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カツ丼

日本人のごちそう。

そば屋のカツ丼は旨い。なぜなら出汁が美味いから。


あの旨味の強い出汁のおかげで、カツ丼が美味しくなるんだ。もう一つ、ご飯が染みるくらいお汁があった方がいい。


もちろんそれだけではない。とんかつが旨くなくては、カツ丼の真骨頂は出せない。


しっかり脂身がとろけ、お肉も衣と一緒にかみ切れるとんかつが、一番カツ丼に合っているんじゃあないのだろうか?そして、しっかりと塩コショウを振っておくと、これまた旨くなるんだな。


そして、卵。白身は、少し半生で、黄身はトロトロしている卵が一番うまい。


ごはんは、少し硬めに炊いて、お汁と絡まっても、しっかり食感が残るようにしたものがいい。


こんな理想のカツ丼が、嬬恋にあった。中華料理屋のカツ丼で、そば屋ではないが、とても旨いカツ丼だった。丸い容器に入ったそのカツ丼は、カツの塩気と、卵とじの優しい甘みが丁度いいカツ丼で、ごはんの硬さも理想的だった。だからお汁と絡まったごはんはまた格別だったんだ。


最近は食べれれてないが、また行こう・・・。


そして、ソースカツ丼。これも不思議な食べ物だ。


卵とじのカツ丼よりも、気取らなそうな食べ物にみえる。しかし、そうじゃあないんだ。


まずソースが良い。


ウスターソースに、スパイスの香りと旨味、おそらくブイヨンも配合されてるのか?それだけ動物性の旨味を感じられる。


そして、水気をしっかり除いた千切りキャベツ。このキャベツがソースカツに、植物性の旨味を追加してくれる。そして、ご飯が水っぽくならない。


とんかつは、あまりコッテリせず、さっぱりした豚肉を使った方がいい。肉汁溢れた肉は、ソースの旨味を減らしてしまうから。


雪が積もり、寒い会津の夜町。その町の、昭和チックな食堂で、ソースカツ丼を食べた。友達を一緒だったため、なおさら暖かかった。


チェーン店のような、殺伐としていない店の雰囲気、本棚積まれた古い漫画。最近減ってしまった食堂の雰囲気。


そこで出てきたソースカツ丼とミニらーめん。


ソースもさっぱりとした旨味とスパイスが感じられた。とんかつも、まさに理想の、さっぱりとして柔らかいものだった。


キャベツもまた良きかな。


こいつをとにかくお口へかき込む。寒い体に石炭が入ってくるようだ・・・。暖かくなる。ミニらーめんもソースカツ丼のアクセントになっている。そして、一緒に食べている、友達の美味しそうな表情・・・。


胸に幾何の不安と荒涼感を抱いていたボクは、雪が解けるような気持にさせてくれた。


また行きたい。そんな味・・・。

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