかこう曲線に艶かしさを感じることが多いのねぇ」


「2009年あたりのピナレロのエロさは至高」


「聞いてないwww」


問題はここからでござる。あるべき居るべき器である肉体が崩壊したことによって吾輩は一般的に言う死んでしまったでござる。一般的にってわざわざ言うのは今の吾輩の体が普通ではないから。無理に変身したことによって祟ったのか肉体そのものが結晶化してついに崩れてしまった。そして時間が経つにつれて左腕以外も少しずつ崩れ始めている。


「さんざん人に偉そうなこと言って戦ってきた奴がこんな末路じゃ馬鹿にされても言い返せないでござる」


「そんなことないわよぅ」


「あなたと同化したことであなたのことを知った者としてそこは言い返させてもらうわよ。あなたは本当によく頑張ったし今までよく崩壊しないでここまでやってこれたわ」


「未来への続く道も力も渡して守れる救えるものを必死にやってきたのよぅ」


なずなたん’sはそう言うけど、目の前で一番守りたかった人を泣かせていたら意味が無いでござる。


「妹君には吾輩からちゃんと話したかったのにその前に死んでしまうとは…。情けない」


「でここからが一番まずいwww」


「あのエセ関西弁の貴方の同僚が『コイツ甦るかもよ?』とか言っちゃうからぁwww」






『……、ん? コイツ死んでへん』



『よし甦らせてボコろう』





「あんバカちんがぁ!」


せっかく分けて渡した吾輩の力を戻すってどう言うことなのぉ?!


「まあ可能性はなきにしもあらずと言いますか」


「しかし…、肉体が結晶化した状態は死んだも同然というか、普通の人間でいうところでは心臓が止まっていればそれは死んでいる、もしくは植物人間と同義」


二人が語る間にも崩れていく体。


「先生には病院でも言われていたことでござる、最近思うように体が動かない理由を。でも分かってて変身したんだからそりゃ吾輩の責任でござる」


「見なさい、ここぞとばかりにあのバカ女が攻めてきてるわよぅ」


瞬きをすると映る宇宙空間。星空が一厘に敵の数が九分九厘。もはやどこに隙間があろうかという数のクリーチャーが地球を囲い込み太陽の光さえも遮って、昼間の筈なのに街は夜を迎えていた。


「皆大好き渋谷の交差点」


「あのバカ、全部バラそうとしてるわね」


『皆さん聞いてください』


突然の暗闇に唯一光るアラウンドビューモニターが一人の少女を映し出す。








その昔、私はある人を好きになりました。ずっと好きでした。ずっとずっと彼と幸せになることばかり考えていました。今で言う妄想だと思います。それほど彼のことが好きだったんです。今でも好きです。今でも夢に見るくらいです。って言ってもそんな凄い夢じゃないんです。大きな部屋で、大きなベッドで、二人きりで抱き合ってるだけなんです。ほかになにもいらなかったんです。私は。私は、二人だけでいられたらそれで良かったんです。


私は臆病です。臆病が故にその気持ちを彼に打ち明けることができないでいました。胸に気持ちを秘めたまま時間が経ちました。その間に、私の知らない内に彼は変わっていました。彼は私とは違う人を好きになっていたんです。そして彼はその違う人と一緒になることを選んでいました。私と彼は先輩と後輩という関係から変わっていませんでした。その知らない内にも私の気持ちは膨らんでいく一方でした。でもそれは一方的な気持ちでした。私は彼の気持ちを考えていなかったんです。迷惑な片思いと言われたらそれまでかもしれません。それでも私は彼のことが好きだったんです。今でも彼のことが好きです。


やがて彼は私とは違う存在になってしまいました。私との記憶は失くして昔の記憶も失くしてただひたすらにただ一つのことだけを受け継いで、それだけのためだけに生まれ変わって。彼は傷つきながらもまた一度、また一度と生まれ変わって。もう私の知る彼では無くなっていたのです。それでも彼の魂は変わらず彼のままでした。ますます私は彼に心惹かれていきました。そんな彼の世界に私はいませんでした。いなくなっていたんです。


私は悲しみました。想いこそ秘めていたけれど、彼に何にもしなかったワケじゃないんです。でもそれは彼にはまったく響いていなかったんです。私は思い切って彼に手紙を書きました。今までのこと、感じていたこと、私の気持ちのこと。でもそれはかえって彼を傷付けることになってしまいました。彼に自責の念を与えてしまったんです。彼は自分自身を責めて、責めて責めて責め抜いて、壊れてしまったんです。そんな彼を見て、私はなんでこんなことをしたんだろうと思いました。私が余計なことさえしなければ、こんな気持ちさえ抱かなければ、彼が傷つくことはなかったのに。そうです、私が彼を傷付けたんです。わたしがやったんです。私がやりました。もし今の彼におかしなところがあったら私のせいです。私の一方的な手紙のせいです。針のムシロに立たされてもその痛みすら遠のくほど私は自分を嫌いました。私はなんてことをしたんだと。


私はさっきも言った通り臆病です。残念ながら私には自害するほどの勇気がありませんでした。私の想いはただ彼を傷付けただけでした。それは私を自害に追い込むには十分でした。自分の好きな人を自分で傷付けたんです。自分で自分を傷付けるよりなお酷かった。そんなとき、彼に声を掛けようと近づいたとき。彼に言われたんです。私が声を掛けようとしていることに気が付いた彼は言いました。









『俺、結婚するんです!』








私は私の中で何かが割れて砕ける瞬間というものを初めて体験しました。そして、やってしまったんです。我に帰ったときは既に全てが終わった後でした。







『どうして! どうしてこんな酷いことを!』






私は幽閉され、彼とは遠いところに。やがて私はその頃のことを忘れるほど長い間仕事を与えられ、そしてまた彼を見つけた。私だけの彼が、私以外の誰かに笑顔を向けていました。



「私は苦しかった…。こんなに愛しているのに彼は知らない女と一緒になってたなんて。ですがこの世界で私と彼が一緒になることは叶いません。だから壊すんです、この世界を!」





彼女が叫ぶとあちこちから突然、いつかの孤島のクリーチャー達が出てきたでござる。ああ〜、なるほどね。こういうときのために用意してたのね。だからあんな実験してたのね。


「納得してる場合じゃないわよぅwww」


「あっ、瑠姫ちゃんが出てきた」


ぼろぼろと涙をこぼしながら腫れた真っ赤な目で叫んだ。逃げ惑う人々を押しのけてモニターの少女に向かって。


「この人殺し! お兄ちゃんを返してぇ!」


「ふん、この泥棒猫が。お前なんぞ彼に足る女じゃないわ。見なさい!」


と、ここで吾輩の死体!


「プライバシー!」


「私達の声は聞こえてないわよぅ」


「全裸ねぇ…、モザイクいる?」


召喚したのか何故か渋谷のど真ん中に吾輩の死体が現れた、全裸で。彼女が吾輩に片想いしてたのは知ってたし、だけど吾輩には妹君って好きな人がいたのも事実。今でこそ妹だけど、当時は大切な恋人だったでござる。


「お前を守るために彼はこんな姿になったのよ!」


「だからなに!」


「だからなに?! ふざけないで! 彼は私といればこんなことにはならなかったのに! いいわ! お前は私が直接殺してあげる!!!」



モニターが真っ暗になって、目の前に彼女が現れた。



「お前みたいな女がいるからいけないのよ! 彼の本当の姿も知らないくせに!」


「どんな姿でもお兄ちゃんはお兄ちゃんよ!」


「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい黙れ!!!! これが彼の本当の姿よ! これでも同じことが言えて!?」


と言うと同時に妖怪時代の吾輩に戻る! プライバシーの侵害!


「裁判でいくら掛かるでござる?」


「仮にも神さまやってる彼女に裁判って出来るぅ?」


「いえ出来ませんね」


「うおぅ?! 青龍たん!」


「いい加減たん付けやめて」


クリーチャー達が人々を襲うのをやめて、吾輩と妹君の前に突き出していく。妖怪だった頃の吾輩。あの頃は精霊とも呼ばれていたこともあった。あの時代はただ種族の違いしかなくて、本当に人間と仲良くしていられた平和な時代だったでござる。


「見なさい人間ども。彼はこんな姿よ、貴方達がヒーロー呼ばわりする八人目の本当の姿よ」


「あぁ〜、ここでバラしちゃうぅ?」


「ヤバいヤバいヤバい、何がヤバいってヤバいよヤバいよヤバいでござる」


「出川じゃあるまいし」


これはたぶん、本来の吾輩を見せて失望させたところをじゃあいらないよね!なら私がもらってくね!するためでござる。まさかこの時代の人達も自分が化け物に助けられてたなんて思わない。動揺して、現実だと認められなくて、否定して、そんな訳がないと言う。


「に、人間じゃないじゃないか…」


「うそ…」


ヤバいヤバいヤバいでござる。



「彼女の怨念がこんなになってるとは思わなかったでござる! 助けにいかなくちゃ!」


「いや死んでるからねぇ?」


「だいたい、今助けに行けたところであなたどうするつもりなんですか?」


え?


「もうあなたのことをヒーローだと思ってくれる人はいませんよ。なんてったって、今のこの状況は世界に繋がれていますからね。彼女、インターネットを通じて全ての放送という放送をハッキングしてますよ」


「だったとしても!」


「だいたい、助けられる身にもなったらどうですか? そこで死んでいればその先の人生に苦しまずにいられたのにわざわざ助けるだなんて。あなたの自己満足のために余計な苦労を背負う羽目になる人のこと、考えたことあるんですか?」


「自己満足か…、それは何度も考えたでこざる。もちろん自己満足で終わらなかったこともある。あなたのせいで今こんなことになっていると責められたことがある」


「ちょっと待ちなさいよぅ、助けられたその後なんて自分が」


「黙ってなさい!」


「ひぅ?!」


「吾輩は戦うことしか出来ない不器用な男でござる。アフターケアまでは出来ない。助けたはずなのに助けていない、そんな自己矛盾に悩まされた時もあった。でもね!」




やがて吾輩の亡骸が輝き出す。




「! 彼が生き返ろうとしているわ。なら今までの辛い記憶は消して私と二人っきりで幸せに過ごすの。誰もいない、誰の干渉も受けない永遠の時の流れの中で、私達二人っきりで過ごすの。そう、この世界には私達だけいればそれでいいのよ!」


「やだあ!!! お兄ちゃん!」


「死ね! 泥棒猫!」







「おおっとそうは問屋が卸さねえぜ」








「ロイヤルセブン…! このアバズレどもが! 所詮彼の愛人に過ぎないくせに!」


「愛人ちゃうわボケ」


「私はお財布だけどね」


「はーい私はマッサージ係でーす」


「いやいや係決まってないわよ? むしろ決めないで? 私に係とから決まらないからね?」


「私は殺」


「ファング!」


「はいはい今はヒーロー、ヒーロー」


「ボクは日本一周係かな?」


「私は妻です」


「ローズ、ここボケるところじゃないから」


あーもうめちゃくちゃでござる! いや、らしいと言えばらしいけど。


「せっかく高めてきたのにまったく無駄遣いだぜ」


「おのれぇ!」


「イキってんじゃないわよBBA」


「お父さんお母さんには後で謝るからいいの。もう戦わないと決めてたけど、それが愛する人のためなら私は私の道を違えても」


おかしいでござる。皆が皆金ピカに光ってるでござる。


「いや、貴方が渡したんですよね? あの力」


「いやー、渡してません」


「いや渡したわよねぇ?」


「いやいや7人揃ってもらってね? 吾輩の後をよろしくって意味で強くなるきっかけくらいの力しか渡してないでござる…」


「じゃああの子達は…」










「吾輩もそろそろ行かなきゃ」










「バッ、待ちなさい! 今戻ったら貴方が何言われるか分かってるの?!」


「誰かに何を言われようとも、なんてもう何度も考えたことでござる。そろそろ吾輩も吾輩の幸せを考えるときかもしれない」


吾輩はそう言って自分の体に向かって歩き出した。これから起こること、終わること。大きなこと、些細なこと。それらの一つ一つに目を向けて。人間として生きる限りやがて訪れる終わりを見つめて。自分のしてきたこと、これからすることが自分の自己満足に過ぎないとしても、諦めないで前を向いて歩いていく。この大切な思いを胸いっぱいに抱きしめて誓いを立てる。



「ぐおぉぉぉ!!! 重い重い重い!」


「BBAだけに年季が違うわね!」


「タケぇぇぇ! 武将ァァァァ!! はよはよはよはよ!」


「そんな無茶な」


「だいたい、タケくんが本当に甦るかどうかは本人次第だった…。本人が諦めてたら…」


「じゃあお前帰れよ」


「?!」


「やる気ねえならすっこんでろよ、いらねぇから」


「ちょっとシューティングスター! アンタこんな時に何言ってんの!」






「アタシは信じる! 信じてる! タケは必ず帰ってくる! 微塵も疑う余地は無え! アイツはアタシが作った朝飯を『美味い』って言ってくれた!! 白飯と味噌汁に三パック百円の納豆しか出せなかったけどな! アタシは嬉しかった! 何かをして褒められたことなんざ故郷じゃ一度も無かったのに、アイツは笑って言いがった! だから武将、帰ってこい! もう一回、もう一回、いや何度でも! 作ってやるから帰ってこい! そしたら今度は皆で食おうぜ…」









「リエッセさん…」


「そうねえ、私もいちいち一流のコックがどうたらなんて疲れるしねえ」


「ちょっとファントム、あんた日本人でしょう。日本食ぐらい出してあげてないの?」


「無理」


「即答したね」


「だって…、炊飯器に入れる水の量よく分からなくて適当に入れたらおかゆになってたし…。そう言うファングはどうなの?!」


「自炊したことないから無理。レーションじゃなけりゃ何でもヨシ」


「ボクはマッ」


「ダメだよスカイちゃんそういうのばっかり食べてちゃ。…私も自炊で日本食なんて作れたことないけど」


「このビッチどもがあああああ!!! 真面目にやれぇええええええー!!!!」










「おーっほっほっ!!!」










「?!」


「今度は何?!」


「でしたら私は全てにおいて一流…、ですわ! これでも武蔵野学園首席入学、以降首席の座を譲らす、武道においても並び立つ者無し、英才教育の賜物であり私の努力の結晶つまりトップオブトップ! それは家庭においても同じこと…。一般家庭から上流階級の全てを網羅し鍛え上げ、G7全ての家庭料理をもマスターした私に日本食は範疇!!! そしてこの鎧!!!!」


「てめえ金髪縦ドリル!」


「ダリアですわ!」


「なんで金色の力持ってるの?! 私達ですらさっきまで変な関西弁喋る奴にボコボコにされてようやく出せたのに! 平然と割って入ってきたわよ!」


「これがホントの金八…なんちゃって!」


「スカイちゃん、いくらわたしでも怒るよ?」


「それはもちろん【運命】ですわ! 武将様がこだわった拳…、本来の私の適性を無視して鍛え上げたこのガントレット…。拳を握るたびに腕ごと爆裂するから何度死ぬかと思ったことか」


「死んどけよ」


「私はそんな痛みもものともせず、押しのけて、極めましたの、この拳。たとえ武将様の正体がなんであれ、そんなものは容姿だけのこと。いただいた御恩、今こそお返しするとき!」








「もういいわ、全員死ねばいいの」






「?!」


「ぐ、ぐおおおおおお!!!?!」


「きゃ?!」


「やばい…、抑えきれない…!」


「瑠姫ちゃん、逃げて!」


「やだ! やだやだやだ! お兄ちゃんが死んじゃったら、皆が死んじゃったらやだ!」



8人もいて抑えきれない…だとう…?! このヤンデレBBA、中間管理職のくせに…! このままじゃタケの体まで粉々に…。ちくしょう、タケ、ごめんな…。こんな馬鹿やってんのも皆死ぬのが恐くてたまらねえだけなんだ。最後まで締まらねえよな…。アタシはお前の正体なんかどうでもよかったのに…。周りの野次馬どもなんで助けるんだってな顔してやがる。もうちょっと、もうちょっとアタシに力があれば全員ぶちのめしてやったのにな。


「あっはっはっは、見なさい人間ども! 化け物が化け物に助けられている様を! 人間を助けたのもどうせ自分達のためなのよ! 化け物が人間のフリして化け物を助けてる! 今自分の隣にいる人間も人間じゃないかもしれないわよねえ?! こんな奴らがいたらさあ!!!!」


もう…無









「それでも吾輩は人間だ!」

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