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幻は儚く消え去る  作者: 追憶の欠片
1/1

二人の想い


「どんな苦難が待ち受けていようとも、私が必ず貴方をお守りします。」


あぁ、俺何やってるんだろうな……


「貴方も私の前から消えていくの?……貴方はどうしてそこまでしてくださるんですか?」


こんなことしたって何にもならないのに


「私は生まれる前から、貴方に仕えることが決まっていました。私は家訓に従いその使命を全うするだけです。」「我が刃は主の為に、我が身は主の盾に、我が心は主の為に、国の危機であろうとたとえ我が身朽ち果てることがあろうと、どんな理不尽な命令であろうと、どれだけの犠牲が生まれようと、全ては主の為に、主の思うがままに、仰せのままに行動せよ。」



これは幻であって現実じゃない。


「それなら命令します。命をかけるなんてやめてください。貴方も共に逃げましょう。貴方まで失ったら私は……」


だというのにこんな形ですら満たされている自分がいる。


「姫、私はその命令には従うことは出来ません。」


本当はこんなことするべきじゃなかったんだ


「何故ですか!主の思うがままに行動せよとご自身で仰ったではないですか!」


それはよく分かってる。


「家訓には続きがあるのです。「もしも、主の命に背くことで主が助かるならば、命を無視してでも実行すべし、しかし、失敗は決して許されない。主の命尽きるとき我らも供に眠るべし。」姫、私は貴方を助けるために貴方の命に背きます。」


でもいてもたってもいられなかったんだ。


「どうして、そうやって皆私の前から姿を消すのですか…父も母も弟も妹ももうこの世にはいません。私にはもう貴方しかいないんです!貴方しか……グスッ」


どんなに思っていても気持ちを伝えるわけにはいかない、


「姫、どうか身勝手な私をお許しください。私は貴方に何と言われようとも意志を曲げるつもりはありません。これが最後かもしれないので本当のことを話します。私は幼少の頃の貴方に会うまで、家訓などどうでもいいと思っていました。しかし貴方に会ってから、貴方とともに過ごす時間が、笑顔が絶えない時間が私にとっては何物にも代えがたい、大切な宝物となりました。」


どれだけ思っていても伝えてはならない


「私だって同じです、貴方と過ごす時間はとても楽しくて…笑顔が絶えなくて、こんな時間がずっと続くんだと疑いもしませんでした…でも今は……今は」


何故なら


「ミシェル姫!いや、ミミ……俺は貴方が好きです。」


「私もですフィリ…」


君は親友の彼女なのだから。


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