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変態に餌を与えないでください

マッハババアをスカウトするべく道路交通法? なにそれおいしいの?(^q^)な状態で一般道を突っ走り小田原ICから東名高速に乗る。


「コッコッコッコケェエアエエエエエエエ?!」


「蒼島さんが言ってたんだけどー、やっぱりマッハババアは速度違反だから僕らも速度違反でしょ! って」


余計なことをおおおおおお!


「あ、トモミン来た」


後方から猛烈に追い上げる黒い影。運転席側に近付くと窓をノックして後ろを指差した。サイドミラーには頭に蝋燭、右手になたを持った鬼の形相のBBAがこれまた猛烈に迫ってきたでござる。


「連れてきたからあとよろしく。私が戦ってもいいと思うんだけどそれじゃつまらないってレイミさんが言うから」


「うん、生放送させてお金取るって」


「ところで隣が泡吹いてるけどいいの?」


「死んでなければいいんじゃない?」


(手加減ないなあ…、御愁傷様)


砂漠。砂嵐の吹き荒れる砂漠。


「はっ!」


「起きたか我が息子よ」


「鳥野郎を親に持った覚えはないでござる」


「まあそう言うな。せっかく冥府の門まで来たんだしゆっくりしてけよ」


「冥府?」


「アヌビスんとこ行こうぜ」


ふっと砂嵐が止み石造りの建造物が現れる。ピラミッドみたいなところばっかり。鳥頭に案内されて入る。どこここエジプト?


「おーいアヌビスー、天秤貸してちょー」


「またかよホルス。いやいいんだけどさ」


「サンキュー。お前ちょっとそこ乗ってみ」


「ほい」


ピラミッドの中は不思議な空間になっていてエキゾチックな建築模様。アヌビスという黒いワンワンのそばに乗ってみろと言われた大きな天秤がある。物の重さを量るサイズにしては大きるすぎるでござる。


ひょいっ


ドシャアン!!!!


「やべえコイツ天秤ぶっ壊しやがった」


「痩せろこのデブ」


「だが吾が輩は謝らない」


「やべえラーに怒られる」


「もうお前帰れよふざけんな死ね」


「連れてきておいてこの仕打ちでござる」


「分かった分かった。我が息子よ、俺の力授けてやるから取り敢えずここは帰れ、な?」


「飛べない豚はただの豚でござる」


「お前宮崎駿監督に謝れよ」


「分かった分かった、翼も生えるようにしてやるから、な?」


「ふ、しょうがない。帰ってやるか」


((うっぜぇー……))


ところ変わって静岡県、浜松IC。


「シオンさん、来ます」


「よっしゃ久々に出番!」


生放送で金を取る算段はこうでござる。ロイヤルセブン最速を誇るファントムが北から追い詰め、小田原で合流し、カーチェイスを披露し、浜松でファングが凍りづけにして一件落着という予定でござる。しかし予定は未定。


「変身!」


「変身…」


浜松で待機していたシオンとカレンちゃんがスタンバイする。チャンスは一度のみの一発勝負。いいでござるか! チャンスは貯金できないでござる! ラッキースケベが起きたときは遠慮なく堪能するでござる!


「来た!」


スーパーカーの爆音が轟きマッハババアの絶叫がこだまする!


「キエエエエエエエアアアアアアア!!!!!!!」


「必殺! エターナルフォースブリザードッッッ! 相手は死ぬッッッッ!!!!!」


いや死んじゃダメなんですけど。


「……、やったか?!」


スーパーカーがスレスレで横を抜け、マッハババアは凍りづけになっていた。見事巨大な氷塊にマッハババアの標本が完成したのでござるッッッッ!


「と~し~よ~り~ぎゃ~く~た~い~」


「やったか?! は死亡フラグ」


「やだちょっとウソでしょ?!」


と思っていた時期が吾が輩にもあったでござる。氷塊にヒビが入り、粉々に砕け散った。


「キエエエエエエエイッッッッ!!!!!!!」


「しまっ」


「ぶぅぅるあああああああァッッッ!!!!!」


不意を突かれたファングを襲うマッハババアに渾身のクロスカウンターをブチ込む。


「ぐぼあッッッッ」


K・O! YOUWIN!


「あ、アンタ…、なによその姿……」


吾が輩の鎧姿は雄々しく鋼鉄の翼を広げ、猛禽類を思わせる攻撃的な形状に変わっていたでござる。その仮面ははやぶさのように。


「エレメンタルアップしてホルスモンになった感じ」


「いや違うでしょ」


「ヒーローインタビューでーす。以前と変わってますが『八人目』さんでいいんですよね?」


「そうですねー」


「どうやって羽生やしたんですか?」


「首から上がインコのヤツに貰いました」


「は?」


嘘は言ってないでござる。嘘は言ってないでござる。鳥であることには間違ってないから。


「えー、気を取り直しまして。よく見ると目も凄いですね。左右で瞳の色が違うといいますか、まるで太陽と月みたいですね。何か特別な能力が?」


「え?」


「え? はい手鏡」


なにそれ目の色が違うとか知らないでござる。アナウンサーから差し出された手鏡を覗き込むと左右で虹彩が違っていた。右は赤みのあるオレンジのような色、左目は灰色。そしてどちらも違うパターンのまだら模様。


「なんじゃこりゃー!」


「おっとまさかの自覚無し。何が見えますか? たとえばファングさんとかどうですか?」


「私に振らないでよ」


「んー?」


「ちょっと、ジロジロ見ないでよ。何にもないわよ」


いったいこんな目で何が見えるというのでこざるか。仮面に虹彩異色とか厨二病かな? ファングさんをじっと見るとなにやら見えてくるでござる…。日本男児が夢見る桃源郷が!


「白」


「そりゃ白いわよ、白の鎧なんだから」


「まあ白いですね」


ううん、そっちじゃないでござる。


「純白のレースにフリフリのフリル? あとガーターベルト。これブラジャーとおパンティーも含めてそういうセット? 性格に似合わず可愛いのをお召しでいらっしゃいますねー」


「死ねぇ! 今すぐ死ねぇ! ハアハアしながら見ないでよ!! カメラどこ撮ってんの!!! アンタのクビごとカットするわよ!」


どこって股間でござる。


「すいません生放送なんでカット出来ません、もう全国の電波に乗っちゃいました。ズリネタありがとうございます」


「あああああああ!!!!」


「私は情熱の赤です(ドヤァ」


「下着まで真っ赤なんですか、ローズさんらしいですね」


「ねえなんなの? アンタバカなの? なんで自分から下着の色バラしてるの? アンタ達みんなバカなの?」


それにしてもこの目どうしよう。ヘシン解除しても元に戻らなかったらカラーコンタクトで誤魔化せるでござる?


「そういえば必殺技出来たんですね。あれはどういった技なんですか?」


「あれですか? あれはラ○ダーパンチとかスペ○ウムアタックとかそんな感じで」


違うのはクロスカウンターってくらいか。ぶっちゃけフルパワーのパンチでござる。


「ちょっと『八人目』さんの年齢が見えてきました。ところで『八人目』さんって言いにくいんですが、何かカッコいい名前を名乗ろうとは思わないんですか?」


「エイッティ!!!」


「8と80じゃ全然違いますね」


「一応この小説タイトルで名前無いことになってますから。むしろ名乗っちゃダメですね」


「それもそうでしたね。今日この後のご予定は?」


「じゃあ聞くなよ特に予定はないですけど、家に帰って寝たいですね。ベッドでこの目に焼き付けたファングさんの下着姿で0724545したいです」


「そろそろ時間が押してきました、最後に一言どうぞ」


「ファングのパンティーTバッグー!」


「こんな恥かいちゃ嫁にいけないわ、アンタ責任取ってよね」


「えっ」


「以上、現場からのヒーローインタビューでしたー」

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