序章 伯爵との出会い
初めての作品です。確認はしていますが、おっちょこちょいなので誤字脱字があるかもしれません。また、楽しんでいただければ幸いです。
草原の中にある一軒の家。
電気も点けない暗い部屋の中、10歳前後と思われる少女は体躯座りで玄関を見つめていた。
いつ開くか分からない、その瞬間を待ちわびて・・。
「お、母、さん・・・・。」
けれど、その母親は帰宅予定よりも数日も遅れていた。
・・予定を破ったことはなく、帰らない日はなかったのに・・・。
不安と絶望が少女の中に渦巻き、何も音もない暗い部屋がそれを助長させる。
ある時、玄関の扉が開いて、暗い部屋に光が差した。
少女は希望と共に顔を上げた。
しかし、そこには母はいなく、一人の青年が少し息を切らしながら立っていた。
知らない人がいるので少女は戸惑う。
逆光でよく見えないが、青年の身なりは良かった。
「・・こんにちは。リース。 僕は君のお母さんの知り合いなのだが、彼女はしばらく仕事で帰れないらしいから、それまで僕の家で待っていよう。」
青年は体躯座りをしている少女の目の前まで来て、同じ目線になるようにしゃがんで言った。
逆光の中、青年の真剣な眼差しが少し光るように見えた。
少女は力なく首を振った。
「いや、・・・ここで待つ。」
少女の反応に青年は戸惑った様子で、ぐっと口に力を入れていた。
その目はとても悲しそうだったので、青年に対する少女の警戒が少し和らいだ。
青年はまた優しく声をかけてきた。
「・・大丈夫だよ。僕の家はここから見える所だから。ほら、あそこだよ。あそこは君のお母さんが仕事場と行き来する通り道だから、ここよりも待っていやすいよ。」
青年は窓の向こうに見える屋敷を差した。
・・・あそこの大きな家の人だったんだ。確かに、母が仕事に行く方角だ。あそこなら,待つことができる・・。
「ほら、・・おいで。」
青年が静かに手を差し伸べて来た。少女は戸惑いつつその手をとった。
少女はなぜだか分からないが、その青年の手の温もりに親近感が湧いた。
読んでいただきありがとうございます。
前に読んでいただいた方は知っているかもしれませんが,この序章,後付け加えです。
!!? はい・・すみません!! 色々と試行錯誤してやっているので,許してください!!
できましたら,今後も宜しくお願いします!