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かりんとう
噛んだ瞬間に、ジュワ~と広がる甘さ。外はしっとり、中はサクサク。それが、かりんとう。
ボクはいつも蔑まれている。安売りされているからだ。スーパーの100円コーナーにいつも残されている。
周りのお菓子たちはどんどん売れていくのに、自分は売れ残る。そうか、ボクは必要がないのか・・・。
そんなとき、励ましてくれてのは、隣にいた、ベビーカステラ君だった。彼はこう言った。
「君はほかのお菓子よりも長持ちする。それだけ長生きで丈夫だということだ。後は気長に待てる能力を持てば、完璧だな。」
ぼくはこの一言にとても救われた。気長に待ってみよう。早くから成功しなくっていいんだ。いつか食べてくれる人とめぐりあえる時が来る。
あ、手に取ってくれる人がいた。ベビーカステラ君も良かったねと言ってくれた。ありがとう、ベビーカステラ君。
ところで、なんか段ボールに詰められて、汚いトラックに乗せられたけど、ボクは一体どこへ行くんだろうか?
インドもジャレビというかりんとうがあります。




