月を無くした太陽
はじめまして朱手っていいます。初めての投稿なので下手くそだと思いますが何かアドバイスとかがありましたらよろしくお願いします。
広大な荒地に連弾銃の銃声が鳴り響く。
(チッ、相手の銃の性能良すぎだ!
ただでさえ3対1で不利なのに。)
黒いスーツを纏った三人組の一人が何かを手に取った。
それはボコボコしていて、栓を抜き、投げてきた。
カラカラと転がり、俺のとな―――
目の前が真っ白になる。
いや、真っ黒か………
奴らが投げてきた物が爆発して、俺は今まで隠れ住んでいた家ごと吹っ飛ばされてしまった。
(ゲポッー!
クソ、政府の奴達が、手榴弾なんか使いやがって……。
ハァー。
せっかく長年かけて作った隠れ家がなんでこんな事になってるだ……)
黒いスーツの三人組は爆発の被害に合わないように遠くに逃げていた。
(今の間に軽く説明しよう。
まず、俺の名前はシュウだ。
職業はヴァンパイアハンター。
そんで、ヴァンパイアハンターってのは
ヴァンパイアの血を飲んだ者がなれる数少ない職業の一だ。
ヴァンパイアの血を飲むとヴァンパイアに噛まれてもヴァンパイアにはならないし太陽の光を浴びても平気だ。
それに人間よりは丈夫になれる。
だが、この世にヴァンパイアはもういない………
俺達、ハンター達によって全てのヴァンパイアは全滅されてしまった。
そこまではまだ俺達は良かった。
だが政府の奴らは
ヴァンパイアの次に……
俺達“ハンター”を狩りにきやがった。
奴らはこの世からヴァンパイアの血を完全に無くす気らしい。
それで今は奴らと交戦中って訳。
これからどうしよう。
壊された隠れ家の瓦礫のしたで隠れてたはいいけど……
ハァー、やるか。
こっちの持ち物は短剣1本、マッチが2箱、弾が少ない銃がある……
そして近くに転がるはもう食べれない食糧の山。
肉に野菜に酒に調味料……)
俺は瓦礫からバレないようにコッソリと出て
周りの瓦礫の木材全体に酒樽やオリーブオイルなどを投げまくった。
奴らの足音だけの荒野にガラスが割れる音が響く。
「ん?
向こうで音がしたぞ。」
(チッ、気付くの早いな!
だが、もう遅い。)
俺はマッチを擦り、マッチ箱ごと油や酒樽を投げた方向に投げた。
激しく燃え上がる木片に奴らは慌て始めた。
(よし、全員がバラバラになったぞ。
今がチャンス。)
俺は短剣を構え、
後ろから1番近くの奴の首を掻き切り命が消える音が木片が燃える音の中に響く―――
何度聴いても、とても悲しく冷たい音だ――――
「グボァーー」
首を切られながらも何かを叫んだ。
(チッ、今ので気付かれたみたいだ。)
残りの二人が連弾銃をこっちに向け撃ってくる。
その時、俺は右足を打ち抜かれた。
(チッ、右足が……クソ……
……死にたくない
まだ、死にたくない……)
「ハァアアア!
死にたくねぇんだよぉー」
俺は叫びながら、短剣を俺の足を撃った奴目掛けて投げ付ける。
どんなに良い装備を身に付けたところで肌の露出した部分は必ずある。
そこを狙えば……
やっぱり、音が鳴り響く―――
「ハァ ハァ ハァ
クソ血を止めねえと……ハッ」
俺は投げつけた短剣を抜き取り、周りの炎で短剣を焼き、それで弾を抜き、傷を焼き血を止めた。
俺が気を抜き、辺りを見回したが残りの一人がいなかった。
「死ねぇー!
化け者がぁー!」
また、連弾銃が吼える。
俺は弾を避け短剣を構える。
回りはゴウゴウと燃える木片の熱と流した血が俺の意識を朦朧とさせる。
(早目に終わらせたいが相手も生きようとする者、そう簡単にはいかない。)
「………ックソガァアー」
睨み合って5分くらいしたところで相手が痺れを切らし発砲してくる。
俺の中のヴァンパイアの血が叫ぶ。
「……闘いは…こうするんだよ………」
俺の躯が喜ぶように踊る―――
弾を避け、短剣を奴の喉下につけ、そのまま引き、音が響く―――
弾の一つが肩を掠めたがどうってこともない。
相手は死んだ。
いや、俺が殺した。
神様がいるなら、きっと俺のことを許さないだろう。
だが、俺はあの音を奏でないと俺が奏でられる……
俺はまだ生きる。
さらに罪を冒しても……




