大切なものとはなにか スカイ・アルストロメリアの場合
ボクがにーちゃんに会ったのは実を言うとほんの数年前の、物心つくかつかないかの頃でした。当時のボクは地下の牢屋に閉じ込められ、誰との会話も許されず、誰とも触れ合うことがありませんでした。
(いったいボクが何をしたっていうんだ…)
日本で言うとまだ年長組とかそんな歳のあたり。重い枷を嵌められて鉄格子のある狭い牢屋。窓も灯りも無い真っ暗闇の中でぬいぐるみを抱いて毎日毎日うずくまっているだけの生活。数日に一度の食事。もう何日浴びてないか分からないシャワー。お風呂は記憶にある限り入った覚えは一度もない。お城の外にも出た事がない。着る物も着替える物も無い。薄汚れた裸のままで痩せ細っていた。
(なんでボクが…)
ボクは知らなかった。人とは違う事がこんなに罪だとは知らなかった。
「いやぁぁあああ! この化け物!」
お母さんの怯えた顔。人では無い何かに叫ぶ声。何が起きたのか信じられないボクの顔。化け物? ボクは化け物なの?
「こんなの! 私の子じゃ無いわ!! なんなのよ、これ!」
あの言葉を聞いてから牢屋に入ってしばらく経つまで我を忘れていた。怒り狂ってじゃなくて、ほとんど気を失っていたのかという状態。記憶がすっぽり抜け落ちている。我に帰った時はトイレに行きたくなったときだった。狭い牢屋の片隅にある穴。それがトイレだった。本当にただの穴だった。石造りの床に穴が空いているだけ。
「まさか…、あんなものが我が血筋から生まれようとは…」
ボクはトイレに行きたくなって自我を取り戻した時、初めて自分が何も着ていないことに気が付いた。頭はまるで付いてこなかった。なんで?どうして?ボクはトイレに行きたいの?なんで何も着てないの?ここはどこ?お父さんは?お母さんは?お兄ちゃんもお姉ちゃんもいない。それどころか灯りも無い。真っ暗い中で突然覚醒した意識はなおさらボクの異能力を研ぎ澄ますことになった。
「父上! なぜアレを今すぐに処分しないのですか!」
「焦るでない。今は病弱と発表しているが故、すぐに消すことは出来ん。しだいに症状が悪くなったとして死去したことになる。理解しろ、生まれたと知らせてしまった以上は不自然に殺すことは出来んのだ」
ボクの生まれた国は異能力者について忌み嫌う立場にありました。突然変異として扱われた異能力者は新人類などではなく、はみ出し者の化け物だと。人間ではないのだと。自然界からつまはじきにされた異端児。それがボクら異能力者の立場でした。そしてその多くが迫害を受けていました。どんな差別よりも特にあげつらって取り沙汰され、最もひどい差別を受けていました。
「国王陛下!」
「なんだこんなときに!」
事態が急転したのは国が存亡の危機に晒されたときでした。ボクの国は南米の中では約四分の一ほどを占める領地ですが、人の住める部分は山岳地帯を除く扇状地と平地のみでした。が、山岳地帯から発掘される鉱物は類稀なる希少な鉱物だったため、こと輸出入に関しては強気の姿勢を取れるまでに増長していたのです。そして当たり前のようにボクの国は狙われていたのです。政治、外交、地理的要因。様々な危険を孕んだ位置にとんでもない量を持っていたのです。当然、攻め落としても巨大なお釣りが来る。それどころか全て売り払ってしまえば全ての国民が三世代先まで遊んで暮らせる。
「国境侵犯です! 数、5万!」
「ついに本腰を入れてきおったか」
「どうせ歩兵と戦車隊がほとんどでしょう。地雷原で半分は消えるはずです」
「それが…」
「なんだ、まだ何かあるのかね」
「殿下のおっしゃる通り歩兵と戦車隊、それに加えて補給・医療部隊がほとんどなのですが、爆撃機による航空支援を得て地雷原をまるごと吹き飛ばして進軍しております」
この宣戦布告無しの開戦はボクも牢屋の中で知った。ボクの異能力で最も表面的なものが【無機物と会話できる】ことだったから、遠く離れたお城の地下でもありとあらゆるところから様々な情報が伝わってくる。それでもお父さんはまだ強気だった。希少な鉱物の加工技術はその一切が国家機密とされていて、輸出される物は全て加工されている物。たとえ山岳地帯を手に入れてもそのままでは使えない。
「なぜだ?! なぜ奴らは撤退せんのだ!」
敵国となった隣国はとてつもない物量を確保していました。というのもお父様が原因だったのです。国連からの再三の通告を無視し、領地から採掘される鉱物の全てを独占しぼったくりの値段で取引していたのです。不当な価格に釣り上げて不景気の一因となっても国際的立場が四面楚歌になってもがめつい商売を辞めないお父さんに対して、隣国は周辺国と連携を取り、国連軍の支援を得て、さらにボクの国にある山岳地帯の資源を解放する事を約束していたからです。圧倒的物量の前に大勢の被害を出しながら徹底抗戦を続けるお父さんにやがて国民も反発するようになり、もはや国が落ちるまで時間の問題となっていました。
「愚民どもが! 今までさんざん我らの恩恵を受けておきながら仇で返すか!」
追い詰められたお父さん、政府は国連軍と隣国軍に与する国民に対してまで発砲許可を出し皆殺しを厭わない命令を下したのです。このことを地下牢で周りの石や鉄、大気から伝え聞いたボクは勝手に開いた鉄格子の扉から飛び出し一気に玉座まで詰め寄り、お父さんの首を手にしていました。あと一瞬、もう少し遅かったらボクは実の父親を手に掛けるところでした。
「やめろ!」
ボクの手を掴んで制したその人は金色に輝く鎧を纏って現れたのです。痩せ細っている体とは思えない膂力の前に近衛兵はなす術なく倒れたというのに、その人はいとも簡単にボクを止めたのです。その人は太陽なのかと感じるほど暖かな光を放ちながら凄まじい力を持っていました。怯えて腰を抜かしたお母さんやお兄ちゃん、お姉ちゃん。ボクに1ミリも反応出来なかったお父さん。ボクを地下牢に閉じ込めただけでは飽き足らず、国民を犠牲にしてでも希少な鉱物の利益にしがみつく憎たらしい家族。手に掛けても後悔は無かった。
「この馬鹿野郎!」
ボクは殴られて吹き飛び、あっという間に取り囲まれてしまいました。
「自分の手を汚してそれで満足か!!!」
出で立ちにそぐわない露わにした怒り。安堵したお父さん達。ボクの怒りは膨れ上がる一方でした。こんなロクでもない奴ら生かしておいてなんになる。生かしておいた分だけ人が死ぬんだ。そう思っていたボクはその人を睨みつけて殴りかかろうとしたその時。
「おお、戦士よ! 救いに来てくれたのか! さあ、我らに仇なす全てを焼き払え!」
「残念ですが国王様。あなたを拘束、国連軍に引き渡すでござる」
「なに?!」
「御免!」
お父さんはまさかと思うほど壁に叩きつけられました。後で聞いたら壁にめり込んだのは殴った瞬間後ろの壁に回って破壊しておいたからだとか。人が殴られて壁にめり込むまでにほんの一瞬なのに、回り込んで演出までして何事もなかったように元の位置に戻ってるなんてそんな馬鹿な、と思ったけど、そうでなければお父さんが死んでいないことに説明が出来なかった。ボクはそのときあっけに取られました。ボクを止めたのに殴った?なんで?何が起きたの?どうして?
「吾輩は国連を通して武蔵野の依頼を受けたでござる。無血開城せよって話だったけど、キミの姿を見て気が変わったよ」
お父さん、政府は徹底してボクの存在を隠していた為なのかその人はボクのことを知らなかった。そしてお父さんを殺そうとしているボクを見て事を察した。幼い子どものボクに殺しをさせるくらいならその罪を自分が負う。そうして良かったと言っていました。
「家族のことは吾輩がきっと説得してみせるでござる。だからその拳は今はしまっておいて」
傍目には金色の戦士が国王を吹っ飛ばし、痩せ細った化け物に手を差し出した。そういう風に映っていたからか、戦闘は程なくして止み、ボクの国は落ちました。それからすぐに暫定政府が整えられ、ボクの家族は死刑を免れる代わりに今後一切政治に関わらないことを条件として隠居しました。驚くことにこの条件を飲ませた人物は金色の戦士でした。
「ふざけるな! 世界情勢に影響を与え世界恐慌を呼ぶ一因になり、あまつさえ自国民に銃を向けさせた戦争犯罪者を生かしておけだと?!」
「もしどうしても駄目だと言うなら吾輩が相手になります。そのときは資源のみならず全てを犠牲にするお覚悟を頂戴するでごさる」
「くっ…」
話し合いの場に連れてこられたボクは驚きと絶望の連続でした。どこまでもボクの国を庇おうとするその人と、戦争終結までにどれだけ犠牲を出したことに。殺したから憎まれて、殺されたから殺して、殺して憎まれたからまた殺して。死体の上にある平和は本当に平和と呼んでいいものかボクには分かりませんでした。お父さんの首を引きちぎって戦場に晒してやればもう誰も死ななくていい、殺さなくていい、撃たなくていい、家族を犠牲にしてでも終わらせる。そのはずだったのに。圧倒的な力でねじ伏せてもそれはまた軋轢を生む。争いの種になる。ましてや、化け物と後ろ指差されるボクがいたら皆ボクのことを恐がる。だから殺したがる。あまりにも自分達とかけ離れた存在を見たとき人は被害妄想にも似た不安に駆られる。しかしその人は人々を恐怖に陥れるほどの力を持っていて、力でねじ伏せていて、それでもなお話し合いをやめなかったのです。
「この力はもうすぐ手放します。だから出来るだけ話し合いで解決する力を持って欲しいでござる。これからの時代、必要な力は話し合いで解決する力です。決して誰かを不幸にする力ではないのです」
「ロイヤルセブンが崩れ去った今、そなたまでいなくなったら世界は混迷を極めるぞ」
その人は寂しそうに笑いました。自分で人を不幸にすると言う力で誰かのために戦うその人が、もう戦わないと言うに等しいことを言い、それでは世界が成り立たないと言われる。
「本当は気が進まないけど、後進を育てているでござる。願わくば出番のないことを祈るけども…」
「この子もか…」
二人が目線をやった先にはボクが居ました。金色の戦士預かりとなって保護されたボクは人らしい人としての格好をさせられ、規則正しい生活に戻ったことでようやく落ち着いていました。周囲の無機物達も落ち着いていて金色の戦士の人に敵意を示さないことから、殺気立っていたボクの心や力は凪の海のように穏やかだったのです。そのボクが後進と言われて最初はなんのことか分かりませんでした。
「まずキミを殴ったことを謝るでござる。ごめんなさい」
話し合いが終わってお城に戻ったボクとその人は夕食の前にまた話をしていました。ボクは戸惑いを隠せませんでした。難しい言葉はそのとき分からなかったけれど、その人がボクに何かを期待していることはなんとなく感じていましたが、お城に戻ってもまだ奇異の目で見られているボクに何が期待できるのか。なぜ期待するのか、なぜ困った目でその人はボクを見るのか。
「知らない誰かを大事に思い、その心を大事にし、知らない誰かのためにお父さんやお母さんを…、と思えるその気持ち。それを本当に犠牲を出さずに誰かのために役立てられるとしたら、キミは戦ってくれるでござる?」
「…おじいちゃんみたい」
「は?」
おじいちゃんはボクの力を知っても優しかった。それどころか喜んでくれた。神様からの贈り物だから大切にしなさいと。お城と街は誰が見ても格差のある国の中で唯一義憤を燃やし、何も出来ない自分の無力さに泣いていたおじいちゃん。国民を貶めて栄華をむさぼる家族に苛立ちを隠せないボクに言葉を見つけられずにただ頷くだけだったおじいちゃん。お城の誰にも冷たくされるボクにたった一人ずっと一緒にいてくれて、お庭にも出してもらえないボクとずっと遊んでくれたおじいちゃん。最期は引き離されて失望の中で旅立ったおじいちゃん。そのことすらも目障りとお父さんに言われたおじいちゃん。そのおじいちゃんと同じことを言うその人。誰かのために怒ることができるその気持ちを大事に、と言う。
「おじいちゃんが大切な人を大事に思う気持ちも大切だけど、知らない誰かを大事に思うことも大切だって」
「良いおじいちゃんでござる」
その人はその時の感想を率直に言うなら迷っていました。腕組みをして、深く深く悩んでいました。巻き込みたくないのに巻き込まざるをえない、そんなような顔だったと未来の今ではそう思います。ボクよりも遥かに強くありながら誰よりも優しくあろうとし、誰も戦わせたくないと誰よりも強く願っている。
「皆が皆、自分の思う幸せのために戦っているでござる。ただ戦いに犠牲は付き物、どうしても犠牲が出てしまう。それは強い人も弱い人も、戦いたい人も戦いたくない人も。吾輩のやっていることは横槍で喧嘩両成敗なだけでなんの解決にもなってないかもしれない、それでもせめて戦いたくない人が戦わなくて済むようにしたい。でも吾輩はもうすぐ戦えない人になるでござる。だから吾輩の気持ちを引き継いでくれる人を探して育てているんだ」
その人は弱ったという顔をしてそう言いました。本当はこんなことしたくないのにとその表情は語っていました。
「実を言うと武蔵野からはむちゃくちゃ怒られたでござる。キミを見た瞬間、キミを救いたいと思った。キミのようにされた異能力者は星の数ほどいるから一目見れば分かる。だから助けた。けど星の数ほど助けてたら武蔵野でも面倒見きれなくなるし、事態がややこしくなったりするから。ま、キミが異能力者じゃなくても助けたけどね。そして助けておいて戦いの場に出そうとするなんて、吾輩は最低でござる」
その人は気持ちの上でもボクの遥か先を行っているように感じました。どれだけ強くても叶わないことがあると知っていてもなお抗おうとする。しかしそんな自分に他の誰かを巻き込みたくない。ついこの間出会ったばかりのボクを救い出して、異能力を持つが故の差別や戦いから遠ざけようとしていた。なんとなく、この人はほっといたら危ないのかなと思いました。なんでも一人で背負いこんでいるような気がして、いつか死んでしまうんじゃないかという気がして。一目見ただけで何の事情も関係なく救ってくれたこの人。
「ボクに出来ることある?」
それからボクは国を出ました。ボクは国を出る時国民の人達に揉みくちゃにされました。にーちゃんが全部喋っちゃったそうです。幼いボクが閉じ込められて痩せ細って、それでも家族を手に掛けてでも戦争を止めようとしたと。何よりまだそのときボクの身体が同じ年頃の女の子より一回り小さくて、顔も痩せてたからなおさら心配させちゃって。でもそのとき、家族の命より皆の命を取ったことがどれだけ酷なことなのか、ようやく理解しました。自分が何をしでかそうとしていたのかも、どれだけ自分がひどい姿だったのかも。泣かれながら泣きながら揉みくちゃにされて自分のしようとしたことが間違っていたことを身を持って以って知りました。家族にはさよならも言えないで国を出ました。言いたいことは沢山あったけど、断られてしまったんです。にーちゃんはちゃんと家族を説得してくれていたけど、そのせいか「もう会わない方がいい」「合わせられる顔が無い」と。
『あの子を化け物だと?! なら吾輩も化け物でござる!』
『あなたは世界を救っている! 自分の親すら殺そうとしたアイツとは違う! だがあなたも敵だった!』
『独りよがりにたくさんの人を傷つけ虐げ、自分の思う通りにならなければ正義じゃないと?! 世界を救っていたら親を殺しても救世主だとでも言うのか!』
『まさか…、貴様ァ!』
『ああそうさ! たった一人の妹のために殺したさ! ならどっちが正義か言ってみろ! 実の娘を手に掛ける親と、実の親に殺されそうな妹と! 見殺しにしそうだった吾輩と、見殺しにしないで親を殺した吾輩と! 吾輩は親と妹を天秤に掛けて妹を取ったんだ!』
『救世主様が親殺し…?』
『失望するなら勝手にすればいい。だけどな! 実の妹を自分達の独りよがりのために殺そうとしたあんた達と、吾輩と何が違う?!どう違う?! 何も違わないさ! 何かが違うとすればあんた達はあの子のことを羨み、妬み、知ろうとせず己との違いに恐怖心ばかり持った! 吾輩はどっちも大切だったけど親か、妹かどちらか選ばざるをえなかった。吾輩にとってどんなに人と違ってたって妹は世界でたった一人しかいないんだ』
『そんなの親だってそうだろう! 二人しかいない!』
『そう、どちらも世界に一人しかいないし代わりなんてどちらもいないでござる。同じ人間、同じ存在は二人といやしない。でもどちらか選ばなければどちらか失うし、妹を選んだら親を失ったし、親を選んだら妹を失っただろうし。あなた方はまだ選べる立場にいるでござる。己に利益が無ければ人との違いも受け入れない自分達か、親を殺してでも知らない誰かを助けたかったあの子か。よく考えろ。もし考えてもあの子を殺すと言うのなら吾輩を代わりに殺せ』
『どうしてそこまでして庇う?』
『たとえ吾輩がただの人間だったとしても、あの子は命を懸けて惜しくないでからござる』
「これから色んな出会いがあって色んな別れがあるだろうけど、それでもキミ1人になるようなことはしないから」
武蔵野に預けられて、にーちゃんに鍛えられて、四神剣の玄武の玄ちゃんと相棒になって、持ち前の無機物と意思疎通が出来る能力が一役買って、小学校に入って。ボクが武蔵野に預けられたときにはもう隠れ家サロンがあって、鍛錬が終わったらよく一緒にお風呂に入っては遊んで一緒にベッドで寝た。すっごく楽しかった。異能力の使い方、付き合い方、剣の使い方、身体の動かし方とかたくさん教えてもらった。あと日本語とかも。レイミとか他のロイヤルセブンのメンバーに話したらキレた。ボクは2年くらいにーちゃんと一緒にいたんだけど、皆は同じように助けられてお世話になってたけど、長くても一年くらいだったらしい。うえっへっへっへ。
にーちゃんは数年ぶりに再会したとき、本当に戦えない人になっていました。正確には戦えるけど、記憶は失くしてるし戦い方も素人だしぶっちゃけボクより弱かった。そんなにーちゃんがまた一人で戦って、力を付けて、抱え込んで苦しんでいる。何を隠しているのか分からないけど、成長した今のボクなら少しは役立てることがあると思う。残念ながらにーちゃんの願う僕らの出番が来ませんように、は叶わなかったけど。だからこそ、今だからこそ、あの時ボクを救い出してくれたお礼が出来るんじゃないかなと思う。戦争を止めてくれて、家族を説得してくれて、ボクを助け出してくれたお礼がまだなんだ。
だから…、また一緒に遊んでくれるよね? にーちゃん。