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シンの災難 下

中途半端な挿入ですが,シンの災難 の続きです。 

無理やりのパートナー3 にあたるシンの視点です。


 装置が外れたら、痛みからの解放とこれまでの疲労の蓄積で意識が途切れた。


 次に目が覚めたら、ふかふかのベットの上だった。

・・豪華な部屋だな。窓の外は、薄明るいから今は早朝だな。


 どうやら誰かの家に運ばれたらしい。 あの少女の家かな?


そんなことを思っていたら、執事さんらしき人が立っていた。


 すげーな、ナマで見たの初めて。あの子、いい家の子なのか?


「お体のほうはいかがでしょうか?」


 まずまずだな。まあ、装置が外れたから、あとは回復すれば大丈夫だよな。あとは、


ぐぅ〜〜〜〜


「ああ、腹減った・・。」

「少々お待ち下さい。」


 まさかあの一言で、これほど豪華な食事を運んでもらえるとは・・・。 満足に食べていると、貴族らしい男が来た。


 この気配は、確か、あの女の子が捕まった時に男爵のところに来た気配その2だ。

やっぱりあの子を助けるために来たのか。


「君、体調は?」

「おかげさまで、ましになった。」

「ふーん。」


 こっちの回答につまらなそうな反応をする男だな。

あの子の兄か?妹のペアとかになる相手の偵察か?

 けど・・・こいつからはあの子と血が繋がっている匂い(・・)がしない。

じゃあ、こいつはなんだ?


「君は自分の場所に帰らなくていいの?」

「・・・・・。」


 なんだ。こいつ。おれのこと見透かしたと言わんばかりの態度だな。

これは、正直に言ったほうがいいか。


「・・・迎えがくるまでな。おれ、自力で帰れないんだ。」

「そう。」


って、勝手に聞いて、勝手に部屋を出るのかよっ!!?もう、知らねーよ。あんな男。


 イライラしてむすかすと食べていると、知った顔が現れた。

あの子だ。やっと一安心。まずはお礼言わなきゃな。


「よぉ。世話になったな。」


 目の前の子は申し訳なさそうなそぶりだった。なんだ?


「・・・そういえば、名前、聞いていなかったね。」


・・・ああ、そんな暇なかったもんな。申し訳なくもないのにな。


「シン。こっちからも聞いていいか?」

「リースっていう・・」

「・・まったく、男の部屋に一人で入るなと昨晩言っておいたのに、リースってきたら・・。」


って先の失礼な男じゃねーか。って、なんだよ。こっちを冷たい目で見て・・・


「汚い。」


・・・・は?いや、おれも自覚あるけど、この突然現れたメイドたちは何・・?


「まあ、お汚れがひどいこと。それではまずお風呂に・・」


あ、飯が遠ざかってく・・・。









 化粧室に入ると、いきなり服を脱がされた。

びっくりしたおれは、そのままお風呂に直行され、無理やり入れさせられた。


・・・なんちゅー手際の良さ。


髪はこの中で若手のメイドが洗っていた。残り2人のメイドは両腕を洗い始めた。


・・いやな予感っ!!!


「ちょっ、待っ、そこはいいから!!自分でやるから!!」


洗う場所が胸の方に移行していた。


「いいから大人しくなさって!」

「まあ、可愛らしい反応だこと!」

「私たちに任せて!」


洗う場所が胸から段々と下に行く・・・。


 やっぱりそうかっ!!いやだーーーっ!!!


 この状況を助けてくれる人・・・知っているのあの子しかいないじゃん。

こっちは全裸で相手は女の子だけど、仕方ないっ!!


「やーめーろーーーー!! リース! 誰かーー、 助けてーーーーー ー!!!」


 ・・・見苦しいのを見せるけど、お願いだーーーっ!!


扉の向こうから心配そうな、あの女の子の声が聞こえた。

「シン・・・?」


 リース、やっぱいい子だな!!頼むっ!!助けて!!


「・・・・リース、見るものではないよ。」


 あの男ーーーーっ!!!余計なっ


「そうだね。・・ごめん、シン。頑張れ。」


・・・うわーーーーっ!!
















「・・・・・・。」

「綺麗な青髪に顔だから、こっちが似合うと思うの。」

「いえ、ハンサムだから男前にした方が。」

「けど、甘い雰囲気でもあるから、こっちの飾りを・・。」


シンは全裸でバスタオルにくるまっていて、その背後にメイドトリオが楽しそうに服装を見繕っていた。


 ・・・もう、いやだ・・・。これなら別の意味であの男爵の拷問の方がマシだった・・。






 メイドトリオに散々遊ばれた後に、化粧室から出た。リースが驚いた顔をした。


「・・これでいいのか?」

「あっ・・・」

ん? 「なんだよ?」

「・・・いや、思ったより若くてかっこいいから。」

「ふ〜ん・・・。」


 さっき、助けてくれなかったじゃん、ふん・・って、年下にふてくされても仕方ねーか。

この子がいなきゃ、おれは大変だったもんな。恩人だからな。握手しておこうかな。


「あらためて、半年間、よろしくな。相棒。」


・・・ん?何、驚いているんだ? ここでは握手する習慣ないのか?

あ、握手し返した。微笑んだ。ツンとした感じよりも、微笑んだほうが年相応でかわいいじゃん。


「・・・シン、よろしくね。」


 おう。 って周りの反応が変だな。


「どうしたの?」

「「「・・・・リース様が笑っていらっしゃる。」」」


・・それで驚くって、この子に失礼じゃねー?


「シンの書類を記入しなきゃならないから、2人きりにしてもらえるかな?」


 ・・・・この男が微笑むなんて、いやな予感しかしないんだけど。 リースと一緒に出ていっちゃだめか?








「・・いいか?飼い主は伯爵の僕だから。」

「・・・なんか、さっきのリースの前とキャラ違くねーか?」


 扉を閉めた途端、目の前の伯爵と名乗る男は威圧的でえらそうに見える。 かなりどす黒い。

 そんな伯爵をシンは呆れて見ている。


 伯爵はこれからのペアとしての行程と想像できる状況を説明してくれた。

この伯爵がどこまで先をよんでいるのか、その思考力が怖いが、情報をくれるのはありがたい。

おれは旅人で、この国について何も知らないからな。それと、リースのフードの上司には気をつけろっと。たぶん・・あいつだな。


「君は害もないみたいだし、まずペアに認めるけど。・・・何があってもあの子のこと守るんだ。一つでも怪我とかさせたら、牢獄・・行きだよ?」

「それだけで、か・・。」

「一つでも手を出したら・・・殺す!!」

「おいっ!あぶねって!!」


伯爵がすごい形相でペーパーナイフをシンに向けている。 けど、シンは冷静だ。


 こいつはリースと血が繋がっていない。となると・・・


「・・・お前、ロリコンか?」

「・・・・・。」


怖えーよ。その間。


「・・違う。あの子のことをずっと見守って来た、保護者だ。」

「保護者?血が繋がっていなくてもか?」

「・・帰巣本能がない犬が、余計なことを言うな。」

「うわ。ひどい呼び方だな。」


 けど、この男は本気であの子のことを思っているんだろうな。

で、あの子の周りに危険がないように配慮していると・・。

まー、その思いは保護者としてなら理解できるな。

あの子は恩人だし、こいつには飯とか世話になった。

その思いに応えてやるか。


「大丈夫だ。あの子のことは全力で守るから。」


 心から誠意いっぱいに応えたつもりだ。























え? 伯爵、半泣き?


「・・っリースとの恋愛禁止っ!!!」

「っだから、違うって!!」


一言、言うぞ。この伯爵、めんどくせーーーーっ!!








シンの災難

上→幽閉され拷問を受け変な装置を頭につけられていたこと

下→メイドトリオ&伯爵に会ってしまったこと(笑)


次回はまた,ペアでの初めての仕事 に戻ります。

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