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冷やし飴

冷やし飴は、主に関西で主流のお菓子で、関東ではあまり見かけませんね。しかし、関東の人も、和菓子屋や茶屋で見かけたら、ぜひ飲んでみてはいかかでしょうか。


かき氷とは違った、夏の思い出ができると思います。

暑い夏。蒸し暑い夏。体がどんどん疲れていく。そう思いながら、氷川神社の参道を歩く。


そこで、茶屋を見つけた。揚げ饅頭、酒饅頭、かき氷とある中で、冷やし飴に目が留まった。


冷やし飴・・・・。名前は知っているが、飲んだことは無いなあ。飲んでみるか。


注文する。焼き団子の、香ばしい匂いのする中、冷やし飴が出てきた。


琥珀色に氷が浮かんでいる。どんな味だろう。


一口飲んでみる。


おお、飲み物なのに、濃厚で、麦の旨味を感じる甘さ。とろりとした舌触り。


しかし、くどさは一切ない。ぐびぐび飲むと、甘すぎる。


ゆるり、ゆるりと口に含めば、心地いい甘さが口の中に広がってくれる。


そして、かすかに生姜が効いてくる。しかし、余計に暑くなることは無い。


そして、飲んでいると、段々疲れが取れてくる。不思議なものだ。さっきまでのダルさはが、嘘のようだ。おまけに、石段に並木が広がる参道に、冷やし飴とはなんと情緒のあることだろう。


長野は小諸。島崎藤村所縁の城跡の茶屋でも、冷やし飴を頂いた。こちらは、さっぱりした甘さに、生姜がピリリと効いてくる。しかし、涼しいため、この生姜の風味をクセになってしまう。


島崎先生の足跡を探しながら、冷やし飴をゆるりゆるりと飲むのも、また情緒があり、芸術的だと思うのは、私だけであろうか?


そんな漠然とした問の中にも、琥珀色をした冷やし飴が素晴らしく輝いているのは、事実なんだ。


そんなことを、冷やし飴を飲みながら思う、夏のひと時。

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