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第XX話 小さな英雄

はい、今作一欲はこれにて、幕引きとさせていただきます。

理由は、単に私の力不足で、これ以上話を進めることは難しいと判断致しました。

もう一つは、私の都合上、なかなか書き進められなかった事です。

まだまだ物語の謎は沢山ありますが、それは後がきの方で少し説明したいと思います。

では、最終回、参ります。

 


 ある町外れの小さな小屋に、2人の老夫婦がいたそうな。

 その2人は神に子を授かるように祈ると、念願叶って子が生まれた。

 しかし、その子は背丈が一寸程しかなく、名をそのままにした。


 彼は14の時、好奇心に踊らされ、家を出た。

 最初は大きな街に入り、同じ背丈の少女に出会い、契りを交わした。


「世界の全てを見に行き、欲望をかなえる」


 と。

 それから白塔に行き、鬼と出会い、廃旅館に行き、亡霊とも出会い、大きな島に飛び、名を馳せ、バラバラになった後、幻の京に迷い込み、

 そこで地獄の修行を2年間突き通し、精神的にも大きく成長した彼は、全て取り戻すため、その場の誰もを巻き込み、見事に勝利を手にする。

 努力で人生のどん底から這い上がった努力家であった。

 それから仮面の狂乱者との死闘を繰り広げ、故郷に帰った彼は2人の老夫婦を強く抱き締めた。

 その次の月、2人はなんの前触れもなく、この世を去った。

 山の奥の祠の2人の墓に、『永遠の愛』の意味を持つ紫のチューリップの花束が置かれている。その花が決して枯れる事はない。


 鬼政権を裏切り、世界で裏切り者になった鬼は、その名誉を讃えられ、今は人間の娘と恋愛真っ最中。

 亡霊は、一度過去に行き、そこで豪族の仲間たちと協力し、過去を確実に変え、再びその世界で眠りにつく。そのまま目覚めても、彼女1人だったそうだが、今も相変わらずだそう。

 彼女が眠っていた洞窟は、心霊スポットか、パワースポットか分からないが、世界でも有名なスポットになったらしい。


 大きな小人の旅人。


 彼の名は御伽 一寸。

 またの名を、『小さな英雄』。


 後にあの欠けらは、秘宝 打出の宝槌だという事が判明。

 それも鬼たちの世界、地下へと封印されていた。

 大きさは違えど小人は小人。


 かつての初代、豪傑の鬼を地下へ封印し、伝説となった『一寸法師』の再来だと世を騒がせ、

 14の欲望の願望機は、この世には存在しないことを明らかにした彼は、こう言い残した。


「どんな奴にだって、己の願望を叶えられる力がある。全ての生命はそれをーー」



『希望』と呼ぶ。


 それは、既に7つの欲望を左手に宿し、それを努力で美徳にした者のみが味わえる全て。



 希望という名の欲望。



 彼は今もなお、日本を旅して歩いている。


 もしかしたら、今もこうして、貴方の街中に、等身大の大きさの彼が、紛れ込んでいるかもしれない。


 もし見つけたら、「夢はなんですか?」と聞いてみよう。

 君の望んだ答えが、返ってくるかもしれないーー







ーー「おしまい」

「へぇ〜やっぱり何回聞いてもすごいね」

「そうだろう」




「2人とも、そろそろ行こう。準備して」

「ああ。今すぐ行くよ。ほら、早く準備するぞ。お前の母ちゃんはキレたら蹴鞠をぶつけられるからな」

「それは嫌だ」






ーー「ねぇ、父さんの夢は何?」

「……俺の夢?そうだな。俺の夢はーー



 お前と母ちゃんと、3人で、この世の全てを見に行くこと、かな」


「へへ。じゃあ僕の夢はね。えーと、僕の夢はーー」





「父さんみたいな『英雄』になること!」







「……そりゃ」






「楽しみだ」




 おわり





説明

先天能力:人間、妖怪が生まれた時から持っている能力。それは人それぞれで属性や性質が異なる。

赤い光:大罪を倒した時に発した光。あれは大罪を宿した彼らの魂。一寸の左腕には、彼らの魂が宿っている。

一寸が見た謎の空間:あれは彼の精神の中、もう一人の自分。

因みに帆雲は元小人。


まだまだ解きあかせてない謎がありますが、このぐらいにしておきます。


今作は見切り発車、ではないですが、ここまで読んでくれた読者様、楽しみにしてくれた皆様に本当に心から感謝申し上げます。

次回作は既に思い浮かんでいまして、少し練ってからにしたいと思います。

私の勝手な都合により、こんな形ですが、

「〜一寸法師と14の欲望〜 Fourteen small desires.」

ここで、終わりにしたいと思います。

本当にありがとうございました。


伊庭 トラの助でした。また会いましょうバーイ。

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