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おめでとう!

「くそっ! くそっ! くそっ! なんでお前みたいなヤツばっかり! こんなはずじゃない! こんなはずじゃなかったんだ…!!!」


「世の中誰しもこんなはずじゃなかったなんてことはたくさんある。…吾が輩の正体知ってるみたいだけど、そんなことを言うんじゃ吾輩のことも外面しか見てないんでござる」


手加減はしたから大した怪我にはなってないはず。あんなチビでモヤシ男を当てつけるとは嫌がらせでござる。筋肉質で太ましい方が良いに決まってるのに。


「帰りましょう、リエッセさん」


「だな…って言いたいところだがまずこの手枷外してくれ」


「ウィ。自分で外さないあたりこれはM2かなにかでござる?」


「まったく面倒なもん作りやがって」


青龍たんで斬り落とすと手首をひらひらしているでござる。手枷嵌められたら痛いってのは本当なのかな?


「そしてお前らあの海片付けろよ?!」


「「「「「「えー」」」」」」」


「えー、じゃねえよ!!! なんだよあのしっちゃかめっちゃかは!」


指差して怒るリエッセさん。うーん、怒ってる顔もイイでござる。


「くくく、いい気になるなよ若造。こうなれば最後の手段だ!!」


ポチ!


ゴゴゴコゴゴゴコ!


「お、おおお?!」


「海から戦艦が飛び立ったでござる…。あれは!」


「わーははは! 五隻あるアルシオーネきっての超弩級戦艦はただの戦艦ではなぁい!!! 五大合体超皇神スーパーアルシオーネじゃー!!!!」


いいなー! いいなー! 戦闘機もいいけど合体ロボもいいでござる! レイミさんに後でおねだりしよ。


「ハゲ親父! 税金で余計なものを作ってんじゃねえ! だいたいこんなの母上にバレたら…!」


「母さんから伝言だ。『私はスーパー戦隊シリーズの方が好きなのよ』」


「どうでもいいわ! 上から眺めてるだけかよ!!」


「私は夕イムレンジャーとデ力レンジャーがだな…」


「絶壁は黙ってろ!!!」


「ハイハイどーせどーせ私は貧乳だよ…水着のお披露目会やったって一番人気なかったし…残念(主に胸が)美人とか言われてるし…」


あーあ、いじけちゃったでござる。まあ吾が輩も絶壁には興味ない(妹君、スーさんズを除く)から是非もないよネ!


ドン!


「!」


ガキン!


「…まだそんなオモチャ隠し持っていたでござるか」


とっくにフェードアウトしたかと思ったモヤシ皇子が隠し持っていたのか、拳銃を吾が輩に向けて発砲したでござる。


「受けたな? 受けたな? 引っ掛かったなバカが! この弾丸はM2でできている! いくら神剣といえどもただでは済まないぞ!」


「アホくさ。そんなことがちょ膨れてる膨れてる! 青龍たん膨れて曲がってるでござる!!!」


『いったぁ~い! たんこぶができちゃいました…』


これじゃ鞘に入らないでござる…。というか神剣ってたんこぶで膨らんで曲がるもんなの?


「た、たんこぶだと…?! いや! 一発でもお前に当たればいいんだ!」


ズドン!


「ああああ! 手が、ボクの手がぁ~!」


「向きが変わっただけだろ。人の獲物オトコに手ぇ出すな」


おお、ウェディングドレスにハンドガンもなかなかオツなもんでござる。


「こっからはアタシの本領発揮だぜ。邪魔するイイコは並んで待ちな? ケツ穴増やしてやっからよぉ!!!」


「こっからはアタシの本領発揮だぜ。邪魔するイイコは並んで待ちな? ケツ穴増やしてやっからよぉ!!!」


「言ってることがただのトリガーハッピーでござる」


「大事な事だから2回言いました! ようやく出番だぜ!」


「お話中失礼します! 国皇陛下、周辺国連合軍司令部から連絡です」


『付き合ってられんから帰るわ』


ブチっ ツーツー


「どんな内容でしたか?」


「付き合ってられんじゃと。ふざけやがって!!!」


「そりゃそうでしょ」


無線機を背負ってきた兵士さんが呆れてるでござる。無理もない。税金であんなロボット作ってたらそりゃあねー。


「ま、いいや。アレの頭吹っ飛ばせば終わりだろ?」


ズシャッ!!!


「で、デカい……」


「PGMヘカートⅡでござる。元の大きさじゃないけど」


リエッセさんに召喚された対戦車ライフルは地面にめり込んで現れたでござる。およそライフルとは呼べないサイズに重量。どうやって撃つんでござるこんなの。


「しののんマジかっけーよなあ。全く同じかは知らんけどスナイパーライフルつったらやっぱこれだろ!」


いやー、確かにしののんはマジかっけーかもしれないけどこの大きさは絶対違うでござる…。あと対戦車ライフルって確か人に向かって撃つのって条約違反かなんかだった希ガス。パッと見で長さが10mはあるのかな? 銃身もエラい極太になっちゃってまあ。いやそれでも飛距離足りるでござる?


「対物ライフルか。だがいくら大きくしたからといって有効な距離ではなかろう」


「鎧着る必要がねーんだから能力全振りすりゃ届くって」


「ま、待てリエッセ! 頭のコックピットに乗ってるのは残りの五人じゃ!!!」


「万が一死んでも戦死ってことで。兄上達だってただの人間じゃねーんだし。…姉上はなんで乗らなかった?」


「あんな恥ずかしいもん誰が乗るか」


「それもそうか。よーし、死ね!!!」


銃把のあたりからなにやらケーブルを伸ばしてきているでござる。流石にスイッチですよne…

ッッッドゴン!!!


………………ぼんっ!


「「「「ぐわああああああ! 耳がぁぁぁぁ!」」」」


「おうすまん」


「知らない青タイツが死んどるんじゃが!!!」


「「この人でなし!」」


突然の発砲で周りの兵士達まで巻き込んだけど見事頭をぶっ飛ばし、連鎖的に爆発を起こし崩れ落ちていくスーパーアルシオーネ。全然活躍してないでござる。


「ああ、わしの巨大合体ロボが沈んでいく…。いいか若造! 今回は負けを認めよう!! しかし! 結婚は認めんからな!! さらばじゃー!!!」


「ベタベタなセリフでござる」


ものすごい悪役にありがちなベタなセリフを吐いてモヤシ皇子を抱えて逃げちゃったでござる。ま、いいか。


「タケ、ちょっとこっち」


「?」


変身を解いてそばに寄ると、強く抱き締められたでござる。抱き締め返して応える。こんなんじゃ美女と野獣かもしれないけど。


「はあ、やっぱ落ち着くわこの抱き心地。お前身長あるし体デカいから抱きがいがあるよ…」


「ねえリエッセさん。本当に吾が輩でよかったでござる?」


「いいに決まってんだろ。それともなにか? アタシが浮気するとでも思ったか?」


「う、浮気?!」


「なワケねーだろばか。ずっとそばにいろよ?」

「ええ、もちろん」


パチパチパチパチ…。


「妹のくせに姉より早く見せつけてくれるとはな。…おめでとう」


「おめでとうございます!」


「おめでとうございます!」


「おめでとうございます!」


「ありがとう!! ッシャオラァァァァー!!!!」


「何このエヴァー」


ごーろごーろ。久々の畳が気持ちいいでござる。結局バルト海の掃除に半月掛かりましたとさ。そしてまた皆で集まって、バーベキューの続きをやったでござる。


(あのあと国皇は失脚するし、兄上さん達は無事だったし、八人目はおっぱいの伝道師とか言われるしあんまり良いことはなかったでござる)


一つだけ収穫があって、リエッセさんは皇族を抜けることになったでござる。日本国籍の取得までにはまだまだ時間が掛かるけど、取り敢えず一歩前進といったところ。


(帰ってきたら帰ってきたで姉上にはめちゃめちゃ質問攻めにされるわ怒られるわ)


連れて帰ってきた勢いで我が家に引っ越したし、正体が公になったからOL辞めざるをえなかったみたいだし、いつでも一緒でござる。


(武蔵野グループの中だったらいくらでもごまかせそうな気もするけど…)


レイミさんはまたしても後始末に追われているでござる。会長のおばあちゃんから凄い勢いで電話来てたのにブッチして、またしてもお説教を食らったとか。


(姉上とリエッセさんの初邂逅もあったワケだけど、何がどうなったのか姉上がリエッセさんをあねさんと呼ぶようになってたでござる)


ごーろごーろ。姉上もまだまだヤンキー気質が抜けてないでござる。いや親戚関係? では間違いじゃないのかな?


(父上は常にハイテンションで興奮しすぎて心臓発作起こして救急車で運ばれたし…、アレじゃ将来不安でござる。近いうちに心臓発作でぽっくり逝っちゃったりして)


さわさわ。すべすべの太もも。そういえば父上と母上が駆け落ちだったのは初耳だったでござる。ノッブの側近さんが何か言いたそうにうずうずしてたけどなんだったんだろう?


「ねえ、リエッセさん?」


「なんだー」


「リエッセさんは神剣や神器持ちではなく普通の兵器を武器にしてるでござる。専用の武器とかないの?」


「専用のはねーなー。主にカスタム品だー」


ごーろごーろ。


「無尽蔵に撃ちっぱなしだったり、この間はサイズ変えたりしてたのは?」


「あー、そういうのはスカイの仕事だー。自由に使えるように改造してもらって、アタシは喚び出して使ってるだけだー。あとはまあ、自分のチカラで自由に出来るからカートリッジのストックに縛られねーんだよ」


ごーろごーろごー…。なしてスーさん?


「【天獄鍛冶師ヘヴンズミス】の鍛冶師の部分はそっからきてんだよー。ロイヤルセブンでアイツが一番のチートだなー。天界と冥界の神さんが憑いてて神剣持ちでロイヤルセブン専門鍛冶職人でー」


…これは今度からスーさんに対する態度を改めなければならないでござる。強くなったからって調子乗ってましたごめんなさい…。


「レイミの神器もゼウスのジジイ殴り飛ばして奪ってきたとか言ってたなー」


「ええ…」


「試練クリアしたのに渡さないから腹立ったから奥さんにまた浮気してんのチクるぞ!!!って脅して無理矢理パクってきたってなー」


「バチ当たりもいいとこでござる」


ごーろごーろ。


「アタシの武器に興味があるなら行ってみるか?」


「どこにでござる? 鍛冶師だけに工房?」


ごーろごーろ、抱き。うーん、おっぱいふかふか。


「工房といえば工房だし、そうじゃないと言えばそうじゃない」


「?」


「機械生命体って興味あるか?」


勇者王シリーズかな? ビーストウォーズかな? トランスフォーマーかな?


「二人ともー、お昼買ってきたわよー」


「「はーい」」

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