枝豆
枝豆は、元々、枝にくっついたまま茹でられて売られていたから、枝豆というそうです。
枝豆たちが集まっている。枝豆たちが群がっている。
安らげる場所は何処だと群がっている。枝は何処だと群がっている。
昨日まで枝にぶら下がって、くっついて、みんなで安らぎを分かち合っていたのに、今では枝もなく、隣にいた友もなく、ただ寒々しいクーラーにジッと冷やされているだけだ。
そして、誰とも知れないトングで掴まれ、揉みくちゃにされていく。あまりに辛いから、さっきまで熱湯に入れられ、傷口に塩を塗られたことは、もう忘れた。
友と離れてまで、やるべきことはこんな辛いことなのか。友は何処に行ってしまった?
ボクが生まれた意味は、何だったの?
安らげる場所は何処だと群がっている。枝豆たちが群がっている・・・。
よし!仕事も終わった。今日は金曜日。明日は休み!
久しぶりに一杯やるか!またアイツらと呑もう!
行きつけの居酒屋には、もうアイツらが宴をやっていやがる。しょうがないやつらだ。フフ。
え、相変わらず、俺たちはずっとつるんでるって?腐れ縁だよ!
最初は・・・とりあえずビールだろ?ビール!ビール!それに・・・とりあえず枝豆だな!
お~い、とりあえず生3つと枝豆ね~。
お、来た来た。黄金色のビールに、鮮やかな緑色の枝豆!これが無くっちゃナ~!
よし、カンパ~イ!
それにしても、枝豆は旨い!塩で味を付けるだけで、こんなにも化けてくれるなんて、信じられない!
アイツらと呑んで、枝豆を食っていると、やるべきことは、こんなに楽しいことだと思えてくるんだ。
何でだろう?分からないがな!ハハハハハハ!




